-堀博昭「迎撃商店街(1)」少年画報社 ISBN:9784785937485
話○ 抜△ 消大 総合○
かっこよく成長した幼なじみの青年と再会し心ときめかせるヒロインだが、彼の帰還とともに街の地権をめぐるきな臭くイカ臭い騒動が巻き起こり表題作長編8話(第1-8話、以下続刊)。マークなし。麗しきガールズ&レディースが妖艶に乱れるさまを徹底的に残念なストーリーに乗っけてお送りする作者最新単行本は通算での17冊めだ。
オーセンティックな一般青年誌調の美麗な作画を武器に業界で長く活躍する作家で、微エロのコンビニ売りから黄色い楕円つきのハードコア誌まで媒体に合わせテイストを調整できる器用さをあわせ持つ。自分的にはデフォ買いまではいかず内容次第で購入したりしなかったりなのだが、今回は2010年10月に発売された3つ前の単行本「あああん女神様」以来のチャレンジ。
デビュー当初から端整な絵柄と達者な作劇には定評のあるところで、ことに昨今はその流麗な女体描写を存分に活かした問答無用のガチンコファックをおもにマークつきで惜しみなく披露。一方でキャリアの初期によく描いていたアホらしさ全開のコメディは近ごろひかえめだったのだけれど、今作ではうっぷんを一気に晴らすかのごとくバカコメ路線へ全面回帰だ。
まず中身をパラパラと読んで随所に目につくのが80-90年代ジャンプ漫画あたりを中心とした各種パロディの横溢。画面そのものはキャラを崩したりSD化したりすることはほとんどなくシリアスタッチのままなのでいっそう滑稽だ。若い子にはわからんネタも多いのでは……とオサーンたる俺は思ったりもしたのだが、まあ慎太郎シール誌を手にする読者に18歳以下はいないはずだから少々古いくらいでちょうどいいのだろう。
そしてこの漫画の根幹をなすエロの部分にたいそうトリッキーな設定を持ってくることでさらなる大バカ感を演出。流れとしては舞台となる商店街でお店を営む女性陣が主人公格の優男に1人1人堕とされてゆく凌辱調教系のそれなのだが、野郎サイドがドMで彼女らの方が一貫して責めに回る倒錯した構図がこの作品のオリジナルなところ。彼の精液を浴びた女性は言われるままにちんこにのしかかりバカだのクズだの言葉責めするようマインドコントロールされてしまうのだ。徹底的に服従を誓わせる代償として店の権利書を巻きあげられながらも快楽には抗えずハードに腰を使いながらトロトロのアヘ顔さらしてイキまくるヒロインズの艶姿が間抜けなオハナシのなかでいっそう輝く。
大人になりたてのフレッシュな果実から熟れすぎの子持ちアダルトさんまで、はたまた素直っ娘にツンツン系や豪快タイプなどキャラ造形も多彩で、成年誌で研鑽を積んだやたらと扇情的かつド迫力の濡れ場ともあわせて実用性と読みごたえとを両立させた欲ばりな物件。どちらかというと熟女苦手の自分は抜き評価を下げてしまったが一般的には無問題だろう。ガチMな主人公が属性反転を果たすという大技をくり出した直後to be continuedというたいそう気になるヒキで次巻を買わざるを得なくする仕掛けもさすがで、昨今ポリンキーのアホ成分不足に嘆いていた貴方ならば迷わずレジへ向かうべき。
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