2014-11-06

今年度の赤旗まつり。

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-佐藤登志雄「私は他の男と、SEXして、SEXして、SEXをした。」ティーアイネット ISBN:9784887745384
話△ 抜◎-○ 消小 総合○

覚えたてのセックスに没頭し学校内でも逢瀬を重ねるヒロインはその現場を目撃した男性教師に幾度となく犯されるうち身も心も彼のとりことなり……長編6話&描きおろし後日談。完全拒絶状態から最後はみずからまんこおっ広げたっぷり精液注ぎこまれて絶頂するに至る一大NTRプロセスを微に入り細にわたって読者の前にぶちまけ続ける作者最新単行本はトータル4冊めにして本レーベルからの初お目見えだ。
この作家がデビュー後しばらくはややクセのある描線や造形がどうもピンと来なくて食わず嫌いだったのだけれど、前単行本「寝取られ彼女」でそのパワフルなストロングエロス満漢全席に遭遇しすっかり認識を改めた次第。そうこうしているうちにいつの間にか活動の本拠地を「ペンギンクラブ山賊版」から当版元の「COMIC Mujin」/「COMIC夢幻転生」へとチェンジしてこのたびはおよそ2年半ぶりの再会である。
いちど目にしたらもう忘れない、シャープな筆致とどこか乾いた感触のタッチは初見のときも現在もほとんど印象は変わらない。比較的プレーンな感じのカラー彩色がなされた今回の表紙絵は彼の絵柄の尖った部分が適度に緩和され受容しやすくなっているとは思うが、それでもやはりひりついた空気がダイレクトに伝わってくるかのような白黒原稿こそがこの人の真髄だ。ゆえに購入の可否はカヴァーイラストよりも見本閲覧可の書店で直接サンプルにあたるか、もしくは版元提供の単行本内容紹介(そこから試し読みページへのリンクもあり)をチェックしたのち判断するのをお勧めしたい。
長編/中編それぞれ1つずつをパッケージングした前作から今回は1冊まるごとの長尺ものでコンテンツを構成する。雑誌初出時は「いつのまにか彼女は」と題され連載されたそれは残念ながら目次に掲載誌/時期の明記がないのだが、検索結果や著者ブログの断片的な記述から察するにおそらくは2012-13年附近に「COMIC Mujin」へ載ったもの(まあレヴュウするならちゃんと雑誌で読んでろって話ですね)。後述するように学園ものの体裁を採るので登場ヒロインはメイン/サブ含めすべてセーラー服もまぶしい女子高生たちであり、世の男性の多くを魅了する現代エロ漫画のヴォリュームゾーンを直撃だ。
これだけの長大作品ながらストーリーの根幹は意外にもシンプル。世界観の広がりもキャラ配置も最小限に抑えられた箱庭のような舞台設定で、語り口はむろん巧妙なものの物語的コクはさほどない。ことにメインヒロインたる黒髪ロングおっぱいっ娘JK・大原綾音(おおはらあやね)ただ1人が抜き担当として奮闘する冒頭数話は、綾音が同級生の彼氏・里山総一(さとやまそういち)とイチャつく現場を押さえ彼女を強引に押し倒した男性教師・加藤(かとう)による脅したり懐柔したりの寝取りプロセスのみに特化。かくのごとく序盤~中盤まではいわゆるNTR漫画としては正統派の流れでとくに驚きもないのだが、ここから佐藤登志雄はさらなるヒネリを入れてくるのですよ。
罪の意識に駆られ親友2名に相談してみたら、じつは彼女らも先生の餌食でした! と判明し最後の砦のナマ中田氏まで許してしまうのが後半スタートの第4話。それ以降は3人そろって加藤先生のちんこパワーに全員メロメロとなり延々4P乱交。いったんは加藤先生の方から開放のチャンスをもらう綾音だが、結局は……と予定調和の最終回、そしてもっとえげつない裏切りが仕込まれた巻末12ページ描きおろし漫画へと、純愛スキーにとっては地獄への一里塚が容赦なく続いてゆくので、1on1のイチャラヴしか見たくない向きは速攻回避で(まあ露骨すぎる単行本タイトルで危険信号は明白だと思うが)。ただ文章にしてみると凄惨そのものの展開なのに、いざ現物を目にすると意外にカラッとした雰囲気で読後感も悪くないのが佐藤登志雄の不思議な部分。途中までは行為に逡巡しつつもいったん腹が据わればとことん快楽享受に徹する彼女らのポジティヴな姿勢と、ほぼ一貫して主演女優たる綾音の視点から物語がつづられコキュ(寝取られ男)の心情については意図的にオミットされることで、NTR漫画特有のウェッティな罪悪感が軽減されるのだろう。ゆえに性愛のねじれっぷりを楽しみたい本格寝取られ愛好家は不満を覚えるかも知れないが、そうした心の機敏よりはファックそれ自体を摂取したい俺にはほどよくフィット。
少女らのはしたないイキ顔が乱舞し性器結合部のクローズアップが随所に散りばめられるエロシーンは迫力満点。アメとムチを織りまぜながら男性教師がじっくりヒロインを堕としてゆく序盤もいいが、膣内射精解禁となり晴れてクラスメイト3人そろってまんこ酷使スタートの後半部が個人的には至福。それぞれ異なるタイプの女体を一斉に並べ交互にちんこ出し入れしながら子宮の奥へドプドプ精液注入という、全男子垂涎の光景がエンドレスでくり広げられるさまがたまらなくエロっちい。俺TUEEE的全能感を強烈に味わいながらJKまんこへゴリゴリ怒張をねじこみ彼女らが恥も外聞もなくハートマークをばらまき絶頂するのを見やりながら我々読み手も気持ちよく白濁液を放出だ。
加藤先生ってば硬軟様々な手管を弄しときにアイテムを活用したりの多彩な堕としテクに比べて濡れ場はひたすらデカチン頼みのパワープレイでやや単調なのと、ストーリー演出上やむを得ないとはいえ途中までゴムつきファックなのが中田氏大好きっ漢の自分には少々もの足りない。とはいえ総体としては非常にパワフルな抜きツールであり、ハッキリと嗜好が分かれるタイプの作画/作劇ゆえ万人にオススメとはいかないが、多少なりともNTR耐性がありエピキュリアスな肉弾ファックに没入したい読者にはこのうえない福音となろう。今後もえげつないのに妙にさわやかな、佐藤登志雄ならではの独特のエロワールドを存分に世間へ開陳してもらいたいもの。

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