2012-03-24

今夜の当事者研究。

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-池松「スウィーツガール」コアマガジン ISBN:9784864362733
話○ 抜○ 消極小 総合○

ベタベタなつきすぎの幼なじみ女子をつい突き放す主人公だけど内心は……本編&ショート後日談+お姉ちゃんの傍若無人なエロアタックに弟くん困惑本編&ショート後日談+学校では不良で通すヒロインがイベント会場で同級生男子にコスプレを目撃されなりゆきH本編&ショート後日談+独立短編6本。暴走ぎみの愛情を炸裂させながらときにアホらしくときに真摯なメイク・ラヴにいそしむキュートガールズてんこ盛りのこちらは作者初単行本だ。
巻頭作品の女の子が通常モードでエロっちい肢体をさらすそのまわりをポップなSDキャラがワラワラと取り囲むカヴァーイラストが象徴するように、エロ漫画というよりはむしろ少女漫画的な愛らしさを前面に押し出したタッチがとても印象的な作家。男性向けよりもティーンズラヴ業界が似合いそうな問答無用のガーリィっぷりで、昨日こちらでレヴュウした同時発売の黒越陽がコミメガ的王道オタ絵なのに比べ同じ版元でも雰囲気がまるで対照的なのがおもしろいところ。
この魅力的な筆致で描かれる女性陣はロウ~ハイティーンの青い果実たちが主体。大人キャラも一部存在するのだが、少女っぽさを前面に押し出したこのヴィジュアルにはやはり若い娘の方が似つかわしく思う。その一方雑誌で読んでいたときはどちらかというと貧乳志向の描き手に見えたのだが、今回収録分総体ではむしろバスト大きめ傾向なのは意外だった。後述する強烈なお話がたまたまぺたっ娘ヒロインものだったために脳みそに過剰にインプリンティングされていたかもしれない。
非常にキャッチーな外見のみならずヒロイン造形の方も昨今のエロ漫画としてはきわ立って個性的で、なかでもとことん強引マイウェイで周囲を振り回しまくる女の子を描かせると抜群。まわりの迷惑などかえりみず残念な言動をあらわにする彼女らとその対処に右往左往する男子サイドとのドタバタぶりをストーリーの主軸に据えて駆動される物語のキレ具合は同じコアなら縁山や川崎直孝といった異能派のそれをほうふつとさせる。他方でヒロインの暴走ぶりがある一線を越えるとストーリーは突如暗転し、この作品中随一の神経キリキリ系マッドラヴもの「やっぱり兄が好き」のような怪作へと発展するという振幅の広さも興味深いところ。基本的にハッピーエロス礼賛のコミメガで後者の路線はなかなか展開しづらいだろうが、たまにはこうした劇薬の投入も充分にアリだと思う。
かようなストーリー主導型の作劇だと通常濡れ場の密度は薄くなりがちなのだけれど、なかなかどうして濃厚なファックを展開してくれるのがこの作家のよいところ。日常パートのほわほわ感とエロシーンにおけるいかにもコアらしい派手なエフェクトを多用したゴージャスな交合ぶりとの対比がさらなる興奮を励起せしめるのだ。ぷっくりまんこをたぎる怒張でガシガシ貫かれるうち女の子がその端整な表情をエロ漫画特有のアヘ顔へと転じてゆくそのギャップがなんとも淫猥でよろしい。
少女の華奢なボディをグイッと褥に組み敷きながら秘密の花園に埒を明け往復運動を開始すると、彼女らもほおを紅潮させ呼吸を荒げてヴィヴィッドに反応する。濃密なキスを交わしながら激しく腰を使い性器どうしのこすり合いに没頭だ。粘膜がめくれ上がるほど股間を使役しながら随喜の涙を流しダラダラよだれたらしてイキまくる彼女らが機関銃のごとくラヴワードをばらまき続けるさなか子宮のいちばん深いところめがけてザーメンの奔流をビュルビュル叩きつけ受精プロセス完了だ。
ひたすらポップでかわいらしい作画とそれとは裏腹にひと筋縄ではいかないトゥイストのきいたお話運び、さらにコミメガ伝統の激しくやらしいセックスシーンという3つの要素が渾然一体となって受け手の脳裡を直撃するポリフォニックな構成の妙にすっかりやられ、読後は頭もちんこも心地よい疲労に襲われること必至。惜しむらくは雑誌掲載されておきながら今回のセレクトから漏れたものがいくつかあることで、なるたけ早くこれら未収録作を次単行本以降で回収してくれるのを期待しよう。今作ラインナップ中では兄にレイプされて以来すっかり狂気の愛に囚われたヒロインの一見明るくも凄惨な病みっぷりがじつに鮮烈な「やっぱり兄が好き」を物語面で、負けず嫌いなヒロインが気になる男子に対し主導権を握るべくえっちに奮闘「アホがあれ」を実用面でそれぞれイチオシ。

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