2012-01-19

今宵のテキサス無宿。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-錦ヶ浦鯉三郎「大相姦家族」ヒット出版社 ISBN:9784894655416
話○ 抜○-△ 消小-極小 総合△

母を亡くした主人公が転がりこんだ父方の実家では家族全員参加の大乱交が常時くり広げられ表題作長編8話+独立短編1本。なつかしさただようオーセンティックな前世紀末風アニメ絵でもって疾風怒濤のハードファックを展開するたいそう実践的な芸風がウリのこの作家通算7冊めにして当社からの第5弾だ。
2010年11月発売の前作「ほっこり桃源郷」と同様にツヤツヤテカテカのCG塗りが印象的な表紙でぼくらをお出迎え。例によって彩色は外注さんのお仕事ゆえ中身の比較的プレーンなタッチのモノクロ原稿とはいささか印象が異なるので、可能ならば内容確認用サンプルを置いている書店でチェックしたのちに購入の是非を判断していただきたい。
ヒット出版社の現行執筆陣のなかにあっては中途参戦ながらもはや最古参の部類になるだけにその絵柄はとても21世紀発とは思えない古色蒼然としたものだが、すっきり整理された描線のおかげで泥くささはなく受容はしやすいかと。むしろ一定年齢以上の諸君にとっては内なる原初的な欲望を喚起させられ、昨今流行りの萌え絵よりよっぽどちんこに響くことだろう。
唯一の読み切り作品「俺の妹が妖怪になった」を含め収録作のキャラたちはみな血縁もしくは義理の家族なので、結果として行為は単行本タイトルどおりのインセストなプレイに終始。またネタがネタなので年齢レンジもずいぶん広く、つるぺたの青い果実からフェロモンダダ漏れの熟女さんまでワイドにお相手。その設定上ずいぶん突飛な性格のヒロインたちに振りまわされながらも徐々にファミリーの結束の中心となってゆく主人公のいわばビルドゥングス・ロマンが表題作の根幹となるのだ。
巻末著者あとがきでは詳細に創作上の狙いどころが記され、また別の箇所ではさらに綿密な設定メモがズラリと並んでいて、この物語に対する作者の尋常ならざる熱意がうかがえる。これまでは貞操観念薄めの女の子があっけらかんと性交にいそしむ肩のこらない娯楽作品が比較的多かったのだけれど、今回は序盤こそ軽快なテンポながらストーリーが進行するごとに各話担当ヒロインの背景のヘヴィさが増してきていささか鼻白むくらい。主人公が彼女らの葛藤や煩悶やらをその都度救済することになるので結末はみなポジティヴではあるものの、過去作での明るく楽しいHをこちらにも期待してページを手繰るととまどいを覚えるかも。
ともあれ家族たるイニシエイションの手段として、女の子の苦い追憶のひとコマとして、そしてその傷ついた心身の癒しとして、錦ヶ浦鯉三郎得意のダイナミックなエロシーンが物語の重要なピースとしてさまざまな箇所にはめ込まれる。たわわなボディを汗みずくにしながらいろんな穴に剛直をねじこまれ、激しく突き上げられるたびに全身をのけぞらせ荒い吐息をもらしながら快楽に堪え忍ぶおにゃのこの淫猥な表情がたまらない。蜜壷も菊門も容赦なくほじくられ続けて身もだえし絶頂へとのぼりつめてゆく彼女の全部の穴めがけて白いエキスをドプドプ注入だ。
キャラによって濡れ場総量の多寡があり、また極私的嗜好のせいで一部の熟女さんではガクンとマイ抜き度が下がりはするものの、基本的にはたいそうユースフルな自慰支援装置。以前からふとした折に見せていたこの作家のシリアス志向が今回一気にアクセル全開となり読みごたえは過去作品中随一だ。まあこれまでのようなお気楽ハードコアエロもそれはそれですばらしいので今後はどちらの路線もバランスよく供給してもらえれば重畳きわまりない。幅広い層へ訴求するにはやはり古典的すぎる作画がネックになるかとは思うが、そこがハードルにならないのならぜひお試しを。

0 件のコメント:

コメントを投稿