-荒岸来歩「ヌキ挿し自由のメイド穴」ヒット出版社 ISBN:9784894656512
話○-△ 抜○ 消小 総合○
メイドとして奉職するからには最愛のご主人様のため身体を張って尽くしまくり短編全6本。清楚な衣服に身を包んだムチムチキュートなメイドさん連中がビッグバストをブリブリ揺らしハードにまんこを使役しながらご奉仕フルコースの夢空間がどのページをめくってもすぐさま目前に広がる記念すべき作者処女単行本だ。なおこのペンネーム、なにやら複雑にローマナイズされているが日本語としては「あれきしらいほ」と読み下せばよい模様。
師走の翁や岡田コウなど化けものクラスの看板作家を抱えつつもなお日々新人発掘に余念のないヒット出版社がまたしても送り出すニューカマー。厳密にはまっさらの新人ではなく他誌でも執筆経験のあるそれなりのキャリアの持ち主らしいのだが、ともかく自分は数年前(厳密には2013年12月号)に当版元の看板誌「COMIC阿呍」で本作にも収録されているダブルメイド漫画を目にしたのが初見。以後ひたすらメイドものばかりを描き続けてついにコミックス刊行にまでこぎ着けたまことの剛の者ですよ。
単行本タイトルからしてそうであるように表紙/裏表紙からもう出てくる女の子はひたすらメイドメイドメイドメイドづくし。アニメの世界からそのまま飛び出てきたみたいなスッキリ系の絵柄でものされる彼女らはいかにもご主人様の命令に従順そのものっぽい出で立ちで嗜虐欲をそそられますなあ。ただ今回のカヴァーイラストは裏表とも妙にすまし顔というかよそ行きっぽくて中身のモノクロ原稿とは若干雰囲気が違うので、店頭見本閲覧可の書店で本文をチラ見するか版元提供の内容紹介ページを参照のうえで購入可否を決定するのが吉。
学生時代とかのっけからすっ飛ばしてたりそもそも人外さんだったりなのでヒロインたちの年齢は不詳だが、愛らしいあどけない系のフェイスにボンキュッボンとメリハリの利いたグラマラス寄りのボディが乗っかる童顔巨乳風味のキャラメイクでおおむねミドル~ハイティーン互換な印象。現状のエロ漫画市場でもっとも幅広い層に受け入れられるタイプの造形でありつかみはバッチリだ。
すべて読み切りとなる6本の収録作は当然のごとく全編これメイドとご主人様たる各回の男性キャラとの愛欲の日々をつづるもの。ただその趣向はヴァリエイションを多く持たせてあり、1on1も複数ご奉仕系も、はたまたベタ甘ラヴからガチ凌辱系まで各種取りそろえ。唯一のダーク話「The Glass Prison」が飛び抜けて陰惨な雰囲気でこれのみハッキリ異質だが、そのほかは明るく楽しくちょっとアホらしくの明朗快活コメディで心地よく受容できるかと。またストーリーと直接関係はないのだけれど、メイドネタのみならずドイツ語や車、銃器といった作者の愛する要素であろう小ネタが随所に遠慮会釈なくぶちこまれており壮観だ。お話によっては作画/作劇とも密度を上げすぎて物語の全容がいささか見通しづらくなっている部分もあるのだが、「とにかく自分の好きなものだけ描きたいんだ!」という熱い思いがダイレクトに伝わってくるかのよう。
短編オンリーとはいいながらもっとも短い作品でも24ページ、最長で44ページとどれも破格の分量ゆえエロシーンも相対的に大ヴォリュームだ。和姦/凌辱いずれもメイドHのお約束として乳やまんこをまろび出しつつも着衣は完全には脱がせず、たとえついに全裸になったとしても髪飾りのカチューシャは死守するこだわりがうれしい。さらに荒岸来歩で特筆すべきは肉ヒダの1本1本までが躍動するかのような緻密かつ執拗な性器結合断面描写で、こみ上げる快感にすっかり表情をトロけさせるヒロインが下腹部では同時進行で独立した生きもののごとく膣内を蠕動させシャフトを強烈に締めつけるさまがコマを並べて対比される。その他匂いやら尿やら女の子の発するものへのフェティッシュな執着も特徴的で、こうした要素が渾然一体となってガチンコファックを大いに盛り上げいっそう激しく興奮を励起せしめるのだ。
清純そのものの印象の彼女たちはしかしご主人様の命令があればただちに着衣をはだけ誘うような媚態を見せて性欲処理の道具と化す。お口や胸の谷間でじっくりねっとり暴れん棒をなだめすかして先走り汁をゴックンしたのちはすぐさま下半身を押し開きメイドまんこをオープンセサミ。広報から腰を抱えられ子宮の奥まで怒張をゴリゴリねじこまれてははしたなく嬌声を発し歯を食いしばりながらこみ上げる衝撃に耐え続けるさまがなんとも扇情的だ。万力のごとく内奥を締めあげながら四方八方にハートマークをまき散らし涙ながらによがり狂う彼女の子袋から卵巣の先端まで到達する勢いで大量のザーメンを叩きつけフィニッシュ。
作画密度もフキダシの科白量もときとして過剰に感じることはあるものの、清楚な出で立ちのメイドさんたちが怒濤のハードコアファックに我を忘れエロエロに乱れるその落差がたいそう息子をいきり立たせる優秀な抜きツールだ。ちょっとなつかしい雰囲気のアニメ絵でメイドだの銃だのアクションだの好き勝手やらかして……というので思い出したが、これはかつて阿呍誌上で活躍した的良みらんの正統な後胤なのだと気づく。まあ彼ほどに極端な厨二テイストではなくずっと庶民的ではあるけれど、マニアックな空気を継承しつつもそこへ特濃の濡れ場がプラスされるあたりがいかにも2015年最新型のそれ。自分としてはむやみに気合いの入ったものよりは少し力を抜いたタイプの話がより好みで、いつでもどこでも愛情全開の幼なじみメイドと明るく甘く結ばれて「溺愛メイドなる子さん!」と、厳格すぎる家庭教師メイドさんをやり込めるべく主人公はとある約束を……の「まじめメイドゆかりさん!」が本作中の最愛物件。
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