話○ 抜○ 消小 総合○
純真無垢なロリっ娘を奈落の底に突き落としたり冷酷無比なペドっ娘に果てなき隷属を強要されたり短編全11本。明るく華やかな絵柄でもってそれとは裏腹のどす黒い暗黒絵図を克明につむいでゆく極端なまでのギャップにゾクゾクさせられる作者通算3冊めは当出版社からの初お目見え。
前作「しゅがー☆すぽっと」から半年も経たず刊行と快調なペースで作品を量産し続けるこの作家、これまでコミックスに収録されたのは現在おもに仕事している2つの版元のうちもっぱら茜新社の「COMIC LO」に載ったものばかりだった。今回はもうひとつの本拠地である「コミックメガミルク」および前身のゼロエクス掲載のものでまとめられ、こちらからのリリースを待ちこがれていた俺歓喜。
執筆時期がほぼ重なることもあり、この人が得意とする繊細かつキュートなオサレ絵は既刊2冊同様に高いクオリティを誇る。じっくり見比べるともっとも古い2010年前半掲載のものと直近の昨年末作品との間でいくらかタッチのブレは感じるがほぼ誤差の範囲だ。エログッズに囲まれてちびっ娘がニッコリ微笑むカヴァーイラストの印象がそのまま中身の“作画には”反映していると思ってよいだろう。
第2次性徴直前～入りたてのまごうかたなきロリっ娘どもで占められるヒロイン陣はみなさんあるやなしやのささやかなお胸と滑らかなたてすじとを標準搭載。どのょぅιﾞょも天使のようにピュアな性格と愛らしい笑顔が印象的……なのがこれまでの前島龍作品の特徴だったのだけれど、メガミルク版の前島はひと味違うぞ。
前単行本およびデビュー作「ゆめいろ半熟たまご」では、女の子が子犬のごとくステディな男子に抱きつきらぶらぶちゅっちゅ三昧の和姦天国が展開されていた。それがこちらでは一転し強姦輪姦レイプ緊縛強要拘束監禁調教という具合に人権蹂躙数え役満なのだから、既刊から入ったファンでコアでの活動を知らなかった人にとっては悪夢にほかならないだろう。またプレイのみならずキャラたちの人格も卑劣きわまりなく、無垢な少女を残酷なワナに陥れたりゲスい策略で女の子を性奴隷化したりの最低人間見本市。作品によっては女子側までがキング・オヴ・人間のクズ状態で彼氏彼女の醜悪なバトルをくり広げたりと目を覆わんばかりの惨状である。
必然的に濡れ場は男女どちらかサイドが一方的に相手を屈服させては思うがままに情欲を発散させるブルータルかつ荒涼としたもの。思いやりの欠片もなく少女の穴をこじ開けてはガスガス暴力を振るい、苦痛に泣き叫ぶのにもおかまいなく好き勝手にザーメン斉射。またいくつかある逆パターンのお話では少女にちんこをオモチャのようにもてあそばれては意に沿わぬ射精を強要され身体の各所を痛めつけられながら気絶という具合に痛々しい光景のみが展開される。とはいえそうして現実世界ではおよそかなうことのない、なすすべなく蹂躙されゴミのように扱われる少女の哀れな姿を目にして、おのが秘めたる悪の情動がふっと満たされてしまうのもまた事実。心のなかに巣くうケダモノを2次元世界だけでは解放させるのもまた人によっては必要なことだろう。たび重なるDVによりすっかり精神を破壊されうつろな瞳でひたすら性的快楽のみに身をゆだねるニンフたちがだらしないアヘ顔さらしてイキまくるそのさなか、彼女たちのコンパクトな子宮の奥底に白くねばつく液体を際限なく放ち続ける殺伐としたフィニッシュに我が脳内の邪悪なる部分は思わず快哉を叫ぶのだ。
LOでのラヴ一直線な作風とは真逆となる悪逆非道弱肉強食勧悪懲善の暗澹たるディストピアに心優しき貴方は目をそむけてしまうかもしれないが、多少なりとも凌辱耐性のある方ならばこの高品質な作画と人間の負の部分のみが暴露されるストーリーテリングとの奇妙なミスマッチに思わず引きこまれてしまうだろうことを保証する。甘口一辺倒の白前島/暗黒曼荼羅の黒前島のどちらも美味しく頂戴していた雑食の自分は今回ようやくダークサイド全開のこちらをまとめて読むことができ感慨ひとしお。収録作のなかでは美人局に荷担していた少女がかつての被害者たちから残酷な復讐を受けすっかり肉便器と化す「プチ援希望JS6」の汚物まみれのエロシーンやうすら寒い結末やらにグッと心つかまれました。
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