-駄菓子「純潔の終わる日々…」ワニマガジン社 ISBN:9784862692269
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
清楚で可憐な副会長がみずからを慰める姿を目撃した主人公はその後もエスカレートする彼女の行為に情欲を抑えられず本編&描きおろし後日談+独立短編9本。理性の枷をひとたび外せばたちどころに堕ちてゆく女たちの変貌ぶりをどこか影のある筆致でつづってゆく作者衝撃の初単行本だ。
この記念すべき処女作の表紙にデザイナーが持ってきたのは、なんと裏表折り返しすべてモノクロのイラスト。過去にまったく例がなかったわけではないにせよ(以前に保汀一葉が同じことをしていたのを記憶している)、エロ漫画の表紙といえばまず第1に乳やら尻やらのみずみずしいピンク色をアピールするのが暗黙の了解なだけに白黒オンリーというのは異例だ。しかしながら後述するような駄菓子ならではの作画のユニークネスはフルカラーだとあまりわかりやすくないので、一目瞭然の単色イラストを持ってきた判断は大正解だと思う。
CGによる陰影を効かせたトーンワークが業界を席捲するなか、まったくフィーリングの違う繊細な描線がこの作家の最大の特徴。顔の造作こそオーソドックスなアニメ/ゲーム系のそれではあるものの、肌の質感や人物の表情変化などの演出がかなり独特なのだ。通常はグラデトーンで処理する乳首や女性器周りの微妙な色合いをこの作家はまるで銅版画のように微細な線の集合体で表現する。同様にヒロインがポッとほおを染める場面もお顔に走るのは印刷に出るか出ないかの細やかな斜線。状況しだいでポピュラーなやり方を採ることもあるけれど、現在のエロ漫画作画の主流とは一線を画しているのはたしか。
このきわ立って印象的なタッチでものされる女性陣は制服のよく似合う青い果実から熟れすぎの淑女まで比較的ワイドレンジ。ただ設定ほどには年の差があるようには見えず、ことに年長女性はさほど熟女感を強調しないデザインでアダルトさん苦手の俺にはありがたいところ。一方でボディデザインは明確にグラマラス系で、作中で乳少なめと自己申告している娘でも充分なヴォリュームの双丘を装着ずみ。肉感的でメリハリのある肢体描写がぼくらの前立腺を思いっきり刺激して止まない。
コンビニ売りの「快楽天BEAST」をすべての初出とする収録作たちはその制約ゆえか問答無用のガチ凌辱やら陰惨な調教ネタとかはなくて、基本的には男子女子の合意エロス。とはいえ人妻を押し倒したりインセストタブーをぶち破ったり変態性癖を満開したりと倫理のリミッターは外しぎみなので、明るく楽しくイチャラヴをお望みの人向きではないかも。もっともこのどこか隠微な筆致には悲恋とか狂おしい想いだとかウェット方向のお話が似合うのもたしかで、そういう意味ではよい食い合わせといえよう。
2人して激しく肉欲におぼれる濡れ場はじつに重苦しくいやらしく、駄菓子の艶やかな描線はまことセックスを魅力的に描くがためのものだと思い知る次第。凛としたふだんの顔をエロスウィッチ1発でたちどころにとろけさせ恥も外聞もなくよがり狂う光景がじつに扇情的だ。レースの柄まで丁寧に書かれた下着や肌の張りを強調するストッキングや水着等のコスチューム描写がまたすばらしく、読み手の興奮を効果的に励起せしめる。
強引に唇を奪われせわしない愛撫を受けてとまどい恥じらっていた女たちもいつしかプレイに熱中し、大ぶりの乳房を責めたてられてすっかりほおを上気させ発情。黒光りするビッグコックを濡れそぼつ蜜壷にねじこまれて獣のごとく咆吼するその痴態がたまらない。乱暴にバストを揉みしだかれながらますます性器どうしの摩擦運動は激しさを増し、敏感な箇所を突き上げられるたび全身を打ち震わせてこみ上げる快楽に身をゆだねるエロメスどものだらしないイキ顔を堪能しながら白くねばつく液体を大量に子宮の奥へ押しこみミッションコンプリート。
いくつか存在するゴムつきファックや膣外射精では私的抜き度が低下してしまったが、総じて使い勝手のよろしい精液分泌支援物資。執筆時期の新しいものだとボディや表情のいやらしさが倍加していて次作はさらに期待できそう。今回収録のものでは、告白の練習台のつもりが想い人を前にしてヒロインすっかりHに燃えあがり「こっちを向いて!」と、主人公がやもめ暮らしの無聊をなぐさめに帰る実家で姪との熱く激しいセックスに耽溺の「鳥籠屋敷」でゴリゴリ愚息をいじめてしまいました。
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