-幾夜大黒堂「金髪×巨乳に変身で」富士美出版 ISBN:9784799501412
話○ 抜○-△ 消小 総合○
ブロンド爆裂おっぱいっ娘を嫁にと日々願う主人公のもとに突然理想そのままの女の子が現れたのだけれどその正体は……長編全9話&描きおろし後日談。息もつかせぬハイテンションラヴコメを展開しつつバックグラウンドではキャラたちの人間的成長を誠実な筆致で描き出す作者最新コミックスは成年向けとしての第8弾だ。
この作家が得意とする異性装やトランスジェンダーのいずれも大の苦手科目な自分はけっこう長いこと彼の作品から遠ざかっていたのだが、前作「性転換教室」でのポジティヴで感動的なお話運びに再び蒙を啓かれ今回はデフォ買い。などと言いつつ本来は8月下旬発売の物件をやや遅れてレヴュウするのだけれど。
ディフォルメ強めのアニメ絵でいながら下手な写実系タッチの作家よりずっと目の詰んだ緻密な作画はきわめて特徴的で、この独特のミスマッチを売りものとして最近では一般漫画にも進出している。もとよりデビュー当初からかなり完成された作家ではあるが、今作は1冊まるごと直近の雑誌連載作品を収録しているので絵柄の安定感/洗練度は随一。とはいえ表紙のようなカラー原稿と中身のモノクロとでは若干仕上がりの質感が違うので、可能ならば見本閲覧OKの書店で確認したのちの購入を推奨する。
前作が多数の男子女子による群像劇だったのに対し、今回の長編作「ぷらちなLover's」(連載時タイトル)では登場人物をグッとしぼって主人公カップルを中心に脇キャラ数名の少数精鋭主義。こうなると見た目のヴァリエーションがさぞ乏しいのではと思いがちだが、ヒロインがいくつもの形態へ変身するというギミックで弱点を克服している。しかも主人公男子までもがTSで抜きキャラ参戦を果たすというフリーダムぶりでこのへんは幾夜大黒堂の真骨頂だ。このコロンブスの卵的アイディアによりつるぺたスキーからおっぱい星人まで、ノーマルも性転換もふたなりもと多種多様な需要にお応え。
とまあヴィジュアル面では飛び道具満載なのだけれど、そこでくり広げられるのはとても真摯で一途な恋愛のシークエンス。パツキンフェチの主人公・樋口と彼に恋するちびっ娘ヒロイン・ミオのハプニング的にはじまったおつきあいがやがて互いを深く想いあう本物の愛情へと発展していくすがすがしいビルドゥングス・ロマンとして成立している。序盤のコミカルなノリが後半部ではめくるめく怒濤のシリアス展開へと変化し、甘やかに締めくくられる描きおろしパートへと至る緩急の効いたストーリーテリングはおみごと。
ミオのみならずときにサブヒロインを交えての濡れ場もむろんもうひとつの武器で、大胆なパースの構図を多用しながらのダイナミックなファックはじつに華麗。幼児体型時の小ささを強調したセックスではいけないことしてる感を、金髪巨乳形態時のそれは洋ピン風味のスポーティ&フィジカルな性の交歓をそれぞれ前面に押し出してメリハリを効かせる。
ちんまい身体を科学の力でナイスバディへとメタモルフォーゼさせたヒロインのたわわな乳を両脇から攻めたてつつ下腹部のジャングルに如意棒をインサート。たちまち呼吸を荒くしてうれしそうに腰を振る彼女の無邪気な媚態がかわいらしくもいやらしい。ハードに粘膜どうしをこすりあわせながらのぼりつめてゆく彼女の子宮へ最後は大量の白濁液をお見舞いだ。
ヒーロー/ヒロインの心の葛藤やらすれ違いやらのハードコアな部分まで余すところなく描ききる作劇はときにしんどくもあるけれど、だからこそまっすぐな想いが結実しようやく幸福をつかむ2人のエンディングの感動もひとしおというもの。性転換パートなどではどうしても抜きに集中できず評価を上下させたものの、俺みたく超保守的な性的嗜好の持ち主でなければ変な先入観なく全部を楽しめるはず。さまざまにメタモルフォーゼしてみせるミオたんのなかでは大でも小でもなくほどほどに育った半年後モードがもっともマイちんこにfeel so good。
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