話○ 抜○-△ 消極小 総合△
ひそかに楽しんでいた校内オナニーを男子生徒に目撃された女性教諭が彼の仕掛ける快楽の罠に堕ちてゆき前後編+独立短編11本(うち単行本に描きおろし1本)。清楚な少女も凛とした淑女もいざ本番となればみな豊満ボディをさらけ出しメスの本性むき出しに乱れまくるそのギャップを思う存分楽しめる作者ファーストコミックスだ。
描きおろしパートを除く全作品の初出である「漫画ばんがいち」をあまり読みつけていない自分はこの作家についてほぼなにも知らないも同然だったのだけれど、今回コアから同時発売だったRico新刊を買い出しに行った際えらく束の厚い単行本が横に並んでいるのを見てついいっしょに買いものカゴへ。税込み1,155円と同社の通常作品より若干お高くはあるのだが、そのぶんいかにも使いでのありそうな造本で期待は高まる。
いかにもばんがいちらしく泥くささ皆無のさわやかな筆致で描かれるその絵柄はしかしながら同誌で支配的な少女漫画テイストのそれとはいくらか路線が異なり、数年前のマイナー系マニア誌――ヤンキンアワーズとかフラッパーとかバーズとか――によく載ってたタイプのオタ絵。メリハリの効いた輪郭の処理だとか入り抜きのしっかりした描線だとか、少し流行らなくなった感じではあるけれど基礎のしっかりした作画だ。
本のタイトルが示唆するように収録作の大半は学び舎を舞台としており、必然的に登場ヒロインはそこの生徒たる女子高生をメインに教える方の数名をプラス。おふろの女神なんて変化球もあるけれどおおむね10代女子スキー向けの構成といえよう。みなさんおっぱいはたっぷりなのにキュッと腰はしまってという3次元じゃ実現不可能なナイスバディの持ち主で、景気よくバストを揺らしながら乳首ナメナメされてイキまくるさまがなんちゅうええもん見せてくれたんや感満載でグッド。
地に足の付いた作画にふさわしくストーリーテリングの方もじつに達者で、能天気アホエロから波瀾万丈の恋愛譚まで、初々しいイチャラヴあれば背筋の寒くなるサスペンスありとあらゆる系統の物語を用意。若干強要ぎみの展開はあれど行為自体は和姦オンリーで単調になりがちなところをヴァラエティに富んだ趣向で変化をつける手際のよさはとてもこれが1冊めとは思えなくて、別ジャンルでデビュー済みの作家がPN変更でエロ参入したのではないかと勝手に疑っていたり。
エロシーン支配率は昨今のマークつきとしては高い部類ではなく、物量作戦よりはトータルの雰囲気で抜かせるタイプだ。とはいえ滑らかな秘密の花園を景気よくくぱぁしてみたりトロトロのイキ顔をクローズアップしたりと画面構成はよく考えられており、甘く情熱的なキスシーンの多用とともに大いなるシアワセ感を演出。2人してきつく抱きあいながら臆面もなく愛の言葉を交わしあい、ハードに腰を使いながらシメは子宮の奥底めがけドプドプ子種を注入だ。事後くてっと横たわりながら呼吸を荒くしてセックスの余韻にひたるおにゃのことふたたび甘いピロウ・トークをくり広げる光景に感情移入するその瞬間だけは君も僕もリア充気分。
精液分泌支援用途を最優先事項とする当ブログにおいてハッキリと物語志向なこの作品集は相対的に評価が不利になってしまうのだが(作者さますいません)、新人らしからぬ高い完成度で読後の充実感は随一。ガチエロのみならず慎太郎シール誌でライトエロ連載などを手がけるとぴったりハマるかもしれないと感じた。今回収録のものでは想い人の趣味に合わせてボーイッシュに変身したヒロインがマイ経絡秘孔直撃の「♀(ボク)が♂(ボク)でいる理由」が最愛だったのだけれど……あのオチはショートヘア巨乳女子大好きっ漢の俺にゃ裏切りだあ!!
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