-ほんだある「ちっちゃいの!」久保書店 ISBN:9784765934985
話○ 抜△-× 消小 総合△
ヒロインの前に自分そっくりな男の娘が現れ他人には見えない彼と愛欲三昧前後編+短編8本。ほわほわ笑顔のキュートガールズがフラットな肢体をフル活用しながらトロ顔さらしてイキまくる光景がなんとも眼福な作者成年向け4冊めはペンネームを漢字表記からひらがなへ変更しての初お目見えだ。なおこちらは前年12月末に発売のものを年越しレヴュウしていることを先にお断りしておく。
前作に相当する翻田亜流名義での単行本「Honey Punch」のリリースからじつに5年半と悠久の時が流れてしまったが、一見見慣れぬ名前ながらも書店店頭で絵柄と著者名の読みを反芻しているうちにハタと合点しひさしぶりのご対面。こんな長い間本が出ずにどうやってメシを食っていたのだろうと本書購入後ググってみたらエロのみならずゲームアンソロなどのお仕事もやっておられたようでまずは安堵。
一般的にイメージされるところのロリ漫画をまんま体現するかのような素朴で愛らしいぷに系のタッチは以前からの大いなる武器で、それはいくばくかの歳月を経て再会しても変わらぬ印象。初出の明記はないが執筆年月と思われる覚え書きが各作品最終ページにあるのでそれを参照すると2006-11年と比較的ロングスパンながらもさほど絵のブレは感じない。また掲載媒体についてもおそらく前作と同じロリアンソロ「ぺたふぇち」と思われる。
物語の方は明確に連作となっている「Doppel」以外にもいくつかの作品でキャラがまたがっていたり、著者あとがきで過去作品などともバックグラウンドを共有していることが明かされていたりと、どうやら楓牙やしらんたかしのように作者の脳内では一大サーガが織りなされているタイプのもよう。その全貌についてはカヴァー下で「今後描く機会があれば」との発言があるので、もっと続きを観たい人は単行本売り上げに協力するように。そんなわけで本来なら過去作品をすべて参照すべきなのだけれど、申しわけなくもすでに手放してしまっていておぼろげな記憶だけでは全容を把握できないのが我ながらもどかしい。
明朗快活ほのぼのエロスから心をチクリと刺す微ダーク系までオハナシの振幅は広いが、いずれも共通しているのは思春期入りたて少女のオンナノコらしい部分を前面に押し出すリリカルな作劇。10代前半のわずかな瞬間にきらりと光る少女たちのあどけなさ/おとならしさ、そして愛憎といった内面を丹精こめた科白まわしやコマ割りで手際よくすくい上げ鮮やかに浮かびあがらせる。
こうしたていねいなストーリーテリングの代償として、濡れ場支配率はマークつきとしてはもの足りなさを覚える部類。とはいえ凹凸の少ないつるりとしたボディを組み敷いて未成熟なスリットをこじ開けてゆく一連のシークエンスはイケナイコトしてる感がじつに高くてグッドだ。あるやなしやのささやかなニップルの先端をもてあそびながらすべすべまんこを激しく貫くたび幼いフェイスを紅潮させ小刻みにあえぎ声をあげるヒロインズの痴態がたまらない。シメは突き上げる快感に胴体をのけぞらせ法悦の態で絶頂を迎えんとする彼女らのコンパクトな子宮の奥底へホワイトエキスをたっぷりお見舞いだ。
摩擦運動のアシスト役として援用するのにはいささか厳しいと言わざるを得ないものの、繊細そのものの心象描写の妙は昨今の抜きオリエンテッドなエロ漫画ではなかなかお目にかかれなくなったスグレモノ。またふたなりやレズネタ多めゆえ画面上のおにゃのこ占有率がすこぶる高いので、野郎どもの醜悪な肉体など見たくないという貴方には朗報となるだろう。収録作のなかでは父と死別しその後妻である義母と2人暮らしのヒロインがそこへもうひとり増えた住人にぬくもりを求め身体を重ねる「Lunatic」がその苦い結末を含めマイハートに響いた。
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