2012-08-12

今宵の赤色エレジー。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-丸和太郎「少女ノスタルジカ」若生出版 ISBN:9784948714359
話△ 抜○ 消小 総合△

突如押しかけてきた女の子と結ばれた主人公だけど彼女とは以前に深い縁があり中編4話+独立短編6本。ボーイ・ミーツ・ガールの甘くてちょっとせつない恋愛模様を情緒あふれる舞台設定のなかしっとりと謳いあげるこれが作者初の作品集だ。
収録作すべての初出である「COMICプルメロ」は店頭見本チェックのほかは数冊のスポット買いしかしたことがないので、この作家に関する予備知識はほぼないも同然。ただ同人では作者名こそ記憶になかったが購入経験があったのを思い出しそのイメージの延長でこちらをレジへ。どちらかというとマイナーな出版社からの物件ながら、オタ書店ではけっこうな量が平積みしてあったのが印象的。
やや細めの描線でていねいにつむがれるアニメ系の絵柄はなかなかにリリカルで、後述するスウィートな物語世界とはよくマッチしている。ことに表紙や口絵のようなカラー原稿をやらせるといっそう魅力的で、宝石のような瞳や艶めくおっぱいの質感などが読者をグッと引きつけて放さない。
この繊細な筆致でものされるヒロインたちは年のころミドル~ハイティーンで、小さすぎず巨大すぎずの美乳とぷっくり土手が盛り上がったすべすべまんことを実装する。ほぼ髪型以外での差別化ができない女子の外観はなおスキルの向上が望まれるものの、従順系から唯我独尊まで幅広いキャラ造形はなかなかコケティッシュでよろしい。また幼なじみ成分を多めに配してヒロインとの距離をしょっぱなからタイトにしロマンスを生じやすくしているのも加点要素。
そんな彼女らと読者の分身たる好青年たちがくり広げるラヴ・アフェアはいっさい他者の介在することのないピュア純愛系。唯一おじゃま虫的存在の出没する長尺もの「星のラブレター」においても悪者は思いを遂げることなく愛し合う2人の絆を見せつけられ退散するのでご安心を。なお個人的にはさほどグッとこないが帯で謳うとおりヒロインは全員処女設定なので、全国5,000万の破瓜シーン大好きっ漢はお見逃しなく。
ストレートすぎるくらいのタイマンラヴをこっ恥ずかしさ全開のラヴワード連呼とともに臆面もなく展開するさまは、まるで往年の田中ユタカ漫画が再演されているかのようななつかしい感触。本家がガチエロ市場から撤退しエピゴーネンも死に絶えた昨今では貴重なテイストだ。構成はまだまだ稚拙だし科白まわしも若干ぎこちなく感じるが、そうした欠点をさっ引いてもこの甘酸っぱいアトモスフィアは得も言われぬ気持ちよさがあり、方向性をそのままに表現を洗練させていけば大化けも……と期待させるものがある。
2人して互いの気持ちを再確認する濡れ場はむろんイチャラヴの極致であり、しっかと抱きあいながら濃密なキスを交わしたのち前人未到のヴァージンまんこ踏破へと至る一連のシークエンスを詳細描写。つるりと滑らかな肢体を恥ずかしげに押し開きながら処女喪失の痛みに耐えつつたしかな愛を受けとめてニッコリ微笑むヒロインの痴態に君のハートも打ち抜かれること必至。さらに例外なく膣内射精フィニッシュへ持ちこむあたりもポイント高い。
月夜に照らされた少女の肢体を指や舌先でていねいに愛撫しながら徐々に下腹部へとターゲットを絞り、ほおを真っ赤に染めつつも挿入にゴーサインを出す彼女の初物まんこへ侵攻を開始。赤いしずくをにじませながら苦痛と快感の入り交じった表情で甘い吐息をもらすヒロインのけなげな姿がたまらなくいとおしい。それでも幾度となく体位を代え角度を違えながら往復運動を続けているうちいつしか快楽に身もだえしハートマークを放ちはじめたら初絶頂も間近。覚えたてのアクメに身をまかせしきりに中田氏を懇願するおにゃのこのいちばん深い部分へ最後は許容量大幅超過の白くねばつく液体をドプドプ注ぎこみ処女強奪プロセス完了。
いささか女の子の表情が硬くときに描線が雑駁となったりと技術的にはまだ先達に及ばぬ部分があり減点はしたもののほとんど○に近い評価。とりわけ幸福感の演出には見るべきものがあり今後の成長が楽しみだ。俺的にはヒロインが隣家の幼なじみ男子の風邪お見舞いついでに初体験「夕暮れ時、豆腐屋が通る」と、見違えるほど成長した田舎の従妹としっぽり睦みあうタイトル・チューン「少女ノスタルジカ」がお気に入り。

0 件のコメント:

コメントを投稿