-こうのゆきよ「ちゅぱっ!」海王社 ISBN:9784796401029
話△ 抜△ 消小 総合△
青春真っ盛りの初々しいラヴから美しくも静かな狂気を孕んだ肉の交わりまでバラエティ豊かに短編全12本。すっきりさわやか微萌え系のタッチで長年活躍するこの作家じつに5年ぶりの商業単行本だ。
前世紀末からゼロ年代初頭あたりが活動の最盛期で当時は俺もお世話になったものだが、最近とんと消息を聞かなくてどうしたのかと心配していたところに姿を見かけて思わず衝動買い。表紙のタッチが記憶にあったものとずいぶん違っていて驚いたのだけれど中身はひと世代前のエロゲ風味な昔どおりのこうのゆきよ絵。作者サイトに掲載のイラストはカヴァーの印象と近かったので、今回収録作はかなり以前に執筆されたものばかりと推測。可能ならばサンプル閲覧後の購入を強く推奨する。
初出一覧もなければ著者あとがきも付属せずと旧来のファンが所有欲を満たすにはさびしい造りだが、そこで展開されている物語は清楚な絵柄にふさわしいリリカル和姦主体。新鮮味こそないが王道ストーリーならではの安心感を読者に与えてくれる。一部にダークな雰囲気の作品もあるがそれらも陰惨さは希薄ゆえ比較的受容しやすいかと。
ヒロインの年齢層はロウティーンからママさんまで分布は広いがその大半は中高生。おっきなお目々と華奢な手足を共通項に貧~やや巨まで各種乳サイズを取りそろえ。学生メインのお話主体ゆえスク水やブルマなどいかにもなコスが頻出するのでJK大好きっ漢にはことに好適。またこの作家がキャリア初期から得意とする巫女ネタもぬかりなく1本収録されているのにはさすがとうならされた。
エロシーン総量はけっして多い部類ではないものの、滑らかなボディをていねいに剥いてゆき可憐な花園へと侵入するやキュートなお顔を真っ赤に染めて甘い吐息をもらしはじめるおにゃのこの痴態がなかなか扇情的。恥ずかしさのあまり涙を浮かべ必死に声を抑えながらもこらえきれずに音量MAXに達し絶頂する彼女らの萌えまんこめがけてザーメン斉射だ。
昨今流行りのエロカワハードな作品を見慣れてしまうとどうしても実用性では見劣りし、またいまいち編集の熱が感じられないプロダクトゆえあまり芳しくない採点にしてしまったが、全編を貫くはんなりした萌えテイストが読み手の殺伐とした心を優雅にクールダウンさせてくれる。その意味ではガチな黄色い楕円物件としてよりマークなし単行本として刊行した方がその本領を発揮できたかも。
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