2014-02-11

今季のペナント展望。

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-矢間野狐「生がいいの ~林檎のデリヘル体験記~」久保書店 ISBN:9784765935555
話△ 抜○ 消小 総合△

昼は派遣OL、夜はデリヘル嬢として働くヒロインは今日もまた幾多の男たちに身体を差し出し……長編6話&描きおろし番外編。多彩な趣向を交えムチプリボディをフル活用のドエロいご奉仕に辛抱たまらんですたいな作者2014年初単行本だ。
エロ漫画界きってのヴェテランに属する作家で、はっきり確実な記録を手元に持っていないのだけれど、自分の記憶では平成ひとケタのころからもうこの界隈で活動を開始していたはず。とはいえこの人の作品を積極的に購入していたのはゼロ年代中ほどくらいまでで昨今はすっかりごぶさた。当ブログで俎上に載せるのも松文館がら2010年に発売された「生で…イッちゃう?」以来と、じつに4年半以上のブランクが空いてしまってまことに申しわけなく思う次第。
おそらくは昭和期少女漫画がベースであろうキュート寄りの作画は間違っても最新型ではないとはいえ泥くささはみじんもなく取っつきも良好。この絵柄で男性向けはおろかBL/TLにホモショタまでおよそエロ方面ならどんな分野でもこなせるのがこの作家最大の強みだ。まあレディース仕事を引きずってるのか妙に男性キャラがそっちノリの造形なのはご愛嬌。
そんなわけで今回くり広げられる物語はサブタイトルで明快に謳われているとおり、昼と夜のダブルインカムで働くヒロイン・りんごのデリヘル嬢としての日々のお勤めを詳細リポート。抜きキャラは完全に彼女1人で他の女性はモブすらほとんど登場しないので、表紙/裏表紙を見てりんごちゃんのルックスがお気に召さなければ回避で。おそらくは20代前半~なかばあたりであろう彼女だが、やけにババくさいヘアスタイルにティーンでも通りそうなとびきりの童顔、そしてプリンと飛び出した爆乳に安産間違いなしのお尻を備えた魅惑のプロポーションという具合に、ボディパーツのいろんな箇所の仕上がりが非常にアンバランスでなんとも不思議な趣。
およそ筋らしい筋はなくりんごちゃんが毎回デリヘルのお客と組んずほぐれつするだけの単純明快なストーリーではあるものの、途中で風俗のプロとしての矜持が語られたりイカせ勝負を挑んだりと、ある意味ビジネス漫画の変形として楽しむこともできる。そして最終盤ではある男性への恋心を自覚したりんごちゃんがデリヘル嬢廃業を決意し、さらにそこで突如彼女の前に現れたのは……と突如物語進行がスリリングに。最終的な決着に至るまでのディテイルは読んでのお楽しみだが、まあめでたしめでたし大団円でよかったんじゃないでしょうか。
毎話違った顧客のご指名を受け彼らのご要望にお応えの濡れ場は流れこそ単調ではあるもののプレイ内容はなかなかに多彩。Sっぽいお客様を喜ばせるために首輪&リードを着用してみたりリクエストに応じてノーパン&ノーブラで現れたりと、ホスピタリティの鬼と化して奮闘するりんごちゃんの痴態がいとおしくもエロっちいのだ。そしてコミックス表題どおり妊娠の危機もいとわずコンドームもつけずにナマで膣内射精フィニッシュの2次元ドリーム炸裂にぼくらの感涙も止むことがない。
さんざっぱらいろんな男に中田氏され放題のりんごちゃんがいきなり純愛エンディングというのはさすがにレディコミめいて違和感バリバリではあるものの、抜きツールとしては堅実なお仕事で性器修整も小さめゆえ使い心地は良好。ただ若干採点をさっ引いたのは、どうやら初出時はカラー原稿だったのを無理やり白黒に落としているらしく画面が全般的に見づらいのが気になったため。編集サイドで見た目をスッキリ調整できればいっそうヴィジュアルも美麗になり抜きやすくもなるのにとちょっと残念に思った。いまいち購入意欲をそそらない装幀といい、裏方さんにはもう少しがんばっていただきたかったところ。あとこの作家が大人のみならずいい感じの10代女子も描ける(なんせガチロリだってこなせる万能タイプだ)のを知っている自分としては、次回作でJCやJKヒロインの漫画が読みたいところですなー。

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