- 川崎犬太朗「イヌコロリ」茜新社 ISBN:9784871829182
話○ 抜△ 消極小 総合△
とびきりキャッチーでキュートな幼女満載短編11本。表紙/裏表紙でわかるように
ざっくりとした最先端のタッチでセンスよく描かれたヒロインたちの造形が出色。また
タイトルどおりケモノ耳率も高く、人外っ娘が気持ちよさそうに中田氏されて絶頂に
達するさまがたいそう抜ける。お話面も達者で軽快エロコメからビターな後味を残す
掌編まで自由自在。なかでも切れ味鋭いギャグ系はスピーディーな展開でエロ抜き
でもふつうに楽しい。とまあここまで大絶賛しておきながら総合評価がさほどでない
のは、これから述べる要素により感想が賛否両極端に別れるであろうことが明らか
だから。まず野郎キャラが一部の例外を除くと幼女たちの愛らしさと対極に描かれて
おり、ことに冴えないロリヲタどもの切なくもリアリティあふれる造形はいろんな意味で
読み手を挑発すること必至。そしてそんな嫌悪感を最大限に活用した悪意100%の
ギャグやシュールなオチは万一そこでフィニッシュしてしまうと一生作者を憎んで
しまいかねないほど。初期の糸杉柾宏や一発キメているときの土居坂崎にも匹敵
するギリギリの疾走感とプリティな女の子の笑顔とのギャップにトリコ仕掛けの
明け暮れとなるかゴミ箱の奥深くに放りこんで2度と近寄らないかは貴方の選択
次第。俺個人は先にLOで大半の作品を読んでいたぶん免疫もあるし前者寄りの
見解なのだが、もし初見でこの単行本のなかのいくつかに触れたらしなびたちんこ
振り回して激怒したかもしれんなあ。
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