2013-09-03

本年度のレジェンド・シリーズ。

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-凪妖女「ふたり噺」芳文社 ISBN:9784832233683
話○ 抜△ 消大-無(詳細性器描写なし) 総合△

妖怪怪異の逸話を求め放浪するヒロインと彼女を慕い支える後輩男子との甘く熱い純情ラヴ表題作長編7話(うち別カップルエピソード1本)。マークなし。見てるこっちが赤面もののストレート真っ向勝負のピュア恋愛模様をあやかしウンチク込みでお送りする作者最新単行本は通算15冊めのコミックスにしてこのレーベルでの初見参だ。ちなみに昨日記事にした春籠漸同様に8月発売物件の遅ればせながらのレヴュウなのだがどうかひらにご容赦を。
一昨年に実業之日本社からリリースの前単行本「つばき-艶華乱舞抄-」発売のあたりでレギュラー掲載枠を持っていた「COMICキャンドール」が休刊となり、しばらく自分の観測範囲からは消えていた作家。だもんでこの新刊が出ることもまったく知らず、本屋の店頭でいきなり発見して思わず反射的にレジへ向かった次第。
さっそく中身を手繰ってみたところ残念ながら収録作の初出について記載がないのだが、異様にくわしい作者サイトのお仕事情報を拝見するに、この版元の単行本形式ライトエロアンソロジー「らぶチュ。」に掲載されたものとおぼしい。あとこの商業仕事ページを見るとほかにも携帯だのアンソロだのたくさんの媒体で執筆しているようで(男の娘ネタまで手がけてる!)、この人に限らずオーソドックスなエロ漫画雑誌にしか目を向けていないといろんなものを見落としてしまうというのを痛感した。
もう15年以上もこの業界で活躍しているだけあって、アニメ調のその絵柄はさすがに最新型とは言えない。もっとも泥くささなどとは無縁のキュートでポップなタッチゆえ多くの人にとって受容しやすいはずだ。ムダに情報量を増やさず適度にディフォルメを効かせた軽快な筆致はとりわけ本作のようなライトエロにはぴったりフィットする。
物語はこの人の得意とするすこしふしぎ系の和風ファンタシーだが、キャンドールでやっていた連作ほどに伝奇色は強くなくてもっと日常寄りの印象。表紙を飾る男性口調のクール系ヒロイン・センパイ(なぜか最後まで名前を呼ばれない)と彼女に常に寄り添う後輩くん(こちらも名無し状態)の2人の甘々な会話を中心に、適宜フィールドワークを実践しながら不思議物件についてのエピソードが混入される感じだ。のっけからラヴラヴの彼ら彼女らが日々出会うワンダーを肴にしつつお互い愛を深めあうバカップル夫婦善哉にすっかりアテられること間違いなし。
どちらかというと積極的に抜かせようとするのではなく愛し合っている2人のベタベタなピロウ・トークを満天にさらすのがメインイヴェントなので、エロシーン密度はずいぶん薄い部類だ。それでもうさんくらいくらい豊満なバストにたいそう引き締まった腰つきの2次元ならではのボディラインは妙に情欲をそそる。あらゆる場所に口づけされ激しく愛撫されて熱い吐息をもらすセンパイの艶姿に思わずエレクチオン。日常のサバサバした態度とは裏腹に、いつしか熱に浮かされたような表情をあらわにしながら彼女は想い人との情事に没頭し、お互いきつく抱きあいながら最後は大量の精液を膣内いっぱいに注がれて絶頂に達する。
しょせんnot黄色い楕円物件なので濡れ場占有率は高くなく、また男性器/女性器は画面からほぼオミットされるので(だから修整もほとんど必要ない)、抜きツールとしては正直言って力不足。しかしながら凪妖女特有の超絶バカップル描写大量投下を目の当たりにするうちついつい若き日の情熱が呼び覚まされる、ある種の回春剤のような働きをしてくれるのだ。この徹底したイチャラヴぶりを今回も堪能させてもらいすっかり満腹。いずれガチ成年誌でも執筆活動を再開してくれれば……と一抹の期待を抱きつつ我が砲塔をフキフキ。

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