2011-07-27

今夜のバッド・ムーン・ライジング。

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-オザケン「発情るオトメ」ティーアイネット ISBN:9784887743977
話○ 抜○ 消小 総合○

好意を持つ男子に近寄ると発情するウイルスが学園中で猛威をふるい、感染した女子たちを鎮めるために主人公交尾しまくり長編7話&描きおろしサブキャラ後日談。青春真っ盛りのボーイズ&ガールズがさわやかにエロやかにキャンパスライフを満喫する爽快恋愛絵巻がまいどすばらしい作者6thコミックスにして黄色い楕円仕様の4冊めであり当名義での第2弾。ちなみに書名は「さかるおとめ」と読みます。
やけに扇情的なコピーが並ぶ帯や淫猥さを強調したアングルで迫るカヴァーイラストなどからはこの出版社伝統の性交ファンダメンタリズム満開のガチエロ物件を想像しがちだが、一般青年誌調のスッキリしたタッチでときにコミカルにときにスウィートにラヴ・アフェアを展開するこれまでの作風は堅持されている。小沢田健吾名義で執筆しているコンビニ売り誌でも似通った路線なのでこのジャケットには若干の違和感を覚えるものの、TIブランドの名に恥じないハードな性描写はたしかに貫かれているので表紙の印象のままレジへ持参するのもアリだろう。
1つ前の単行本「のーぱん」のリリースからおよそ10か月と順調なペースでの刊行となったこちらは、短編/短編連作を集めた前作とは異なり1冊まるごと続きもの。ところでこの人はPNの由来であるフリッパーズ・ギターおよびその構成員だった小山田圭吾(CORNELIUS)/小沢健二の曲名をもじって作品表題に用いることがほとんどなのだが、今回はその痕跡がいっさいなくちょっとビックリ。2人ともすっかり寡作になって元ネタが尽きたか?
初出時に「エッチな彼女の感染症」と題されて連載された本作は、高校を舞台に主人公が同級生女子や後輩、はたまた女教師やペットのウサギ(人型に変化)と毎話持ち回りで行為にいそしむという由緒正しきハーレムものの一形態。導入から話運び、最後のオチに至るまでセオリーをきっちりと踏襲しているので新鮮味には欠けるものの、そのぶん水戸黄門的なお約束に安心して身をゆだねられるイージードライヴ設計だ。
この手のお話ではなによりもヒロイン造形を上手にバラけさせることが肝要なのだけれど、その点ではまったくもってぬかりなし。正ヒロイン格の幼なじみにはじまり秀才タイプに元気っ娘、クールキャラに妄想暴走系など各種属性を取りそろえてあらゆるニーズにお応えだ。アクセントに添えられるティーチャーズもお嬢さま育ち/サバサバお姉さんと異なるタイプを用意しさらにオプションで人外女子まで配してという周到な仕掛けには脱帽。
サブヒロインの1人である天才少女とその妹が偶然発生させてしまった「一定以上の好意を持つ男性としばらく一緒にいることで発情してしまう」ウイルスの感染を治すためにHしなければならないというじつに都合のよろしい設定により主人公は女生徒回転寿司をゴチになりまくるわけだが、彼をエロゲのように無味乾燥な単なるちんこ役ではなく置かれた状況について真摯に悩み各ヒロインに誠実に対峙する存在として描くことで作品に厚みを持たせているのがよいところ。これがあるから終盤の本命セレクトが説得力を持って描写できているし女の子たちの使い捨て感も軽減される。薄っぺらくなりがちな題材でもこれら登場人物たちの地に足のついた言動があるおかげで気持ちよく物語を堪能できる、これが本書に限らずオザケン作品全般の大いなる美点だろう。
一方でエロシーンはハーレムネタならではのヴァラエティに富んだ女体バイキングを心ゆくまで賞味できる。年齢こそハイティーン固定(教師除く)ながらぺたっ娘から爆乳まで幅広いラインナップの彼女らがウイルスの作用によりすぐさま股間にかぶりつきぷっくりまんこをみずからおっ広げて挿入をおねだりするのだからたまりません。ティーン特有の張りのあるヒップをわしづかみにし蜜壷の奥へゴリゴリ陰茎をインサートすれば女子どもたちまち随喜の涙。体位を変えストロークを深めるたび小刻みに嬌声を放ち淫語をまき散らしながらイキまくるヒロインズの痴態に股間もいっそう屹立する。いよいよ絶頂を迎えんとし締めつけを強めて膣内射精を懇願する彼女らの子宮口へ大量の白濁液を叩きつけ両者ダブルノックアウト。
抜きツールとしてのたしかな実用性もさることながら、ヒーロー/ヒロインの非常に前向きなアティテュードが作品世界をより好ましいものにしている。フィクションなのでいささかのあり得なさは当然含有しているとしても、よく笑いよく悩みよくつがう彼ら/彼女らの自然体の姿が読後にさわやかな後味を残してくれるのだ。過ぎ去りし青春の輝きを効率よく追体験する一助として自信を持って推奨。なお個人的には正ヒロインでこそないものの重要な役を担い作者の扱いもずいぶんよろしいお下げ爆乳天才っ娘・菊池真美さんが後日談でのドレッシーなお姿もあわせお気に入り。

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