2012-08-28

本年度のハイ・レッド・センター。

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-猫守麻里鈴「メイクアップ Side:A / Side:B」オークス ISBN:9784799003442 ISBN:9784799003459
話○ 抜○-△ 消小 総合△

いろんな運動着にあこがれるヒロインのために主人公が彼女の身体に筆を走らせてから明るく淫靡なボディペイントの輪がいつの間にやら周囲に拡がり表題作長編全20話(Side:A9話/Side:B11話)+プロトタイプ短編3本。汚れを知らぬ天使のような男子女子の織りなす牧歌的なファックと偏執狂的こだわりの性器描写との奇妙なコンビネイションを2冊同時発売でお送りするこちらは作者通算12/13冊めのコミックスだ。
前作「汗萌え!2 ex-STREAM」のリリースから2年の歳月が流れ、ふだんこの作家のレギュラー媒体をチェックしていない自分は活動していたのを忘れかけていたところ。そこへ不意打ちで2ついっぺんに、しかもどちらも通常より大ヴォリュームのやつを摂取させられて我が脳裡の猫守麻里鈴フォルダはパンパンだ。ちなみに片方だけではほぼ意味をなさないシームレスな構成なので今回は両方込みでのレヴュウを実施することとする。
およそ攻撃的な部分のまるでない、あたかも登場人物みな去勢されたかのようなアトモスフィアの作画はあまたあるエロ漫画家のなかでもきわめて特異。予備知識ゼロの人間に導入数ページの日常パートだけを読ませればこのあと濡れ場がはじまるとは想像しにくいことだろう。それなのにいったん行為が開始されれば去勢どころかいろんな意味で欲望過多のバロキッシュなエロスが展開されるのだからじつに不思議。なお今回はSide:A巻末に7~10年前の初期作品が収録されているのだけれど、すでにその時点でヴィジュアルの大枠が確立されているのがわかる。昔からのファンはなつかしさに涙するだろうし、新規参入組は当時から現在までまったくブレない創作姿勢に感慨を新たにするはずだ。
昨今のホームグラウンドである年少系学園アンソロジー「華陵学園初等部」を初出とする関係上、ヒロインは一部の上級生や親世代を除きプレティーン固定。とはいえロリとしては比較的発育がよくすらりと育ったボディなのでルックスは数歳上に見える。中学生設定のお姉さん組とかはもう大人顔負けの発達ぶりなのでつるぺたスキー向きではなく、逆にとくに幼女趣味のない人でも取っつきやすいかもしれない。
物語の方は例によって突飛なシチュからなし崩しにセックスへ移行→続々参加人数が増え最後は全員気持ちよく絶頂の猫守麻里鈴黄金パターンを踏襲。しかしながら今回はお話のベースに「ボディペ」(作中の表現)を配することにより散漫になりがちだったストーリーに一本筋が通った。同時に開陳される塗り関係の細かいうんちくやマニアックすぎる衣装語りなどの博覧強記ぶりもまた魅力で、これらを上手にエロへとつなげてゆく滑らかな語り口はさすがヴェテラン。
しかしながらそれ以上にこの作家を象徴するのは、彩色前も仕上がったあとも景気よく披露される多種多様な女性器たちだ。ビラビラの形から色艶、付き具合からサイズにいたるまで登場する女の子がみな異なるディテイルのまんこを開けっぴろげに見せつけるさまはまったくもって壮観。実際のところは知らないけれどよく歴史文献で言及される江戸時代のオープンな性というのはおそらくこんな情景だったのではなかろうか。
少女たちの幼い蜜壷を優しくねぶり倒したり彼女ら同士でこすりあわせたりのハートフルな愛の交歓は激しさこそないが充分すぎるヴォリューム。また竿担当キャラが極端に少ないので乱交の際あぶれた女子がすぐレズに走るのも好事家の方には眼福だろう。まるで日常会話の延長のようなほのぼのしたトークを交わしながらキュッと抱きつきあいティーンエイジまんこの奥底へ白い本流をピュッピュッとまき散らす一連のシークエンスはどこをとっても平和そのもので、憎しみとか悲しみとかそんな感情がきれいに喪われたその世界は正真正銘のユートピアなのかそれともどこか決定的に狂ったディストピアなのか判断に苦しむところ。
苦手科目の女装ネタやら貝合わせやらが今回多めで若干前作より私的抜き評価を下げてしまったが、ストーリーテリングの洗練度やヴァラエティ豊かなキャラ造形の妙などはこちらが上。2冊セット買いすると税込み2,400円と少々お高くはあるけれど、とにかくいろんな形のまんこが見たいんだ!という君にはうってつけの女性器万国博覧会だ。今作のなかではマイ経絡秘孔直撃なショートヘア元気っ娘のメインヒロイン・若菜ちゃんがやはりイチオシですかねー。

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