2013-07-31

本日のベル食品。

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-りょう「おいしいお肉の召し上がり方」茜新社 ISBN:9784863493766
話◎ 抜○-△ 消小 総合○

友達どうしの女子2名がお互いの弟を美味しくゴチになり前後編&フルカラー番外編+独立短編8本。軽妙バカエロからどっぷりガチ凌辱まで超ワイドレンジな舞台仕立てで多種多様なセックスのありようを読者の脳裡に叩きつける作者最新刊はトータル2冊めのコミックスだ。
ザックリした独特の描線でものされるえっちぃティーンズの痴態がナイスだった処女単行本「100人ヌイても大丈夫。」の発売から2年半と、気がつけばけっこうな年月が経過している。そのわりにあまり待たされた印象がないのは緩慢ながらも比較的執筆ペースが安定していたからだろうか。あとこの作家の同人活動の方はまめにチェックしていたのでそのせいかも。
初出一覧がないので作者公式サイトにあるお仕事履歴で確認すると、収録作の執筆時期は2011-13年と直近のものばかりで、ベタ/トーン遣いをひかえめにしてペンの線をクッキリきわ立てる特有の筆致はキャリアの蓄積とともにさらにソフィスティケイトされている。また発表媒体は巻末の短編2本のみがサド女子/マゾ男子専門誌「Girls forM」で、残りは総合エロ漫画誌の「COMIC天魔」。それを知ったうえでおのおの作品を見比べてみると、なるほど両者の作風の差は歴然。しかしながら本来であればこういう重要な情報は編集サイドの責任において単行本内にちゃんと明記していただきたい。
ともあれハイティーン中心で固まったヒロインたちは外見も性格づけもみなさん個性的で、おっぱいサイズも大中小各種取りそろえて多彩なニーズにお応えだ。そんな彼女らは後述する物語展開とも関連するのだけれど、テンプレ的なわかりやすさよりはどこか屈折しているというかひとクセあるキャラ造形が特徴的。このあたりを興味深く感じるかなじみにくいと思うかは読み手次第だけれど、個人的には前者寄りの見解だ。
ストーリーテリングは処女作からもっとも進歩を感じたところで、雰囲気の明暗も行為の趣向もずいぶん幅が拡がっている。オーソドックスなラヴコメから救いレスな凌辱ものまでの両極があるのはむろんのこと、その間に和姦とも強姦ともつかぬ奇妙な作品群が目白押し。合意/強要の狭間を行き来するような独特の心理/性交描写が2つのカテゴリーの区分をあいまいにし読者の脳みそを混乱させるのだ。それととりわけ「Girls forM」掲載の2作品に顕著なのだが、登場人物たちがノーマルな性行為の範疇をどんどん逸脱していく一連のシークエンスを綿密な心象描写でもって刻々と表現するそのドライヴ感がすごい。男子Mものはハッキリと苦手科目な自分も、フラットな序盤から徐々に心のシグナルが歪みはじめ最終盤のカタストロフへと情動がクレッシェンドしてゆく巧みなお話運びにいつの間にやらグイグイ引きこまれたことを告白しておく。
豊饒な物語の背景でくり広げられる濡れ場もまたヴァラエティ豊か。おねショタ/妄想エロ/ドタバタといった陽性のそれからNTR/強権への従属/人格支配といったダークサイドのものまでさまざまなシチュを下敷きにしながら、心楽しい、あるいは逆にやるせない性の高揚をていねいにつむぎ出す。さほど写実的とも言えないタッチなのに性器どうしがガツガツと重なりあう光景はやけに生々しくて、体液にまみれ荒い息を吐きながら法悦の態でセックスに没頭する少女たちの痴態にエレクチオンが止まらない。
みずみずしい肢体をさらけ出しトロトロの蜜壷を自分から突きつけて挿入を待ち望む和姦仕立てのお話も、あるいは肢体の自由を奪われ前戯もなしに怒張を強引にねじこまれるレイプものでも、心の奥底の本能に火がつけばたちまち彼女ら熱に浮かされたように心身をセックスの衝動にゆだねる。望みどおり/意に反して、マシンガンのようにエロワードを連射しはしたなく腰を振るさまがたまらなく淫猥だ。こみ上げる快感/苦痛に歯を食いしばり恍惚/屈辱の表情を浮かべながら全身を打ち震わせる女たちの子宮の奥深くへ幾度となくザーメンを叩きつけフィニッシュ。
ストーリーの振幅が異様に激しいものだからラヴラヴのみとか凌辱専科とかの一品料理を堪能したい向きにはオススメしかねるが、愛憎どちらも余すところなくえぐり出す作劇の冴えはぜひ体験していただきたいところ。そんな自分も男子Mものでは抜き度が大幅に下がるとはいえ総体的にはこのうえなくすばらしい読書体験だった。今回収録のものではダーク系がことにずっしり心に響き、淡い恋が土地の因習や逆らえない権力に引き裂かれてゆく(そしてラストで追い打ちをかけるように残酷な現実を見せつける)「神籠りの夜に」で脳髄までしびれまくり。

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