-鬼ノ仁「紳士淑女」マックス ISBN:9784863790544
話○-△ 抜◎ 消小 総合○
毎日生徒にナメられっぱなしの新米教師がある日飲めない酒を口にすると突如精力絶倫別人格が起動して以後JK食いまくり長編7話+義理の兄妹だけどアツアツ恋人同士犯ってます連作2本+独立短編2本+フルカラーショート2本。繊細な筆致で描かれる美麗ヒロインがハードにやらしく乱れまくる光景がどこまでも広がる作者8冊めの成年向け単行本だ。
10月25日に同時発売となるこの作家新刊3冊セットのうちの1つで、そのなかのひとつであるコアマガジン刊の「絶対領域」は昨日こちらでレヴュったばかり。ちなみにもう1冊いっしょにリリースされるはずの一般作品「お義姉さんと僕。」の方は現時点でまだ手に入らず、結局3冊全部バラバラに購入することに。まとめて買うと書店によっては特典があったりしたようなのだが今回はその恩恵を無視して入手スピードを優先した次第。
昨日書いたことと重複するのでプロフだとか芸風についてはそちらを見ていただくとして、今作はこれまでもっぱらコアからコミックスを送り出していたこの人が初めてよそから発刊した作品集。巻頭の1本を除き収録作はすべてPフラート/ポプリクラブ掲載のものでまとめていて、執筆時期も2009-11年と直近に集中。この点ずいぶん古いものまで載せていた「絶対領域」ともっとも異なる部分で、絵柄の新旧の振幅が小さい部類だとはいってもやっぱりある程度近い時期のものを集めた方がパッと見のバランスはよろしいかと。
手足スラーリ胴体ほっそり乳尻むっちりのモデル体型ヒロインズが陰唇のヒダの1枚1枚まで見せつけながらガツガツ性交にいそしむ鬼ノ仁ワールドの基本線はどこの出版社へ行こうと不変だが、書店売り成年指定誌での執筆作品が収録のメインだった前述の「絶対領域」とは違ってこちらはもっぱらコンビニ誌への掲載ゆえ物語傾向はいっそうマイルドに。したがってこの作家のいくつかの引き出しのうちダーク方面はほぼ完全に封印されている。カヴァー下漫画や著者あとがきを見るにマックスでは媒体の特性を考慮したコメディ増強/エロ抑制を心がけているようなので、この人の暗黒方面での活躍をお望みの方は肩すかしを食らうかもしれない。
そうはいっても渾身のエロシーンにはなんらリミッターなどかけておらず、いつもどおり血管バキバキ粘膜テラテラのスーパーリアリズム満載でお送りする男女の性器どうしが干戈を交えて果てしなきバトルを戦い抜くちんこまんこ原理主義的濡れ場を大量投下。ことに今作のメインコンテンツである長尺もの「R中すーぱー」では主人公が性欲魔人化するという設定ゆえファックの密度が異様なまでに高まっている。どちらかというと穏健な萌えエロが主流のPフラートでは読者に拒否反応が出ているのではと心配なほどだ。
前戯もそこそこに彼女の下着を乱暴にキャストオフし股間をグイッと拡げればすでにびしょ濡れな秘密の花園が挿入をいまかと待ちこがれている。すみやかにジョイスティックをねじこむと女子ども早くも全身をのけぞらせマシンガンのように嬌声を放ちよがりまくりだ。ピンク色の秘肉が激しい摩擦運動ですっかり鬱血し産道がさらなる収縮を示すころには精嚢からの射出準備も完了。猥雑な擬音とねばついた分泌物にまみれながら膣内射精を懇願するエロメスどもの子宮口を突き抜け卵巣までヒットする勢いで特濃スペルマをビュルビュル放ちフィニッシュ。
鬼ノ仁作品のなかでは「近親相姦」(2004年刊)に収録されたヘタレボーイ&キュートガールの愛情物語「ハニィビィ」がいまだに最愛な俺は先に言及の「R中すーぱー」みたくオラオラ系キャラがのさばる作品は本来苦手なのだけれど、そんな極私的バイアスなどものともしない問答無用のエロっちさには感服するほかない。出自が慎太郎シール誌とは思えない実用性の高さで絵柄がとくにハードルとならなければ至高の自慰支援物資をお求めの方に好適な物件といえよう。今回の成年新刊2冊はそれぞれ甲乙つけがたいが、個人的にジャッジするなら修整の薄さや話のエグさでコア、単行本トータルのまとまりのよさでマックスというところ。
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