話○ 抜○-△ 消中 総合○
ある日幼なじみ女子に呼び出された主人公は彼女とその友人の手引きで倒錯行為の数々に手を染め男の娘として目覚めてゆき長編6話(メインエピソード4話+狂騒リゾートイヴェント前後編)&描きおろしショート後日談+独立短編1本。登場人物みなさわやかな笑顔を見せながらアブノーマルプレイ満漢全席にいそしむ光景を今回も満喫の作者最新刊はこのペンネームでの4冊めにして全名義併せたトータルでの16thコミックスだ。
エロ漫画の世界にどっぷり漬かっているわりには性倒錯系のお話にてんで耐性のない自分だが(とくにTSや異性装などは大地雷)、その手のがてんこ盛りなはずのこの人の単行本については店頭見本チェックでドン引きしつつなぜか最終的にはレジへ向かってしまう。2012年10月刊の前単行本「露出狂変態白書」以来およそ1年半ぶりの再会となるこちらも同様のプロセスを経てどういうわけか手元にあったりする不思議。
最新型とは言えないものの親しみやすい少年漫画系の絵柄はますますソフィスティケイトされ、とくにここ数年はそのまんま一般でガチ萌え漫画描いてもいけるんじゃ?と思ってしまうくらい女の子のキュートさ増量でたいへんグッド。今回の表紙など店先でエレクチオン不可避なできばえでたぎる心を鎮めるのに難儀したものだ。カラー彩色はもしかすると外注かも知れないが、ベースの描線は間違いなく本人だろうからやはりこのエロさは作者の努力と鍛錬がもたらしたもの。
この滑らかな筆致でもって愛らしいハイティーン女子たちが伸びやかに交歓し変態の限りを尽くすのがきいろ猫/きあい猫時代から続くこの作家の黄金パターン。また物語世界は基本的に過去作品とリンクしており登場人物の多くがキャリーオーヴァーするので、可能ならばTIの既刊3冊をいっしょにそろえておくとモアベター。加えて本作のメインコンテンツである長編「同類」/「DX女子会」ではめずらしく男性主人公を据えて彼の女装男子としての目覚めを描写することで、以前からエッセンスとしては含有されていた男の娘要素をさらに前面に押し出している。プリプリボディの女の子だけでなくスレンダーな肢体にビッグコックのキュート男子まで堪能できてお得だね!
単行本帯の惹句で「無いのはノーマルプレイのみ!」と高らかに謳われているとおり、作中ではありとあらゆる変態行為が執りおこなわれキャラたちが競うように性的逸脱にいそしむ。樺島あきらの代名詞たる露出プレイを主軸に放尿脱糞隷属家畜お風呂猫耳緊縛異装主従逆転とおよそ人間の想像力の追いつく限りのイカレた行状をやり放題だ。内容の過激度については今回も恒例の「露出」「スカトロ」チェック表が作者サイトに用意されているので、キチガイ行為に耐性のあまりない人は事前に確認しておくのが吉。
衆人環視のなか手コキされお口でご奉仕されてとすぐさま精液を搾取され主人公昇天。休むいとまもなく女装のまま本番を強いられこんどはまんこの奥でさんざんザーメンをしぼり取られる。気がつくと別の男の娘に肛門を舐めあげられ金玉をしゃぶられまさにこの世の極楽だ。周囲みな尿道をオープンし菊門を全開して気持ちよく排泄するついでに精液愛液いろんな分泌物をまき散らし仲よく絶頂する。
かくも明るく楽しくヘンタイ万歳!な作品世界ではあるけれど、よくよく読みこむとこれはけっこうなディストピアではないか。徹頭徹尾セレブたちの視点からしか描かれないのでわかりにくいけれど、主人公カップルをはじめとする平民たちは完全に虫けら以下の扱いで生殺与奪の権をアッパークラスに一手に握られている。巻末描きおろしパートでそれとなく語られているように、たまたま気に入られてお仲間にしてもらわない限り庶民は永久にご奉仕のみを強いられるガチの階級社会なのだ。そうしてみると常に笑顔を浮かべていて怒りやら悲しみやら負の感情を完全に欠いた登場人物たちのありようについてもいろいろ深読みしたくなる。……でもまあ、そんなこと考えずに目の前でくり広げられる変態フルコースにひたすら耽溺し気持ちよくちんこをしごくのが精神衛生上もよろしいのでは。個人的には主人公カップルの片割れであるショートヘア巨乳幼なじみ・苺ちゃんのキャラメイクがもろにマイ経絡秘孔直撃なので、彼女のラヴリィな痴態で大いに股間を活用。
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