-速野悠二「敏感ヴァージン」サン出版 ISBN:9784864446150
話○ 抜○-△ 消小 総合○
性に興味津々ハイスクールガールズがさまざまな形で処女喪失短編全11本。ほんのりHからガチンコファックへと舵を切り本気のエロスを披露する作者初の黄色い楕円仕様単行本だ。ちなみにペンネームはこの表記で「すみのゆうじ」と読むのでご存じなかった方は今回ぜひ脳裡に叩きこんでいただきたく。
これまでは主として某核実験場周辺で活躍しすでに7冊の一般向けコミックスを上梓している中堅どころのキャリアを持つ作家。そちらでの作品もお色気を交えたドタバタギャグやら怪奇ネタなど比較的エロ漫画への親和性は高かったのだけれど、このたび満を持してガチ成年用レーベルからの初見参とあいなった。もっとも初出を見ると最古のもので2009年のクレジットがあるので、じつはずいぶん前からこちらの業界へ進出を果たしていたことになる。媒体が純粋漫画誌ではなくグラヴィア混載の「マガジン・ウォー」系列ということでチェックが行き届かなかったおのれの不明を恥じるばかり。
その出自にふさわしくくっきりと太めの描線でものされる少年漫画直系の絵柄はいささか古典的ではあるもののきわめて安定した筆致で、現在のエロ漫画界で主流の萌えやらエロゲ風味のそれとは似ているようでいて明確に違う個性を放っている。カヴァーイラストはさすがにわかりやすくエロっちいポージングや彩色がなされているものの、元来のタッチが健康的なだけに妖艶さよりはキュートさの方が勝る印象。
掲載誌の方針により女子高生固定となる読切各話分11人のヒロインたちは特徴的な性格づけと注意深く差別化のなされた外観によりみな独自のパーソナリティを備えており、ツンデレやら痴女やらドSにMっ娘、幼なじみに妹にお姉さん風、元気っ娘にオドオド系という具合にありとあらゆる属性を楽しめる。むろんおっぱいサイズも甘食ライクな微乳からユサユサと雄大な巨乳までよりどりみどり。造形がヴァラエティに富みすぎてお気に入り度に差が出てしまう弊害はあるが、髪型以外で女の子の区別ができないような作家も多いなか立派なことだ。
物語の方もそうした彼女たちの個性に負うところ大で、むしろキャラメイクにあわせて最適化されたストーリーが後付けされているかのような趣。たとえばすなおになれない系女子が主演ならばすれ違いラヴコメになるし、サドっ気あふれるヒロインが君臨する物語は男子を隷属せしめるプロセスを描くことになる。そんな感じにテーラーメイドされたお話が各回よどみなく進行するさまはさすが一般誌で長年執筆してきた作家ならではの妙技なのだと再確認。
ていねいにオハナシをつむいでいく代わりにエロシーン含有率はさほど高い方でないのだが、そんななかでも女の子がおずおずと着衣をキャストオフしてゆき恥ずかしげに裸体をさらすまでのシークエンスがじつにいやらしく描けておりグッド。表題どおり男を知らぬ彼女たちが羞恥にほおを紅潮させ心臓を高鳴らせつつ消え入りそうな表情でお胸を見せるさまにおっきが止まりません。
こちらは乳サイズ問わずもっさりな秘密の花園をかき分けていきり立つ如意棒をねじこめば破瓜の証がひと筋赤く流れ出し彼女らは痛みにあえぐ。激しくシャフトを突き入れられるうち苦痛はいつしか快感に取って代わりうめき声も甘い吐息へと変化。熱に浮かされたように腰の動きをシンクロさせはじめるころには女の子の表情もすっかり妖艶なオンナのそれだ。締めくくりははじめての絶頂を迎えんとするヒロインのJKまんこめがけ白くねばつく液体をドプドプ注入しミッションコンプリート。
少年/青年誌でのこれまでの活動を知っているだけに俺の評価には「一般で読んでた作家がこんなえっちい漫画を……」的バイアスがかかるのは否定できないが、それを措いてもヒロイン造形の多彩さとぷにぷにした女子高生ボディを美味しく頂く心地よさは出色のできばえ。今後はテイストをそのままに濡れ場増量につとめていただければ重畳きわまりない。今回分では人の役に立つこと大好きなヒロインをお手伝いしたお礼に初えっち「真奈美ちゃんがんばる!」と、地味メガネ貧乳低身長っ娘がすっかりイケメンに成長した幼なじみ男子と紆余曲折ありつつも合体の「ちっちゃい事はいい事だ」がマイフェイヴァリット。あとカヴァー下のこのヤヴァイのも……そっちは大っぴらに言及できないので現物購入後お楽しみください。
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