-昭嶋しゅん「小悪魔がみてた!」少年画報社 ISBN:9784785936839
話○-△ 抜△ 消大 総合△
ある日遭遇し主人公宅に住みついた手のひらサイズで大食らいな謎の生物を生態観察するかたわらで後輩女子&元カノ同級生との三つどもえセックスバトル勃発表題作長編5話+プロトタイプ連作2本+独立短編1本。マークなし。黄色い楕円ワールドで縦横無尽の活躍をしていたこの作家がコンビニ売り誌にも本格参入しての一般扱い初リリースは通算での9冊め。
いくつか出版社を放浪するさなかにスポット的に執筆したことはあるものの、連載枠を確保して慎太郎シール誌に描いたのは記憶にある限りこれが初。単行本全体を通していくらか初出時期に開きはあるとはいえ、ものすごい旧作まで入れていた拾遺集としての前作「まいはね」と比べればはるかに筆致は安定しているのでジャケ買いしても無問題。
ポップでキュートなアニメ絵でものされるかわいらしいヒロインは今回レイティングの都合で18歳以上に固定。どちらかというとミドル~ハイティーンで本領を発揮する作家なので個人的に若干ガッカリ感はあるものの、造形的に無理にオトナっぽくはしていないのでヴィジュアルはティーン同様。ここ数年でおっぱいやまんこ周辺の質感が驚くほどアップしている人であり、今回もおにゃのこのエロパーツ描写がじつに扇情的でグッドだ。
このすばらしき肢体をフル活用しガツガツつがいまくるガチエロラヴコメが成年誌における作風なのだけれど、今回は軽快エロコメの物語フォーマットは踏襲しつつもセックスには直結しないガジェットを導入することでそれらとの差別化が図られている。すなわち表題にも織りこまれストーリーの根幹にかかわる働きをする「小悪魔」たちだ。その原型はキャリアのはるか初期にさかのぼり、2003年刊行の初単行本「悪魔っ娘・Trouble」に収録の同名連作に「使い魔」として登場のちびっ娘たち。口はきかないけど意思疎通は可能で、お菓子類をもしゃもしゃ消費するお人形ティックな彼女らの行動ウォッチングが人間ヒロインズとのラヴ・アフェア以上にじっくり描き出されている。
もとより同業他誌と比較してもいっそうエロ薄めのヤングコミック掲載分だけあり、濡れ場の迫力は過去の昭嶋しゅん作品よりだいぶパワーダウン。ことにこの作家得意の膣内断面描写――内壁をゴリゴリこすり上げ子袋の奥底へたっぷり精液を注入する一連のシークエンス――がまるごと白抜きされているのはかなり痛手。そのぶんはますます磨きのかかった魅惑のぷるるんバストだけでカヴァーしきれるものではなく、メインの抜きツールとしてよりはスターターとして用いるのが適当だろう。たゆたゆボディを激しく突き上げられて随喜の涙を流しながらイキまくる女子どものえっちなフェイスはいつもながらにエレクチオン喚起力良好なだけに一抹の消化不良感は残るところ。
マークつき雑誌では受け入れられないようなエロと関連の薄いネタゆえ、このようなグレイゾーンの媒体で存分に展開するのだという著者の意図はよくわかる。また小学生ライクな小悪魔ズがちょこまかと暴れ回る光景はもうストレートにかわいらしくて思わずほっこり。ただ実用性をなによりも重視するこのブログの評価基準ではエロシーンに全精力を注入できないこの仕様はマイナスファクターで採点を下げてしまった(作者さますいません)。「悪魔っ娘・Trouble」のころの設定どおりなら小悪魔たちも人間サイズに成長できるはずなので、個人的にはいちごちゃんがこまっしゃくれた育ち方してエロエロに乱れてくれる後日談を希望。
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