2006-03-12

farewell, Fujiidera

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今回の関西訪問の裏メイン、藤井寺球場訪問を敢行する。

阿倍野橋から近鉄南大阪線に乗って準急で20数分、そこは以前と同じなのだけれど

駅を見ても車両を見てももうバファローズの痕跡もなにもない。まるで球団を

持っていたことなど公式記録から抹消されたかのように。

もうこれだけでかなり意気消沈しつつ藤井寺駅到着。

駅舎から路上に出て球場まで向かう道すがらにあったはずのコンビニが消えている。

そして球場入口手前にはなぜか自転車置場が。そこの管理人のおじさんに

訊いてみたらやはりもう球場内には立ち入りすらできないらしい。

とはいえ正面から見た限りでは足場が組まれただけで見かけ上は変化なく、

ちょっとだけ安堵。このぶんならまだ解体というほど大げさな話には

ならなさそうだなと思いつつ外郭をぐるりと見て回ることにする。

1塁側から外野まではほぼ原形が保たれており、スコアボードや1行だけの

電光掲示板も手付かずだ。その昔(まだクサが監督をしていたころだ)はじめて

関西を訪れて大阪球場を見てみたときよりもぜんぜん保存状態がいいので安心して

いたら、真のサプライズはそこから。

なにげなくセンターラインを超えて3塁側へ到達するとさあ大変。なにやら

スタンドや地面やらに瓦礫がボコボコ積んである。ってことはもういろいろ

破壊されているのか?そしてさらに右に目をやると、3塁側後方に存在していた

はずの室内練習場は完全に取り壊されていた!外壁の一部を残して跡形もなく

消え去っている。壁面にもう動かない時計がへばりついていて痛々しい。

電車の窓からは見えていないところはすでに取り返しがつかないほど解体が

進行している。仮にいまなにかの奇蹟が起きて突然工事がストップしたとしても、

ここまで手が入ってしまったらもう野球場として再度利用するのは不可能だろう。

そしてそれは近鉄バファローズが本当の意味で永遠に喪われたということなのだ。

そんなことを思いつつ足を進めるといつの間にかスタート地点に戻っていて、俺は

肩を落としながら阿倍野橋へと戻るべく再び駅舎へと歩き出したのだった……。



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