-東雲龍「デレてみだら」エンジェル出版 ISBN:9784873064093
話○ 抜○ 消小 総合○
爆裂ボディのキュートガールズてんこ盛り短編8本+フルカラーショート2本。多種多様な女の子がダイナミックな肉体を駆使して乱れまくる光景がじつに見目麗しい作者通算14冊めにして黄色い楕円仕様の第12単行本は当出版社からの初見参だ。
マークなしの前作「ひめ・ごと」のリリースからは半年強とたいしてインターヴァルもなく繰り出されているが、成年向け物件としては2010年6月刊の「ニンギョヒメ」以来。ただ今回は収録作すべてがコンビニ売りの「メンズヤング」を初出としており、本来ならばやはり慎太郎シール誌の「コミックキャンドール」掲載作を集めた「ひめ・ごと」と同じように非成年扱いで発売されるはずのもの。それが昨今の双葉社=エンジェル出版の方針変更のおかげで薄トーン修整の性器まる見え仕様とあいなった次第。
少女漫画/TL系由来の華やかなタッチを武器に、昨今ではエロ漫画のみならず一般進出まで果たしてますますお仕事の幅が広がった。そうした変化にともなって絵柄の方もいくらかマイナーチェンジがなされている。いっとき野郎向けエロに過剰適応して乳と性器近辺が異様に肥大化しいびつなくらいのディフォルメがかけられていたのだが、最近は強調具合がマイルドになり造形もさほどフリーキーではなくなった。個人的には大胆にビラビラをはみ出させまんこの奥深くまでドーンと見せつけてくれていた数年前をなつかしむ気持ちもあるけれど、いろんなジャンルをこなしてゆくのならこちら方向へ進化するのがきっと正解なのだろう。
掲載誌のレイティングにより全員18歳以上と推測されるヒロインたちはみなさん例外なくご立派な双丘を標準装備。これまたコンビニ誌ゆえの制約でガチ成年向けほど股間おっ広げはしてくれないが、そのぶん女の子のキャラメイクはこれまでになく多彩。読み切りオンリーの利点を活かし外見も性格もみごとに属性を違えてどんな需要にもお応えする。短髪/ロング、タレ目/ツリ目、おっとり/活発、素直/ツンツン、ひかえめ/奔放etc……とヴァラエティ豊かな彼女たちのなかに必ず君もお気に入りのあの娘を見つけられるはずだ。
かくも魅力的なおなごどもとくり広げる物語の方はストレスフリーな甘口基調。面識なしからいきなりお肌を触れあわせたり逆に最初から双方好感度MAXだったりと各回いささか趣向は変化するものの、最終的にはお互い心通わせめでたくメイク・ラヴのハッピー仕立てだ。この作家がときに描く問答無用のハードコア凌辱を期待する向きにはもの足りないかも知れないが、初出媒体の想定読者層をきっちり意識しヒーリング・グッズとしての用途に徹したプロのお仕事。
それでいて濡れ場では単行本タイトルどおり女の子が景気よくえっちに乱れてくれるのだからたまりません。雑誌掲載時に白抜き修整まみれになるのを避けたためか下半身の露出はひかえめで、ゆえにこの作家の一大特色である女性器の精密な内奥描写もずいぶん少ないが、ふだんの清楚な表情から一変する絶品のトロ顔や液汁にまみれた肢体の扇情的なシズル感などが読み手の勃起中枢を効率よくドライヴするのだ。
着衣の上からでもはっきり肉置きのよさがわかるエロボディを手中に収めて彼女のブラウスをひと剥きすればおみごとな2つの丘陵がお出迎え。両手でそれをわしづかみにしニップルを舌先でねぶり倒せば女子ども早くもほおを紅潮させ呼吸を荒くする。すみやかに下腹部へ手を伸ばし秘密の花園を解放して暴れん棒をインサート。ゴリゴリと結合部をこすりあわせるたび間欠泉のごとくハートマークをまき散らし法悦の態でよがりまくるさまがじつに淫猥だ。往復運動のスピードが増すにつれいよいよ言語にならないあえぎ声を放ちながらきつく抱きついてくる彼女の最深部めがけてたっぷり白濁液を叩きつけフィニッシュ。
当初から成年マーク前提ではなかったぶんセックス描写の激しさでは既刊に一歩譲る部分はあるが、ますます洗練の度を増した作画や女の子の微妙な表情の変化など細部の巧みな演出によりそれらをカヴァー。過去作品に見られるがごとくエキセントリックな輪姦強姦フルコースもまた魅力ではあるけれど、東雲龍入門としては上品さとエロさを高い次元でバランスさせた本作からというのがふさわしく思える。ダメオタ社会人たる自分的にはショートヘア快活同僚女子・加藤さんが言動からなにからいちじるしくツボな「すきなひと」が収録作中の最愛物件。
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