-花犬「少女戯画」久保書店 ISBN:9784765934749
話△ 抜△-× 消小 総合△
少子化改善のためのセックス実践プログラムの餌食にされた少女連作3本+短編3本。たしかなデッサンで描かれる思春期入りたてガールズのまぶしい肢体が印象的な作者初単行本だ。
現在この出版社は雑誌媒体を持たず他社原稿のお蔵出しや携帯漫画の単行本化を主な業務としているのだけれど、これまでの俺はそれなりに予備知識のある作家のものを購入していた。今回はそういった事前のインフォメーションなしの完全な衝動買い。今週末になればこの僻地でもドカドカ新刊ラッシュが始まるのだが待ちきれなくて……。
パワードスーツ的ギア着用の男どもに捕らえられぱんつおろされかけのキュートガールというなかなかキャッチーな表紙の印象をそのままに、中身をめくれば破綻のない描線と落ちついたCG彩色の絵画的に完成度の高いイラスト群がお出迎え。ただタッチそのものはわりと時代がかっているというか黎明期の高密度系エロゲ絵――天津堂とかLIBIDOとかを想起させ(われながら古いなあ!)、いま風の萌えなどは希薄。
収録はわずか6作品とずいぶん少ないのだが、1本あたりのページ数が標準的なエロ漫画フォーマットのそれよりも多めに割かれているのでさほど寂寥感はない。ただそのぶん密度の高いストーリーテリングがなされているかというとそうでもなくて、グレイスケールののっぺりした絵面に乗っかって淡々と物語が進行していく光景はコミックというよりイラストボードの連鎖のよう。
ロウ~ミドルティーン固定のヒロインたちはみなさん殺伐とした現代を生きているとは思えないくらい素朴で清楚な聖少女ばかり。そんな彼女らの純潔がコキ盛りのエロガキやむくつけきオッサンどもによって踏みにじられるのが基本パターンなので、スウィートでラヴリィなイチャラヴで癒されたい向きは最初から近づかないこと。ただ凌辱一辺倒ではなくほのぼの和姦も用意されているしオチは明るめなので読後感は悪くない。
そんなわけでニンフェットたちの滑らかな肢体を美味しく頂戴のエロシーンは水彩画のように淡い後味を残してゆく。前述のようにレイプ系のお話が多いので、少女らはこぞって乱暴に性器を拡げられ器具責めされて苦悶し涙する。ただ行為に費やされる分量がさほどでないので心のモヤモヤは滞留せずスルリと脳裡を駆け抜けていく。そこが美点でもありガチレイプスキーにはもの足りなくも感じるところ。
精液分泌支援物資としてはいささかパンチ不足なのと、初出がフルカラーなのに収録は白黒オンリーでせっかくの高い画力が生かされない感があってやや厳しめの評価。作風からして抜きオリエンテッドではないのは承知していたはずだから、もっとアーティスティックな面を強調すべく総天然色で刊行してもよかったかも。目の保養物件としては申しぶんないだけにちょっと方向性には疑問。
0 件のコメント:
コメントを投稿