今月のホルミシス効果。

-高橋こばと「彼方にあまね(1)」エンジェル出版 ISBN:9784873064871
話△ 抜○-△ 消大 総合△

恋人同士のフリから始まった先輩女子との関係はいつしか本物の恋愛へと変わってゆき表題作長編9話(第1-9話、以下続刊)。マークなし。才色兼備なのにセックスには無知だったヒロインがえっちいボディをどんどん開発されイキまくる光景にエレクチオンしまくりの作者最新刊は通算での12thコミックスにしてnot黄色い楕円but抜き物件としては10冊めとなる単行本だ。
去年3月発売の前作「芳蜜ソルト」とは見かけ上版元が違うけど同様に「アクションピザッツ」連載作品をコンテンツとする。少し前まで本拠地にしていた竹書房では複数巻の長編がむしろ通常スタイルだったが双葉社=エンジェル出版に来てからは今回が初めて。
BL/TL風味と男性向けオタ絵のほどよいミックスとなる端整な絵柄はもはや完成の域で、ことにCGっぽさをわざと抑えた淡い彩色のカラーイラストは白眉。それだけに初出時は総天然色だった部分がとくに工夫もなく白黒に減色されて載っているのは残念きわまりなく、ここは原版どおりカラーで掲載するかトーンワークをモノクロ原稿用に処理し直すかしてもらいたかった。
ともあれこの長尺ものをほぼ出ずっぱりで支えるのは表紙にも登場のショートヘア爆乳キャリア女子・彼方さん。通常デキる女系のヒロインだと安直に長髪にしがちなところをあえて短くまとめているあたり新鮮。巻末著者あとがきで「完全に個人的嗜好」とあるけれど、同人で延々よつばとの風香を描いていることからわかるように高橋こばとはこの手のショートボブキャラが大好物なのだろうな。当然短髪女子大好きっ漢の俺もガッツポーズですよ。
ストーリーの根幹はそんな彼方さんおよび彼女と成りゆきでセックスしちゃった後輩男子・天音くんとの一進一退恋愛模様。過去のトラウマもあり深みにはまるのを恐れる天音くんの意志とは裏腹に彼方さんのアプローチは本気度を増し……という具合だ。途中で彼方さんの後見人的お姉さまや天音くんの元カノなどおじゃま虫の介入などありつつむしろ2人の関係はいっそう強固になり、本気のお付きあいをはじめたところでto be continued。筋としてはいたってシンプルで逆に長丁場には向かないからおそらく2巻で決着するのだと思うが、本音を言えばかき乱し役すら必要なくてずっと2人のイチャラヴでもいいくらいだ。
エロシーンも一部にサブキャラ乱入はあるが完全に蛇足で、なんといっても彼方さんの豊満ボディを美味しくいただくのが本線。ルックスはフェロモンダダ漏れ系なのに1話めでは処女だったというご都合主義炸裂の設定により彼方さんの性感がどんどん開発されエロ度を増してゆくシークエンスの一部始終を堪能できる。トロトロのイキ顔さらし覚えたてのセックスに耽溺する彼方さんの痴態におっきが止まらない。
すっかり発情し自分からやらしい肢体を押しつけてくる彼女はすぐさま股間にしゃぶりつきまだ稚拙な手コキ&フェラでご奉仕にはげむ。それではとお返しに大ぶりのバストを揉みしだき下腹部をこね回しながらおもむろに暴れん棒をインサート。たちまちほおを紅潮させ涙を浮かべて快楽を味わうヒロインのせつなげな表情がなんとも扇情的だ。おっぱいをブリブリ揺らしアンアン嬌声を発しながら身もだえする彼女のえっちな子宮めがけてたっぷりと白濁液をプレゼント。
マークなしの宿痾である巨大な白抜き修整はやはり実用性をスポイルするし、彼方さん以外のエロシーンはむしろ抜くのにじゃまっけで採点をマイナスしたが、ファックの密度といいヒロインの媚態といい慎太郎シール誌物件としてはかなりがんばっている濡れ場は高く評価したいところ。コンビニ誌であまり奇抜な展開もできないのだし、今後は変にとっ散らからせずむしろ2人の幸せHに集中していっそう読者の股間を打ち震わせてもらいたいものだ。