-山崎かずま「H.O.M.E Habitant of melting ecstasy」エンジェル出版 ISBN:9784873065410
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
仲間とつるんではオタ話三昧のサークル先輩男子/後輩女子が2人きりの夜お互いの気持ちを確かめあい本編&描きおろし後日談+独立短編8本。とびきりキュートで一途でちょっとしたたかな女の子たちが激しいファックにいそしみエロエロに乱れるさまをヴィヴィッドに描き出す作者最新単行本は通算3冊めにして当レーベルからの第2弾コミックスだ。
前単行本となる2作め「美少女謝肉祭」をリリースする少し前あたりから執筆媒体を急速に増やし、最近では多い月だと数社の雑誌で同時進行のとんでもないスケジュールをこなす仕事の鬼。筆の速さとそれでいながらクオリティを落とさないたしかな品質管理とが取引先各位より重宝される秘訣なのだが、それが逆に1社あたりのストックがたまりにくい弊害も生んでしまい今作リリースまで1年半も経過してしまったゆえんだ。しかしながら待ちこがれた甲斐はありましたよ!
描線細めの端整なタッチは萌えとオサレと頽廃さをほどよくブレンドしたセンスのよいもので、キャリア初期からすでに筆致は固まりそのまま高値安定。ヴィジュアルの完成度をいささか偏執狂的なまでに追求する姿勢はイラスト仕事もこなす名残のようで、本作発売にあたり作者みずから制作した単行本発売特設サイトの異様なまでの凝りようを見るとその一端がうかがえる。
前述したようにいろんな雑誌で並行してお仕事をこなす人だが、執筆媒体それぞれでヒロインの年齢層を意図的に変化させているのが特徴のひとつ。今回収録作すべての初出である「エンジェル倶楽部」では10代後半~20代のおっぱいっ娘主体と、山崎かずま作品としてはもっとも年長/巨乳寄りの描き方がなされる。もっとも基本カワイイ系の絵柄なのでこれでも半劇画系が執筆陣に多く連なり爆乳熟女がてんこ盛りの同誌では浮きがちではあるのだけれど。
そうした造形的特色はストーリー展開にも反映されており、1on1の和姦ベースの恋物語たちには他社仕事よりも若干大人びた味つけがなされている。ロリっ娘やJCあたりの無邪気なスキスキアピールとは違ってハイティーンともなれば結果は同じとしてももう一段複雑な回路をかます感じ。年相応の恋の駆け引きやら打算やらがわずかに加わってオンナの怖さやしたたかさをかいま見せる仕掛けだ。この「わずかに」というのがポイントで、あくまでヒロインの人間的魅力を増強する方向にのみ作用させ読者がドン引きするまでには至らない絶妙なラインで踏みとどまるこのさじ加減こそが山崎かずまの卓越したセンス。
おおむね女子サイドの戦略的挑発からはじまるエロシーンは質量ともに充実したもの。自分からみずみずしい肢体をあらわにし巧みに男子の劣情をそそる仕草で誘惑されたら男子諸君辛抱たまらずルパンダイヴ必至。もっちり触り心地のよさそうな肉づきのボディは若干お腹ポッコリだったり微妙にバストが崩れたりしているのだが、そのへんがむしろ庶民的というかいっそう淫猥でよろしい。景気よく交合し2度3度と精を放つ複数ラウンド制のお話が圧倒的多数なのもグッドで、小刻みに嬌声を放ちながら絶頂しまくりの彼女らの痴態で読者も股間を酷使しまくりだ。
着衣の下に息づく育ち盛りの2つの双丘をまろび出しぷっくり自己主張する秘密の花園をオープンセサミして彼女はもの欲しげな視線をこちらへ向ける。甘やかな睦言を交わしながらおもむろに如意棒をインサートするとたちまち少女はふだんの清純そのものの表情を一人前のメスのそれへと変貌させよがりまくりだ。肌理の細かい10代の肌の感触を楽しみながら腰を抱えこみいっそうハードな抽送運動にいそしんで子宮の奥をハードヒット。感極まりイクイク連呼するヒロインのプリティなまんこめがけて幾度となくホットな粘液をぶちまけながら濃密な性の饗宴はいつまでも続く。
物語的うま味はそのままに濡れ場はいっそうパワーアップし前作以上に愚息もご満悦。さすがに修整は強化されトーン棒線の本数は増えてしまったがそれでも相対的にはマシな部類でこちらも及第点だ。これだけ作画/作劇ともハイレヴェルで安定している人にオファーが来ないわけもなくいよいよ一般誌へ進出するとのことだが、今後も並行してエロ仕事を続けてもらえれば重畳きわまりない。収録作のなかでは掲載月のエンクラのみ衝動的にスポット買いしたくらい私的ツボ突かれまくりなオタ男女カップルガチファックもの「少女サニー」と、他作品のしっとりした味わいとは対照的にドタバタに徹した超アップテンポバカラヴコメ「トーーーコ!」がマイフェイヴァリット。
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