-白石なぎさ「濡れた果実」一水社 ISBN:9784864160438
話◎-○ 抜○ 消極小 総合○
図書館で春をひさぐ少女連作シリーズ2話+短編8本(うち1本過去作スピンオフ)。生活感あふれるどっしりボディを押し開き肌と肌を密着させて互いのぬくもりをむさぼりあう四畳半フォーク的色事を現代において追体験できてしまうという非常にディスティンクティヴな芸風が光る作者第4単行本だ。なお処女作から恒例のカヴァー下詳細作品解説も引き続き付属しているので、購入したら真っ先にガワを剥がすべし。
端正ではあるもののずいぶんと古風なアニメ絵の作画もさることながら、さらに世代をさかのぼり1970年代の空気をまとったかのようなウェッティかつ重苦しいストーリーテリングがデビュー当時からこの作家の変わらぬ持ち味。なにせ夜の街をバックに寺山修司の著作のフレーズを延々引用するなんてマネを21世紀のいま平気でやってのけるのだからただものではない。絵柄こそキャリアを積むにつれ洗練されてきたものの、物語はこの最新刊でも流行の萌えエロなんてそっちのけにずっしりとお腹にたまる白石なぎさテイストが炸裂。
前作「犯れる彼女」において初期2冊の高年齢メインからハイティーン~20代前半ヒロイン主体へと修正が図られたが、今作においても基本的にはその路線を踏襲。また著者解説によると他作家の影響のもと絵柄を変えたものの編集に止められたとあるが、ものすごく微細ではあるもののたしかにそうしたタッチのブレが時系列で確認できる。直近の描きおろしなどはとくに男子キャラの泥くささがだいぶ抜けてなかなかいい感じ。
お話は純朴なイチャラヴからほの暗く苦い愛の隘路までさまざまなフレイヴァーを用意。ただし甘口寄りのものでもえらくヘヴィな背景をしょわせたりやたらと観念的なモノローグを飛ばしたりの晦渋な作品ばかりなので明朗快活な萌えエロをお望みの方は回れ右推奨。この、よく言うと地に足のついた/意地悪な形容を用いればいささか地味な語り口がしかしながら充実した読後感を保証してくれるのだ。愛することに不器用な2人が心中とは裏腹に想いがすれ違い悲しみに直面したり、あるいは葛藤の末ようやく心重ね合ったり、そんな人間くさいストラグルが読み手の脳裡に深い印象を刻みこむ。
真摯な感情のぶつけ合いがいつしか性器同士の交わりへと変化していく濡れ場は充分な容量が確保され、みっしりお肉のつまった純日本人的体型の女子どもへ心ゆくまで没入。乳やまんこをじっくりねぶり倒しもっちりしたお肌をギュッと抱きしめると彼女らも呼応して涙と汗と愛液にまみれつつ暴れん棒を受け入れる。ぷっくり盛り上がった土手を決壊させんとする勢いでピストンする都度ほおを紅潮させこみ上げる快感に歯を食いしばり耐えるヒロインズの痴態がじつにエロっちい。小刻みに吐息をもらし湧きあがる嬌声を押さえこみながらもだえまくるおにゃのこもいよいよ絶頂に達しようとするところでこちらも辛抱たまらず特濃ザーメンを膣内深く放ち両者TKO。
単行本をまたぎ続いていたセーラー服売春婦もの「図書館は放課後の娼館」シリーズが完結してしまったのは一ファンとして非常にさびしいが、作者言うところの「少年期の記念碑」としてわが心に焼きつけ、次なる青年期の白石なぎさが見せてくれるものへ期待をつなぐとしよう。あと著者解説ではずいぶん自虐的コメントだったけど、俺的には同シリーズ4作め「有希子の裏文化祭」において某長門さんクリソツ脇キャラがようやくセクースしてくれてたいそううれしかったですよ!
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