-有賀冬「【子宮】精子ください」ティーアイネット ISBN:9784887745544
話○ 抜○ 消小 総合○
ある日突然不思議な力を得た主人公と彼のパワーに導かれた少女たちとの奇妙な運命の歯車がゆっくり回りはじめて……長編全5話。厨二ティックな導入からスペクタクルな物語世界へと引きこまれ感動のラストへとつながる疾風怒濤のストーリーを体液まみれのハードファック三昧とともにお届けの作者最新刊はトータル7冊めのコミックスだ。
前単行本「しーしーGirls」発売までにはけっこう長いインターヴァルがはさまったのだけれど、そこから1年経たずに本作刊行とこのたびは非常にスピーディ。昨今急に初出一覧を明記してくれなくなったのでいつごろの執筆分なのかわからないけど、もし前作が出たあとから載ったものだとすればほかにも薄い本で忙しかったはずだからえらくがんばったのだなあと感心。
そんなわけで今回収録の作品群はおそらくTIの看板雑誌「COMIC夢幻転生」で直近に掲載のものと推測されるが、デビュー当初のオーセンティックなアニメ絵から繊細さとダイナミズムがともに増しいっそう洗練されたタッチはキャリアのたしかな蓄積を感じさせるもの。ビッシリ細やかな線を刻む一方でトーンワークは比較的淡泊で画面を必要以上にうるさくしない。なお当版元の恒例でサンプル画像つき紹介ページが用意されているので、店頭見本閲覧ができない環境ならば先にそちらをチェック。
雑誌初出時には「トランス・ライト」と題されて連載されたロングラン長編を1冊まるごと収録となる本作、単行本化の際には打って変わって企画ものAVみたいにえげつないタイトルになってしまったのだが、進行こそ一本道ながら非常にこみ入った設定のこの作品をワン・フレーズで表すならたしかにこの表題とならざるを得ない。その他裏表紙に記載のあらすじも内容の核心には触れずにおきながらも物語のアウトラインを絶妙に説明しており担当編集いい仕事だ。というかそのへん詳細に記すとネタバレに直結しかねないので(なにせ冒頭からのなんでもないモノローグまでのちのちの重要な種明かしにつながるという……)、このレヴュウでもわざとボカしぎみの記述をするがひらにご容赦を。
しごく平凡な高校生男子・波多野慎太(はたのしんた)と、彼が校庭で突然発した強烈な光に衣服を焼き切られた2人の少女――末野湊(すえのみなと)/リズ=ノートン――の出会いから奇妙な関係がスタートする。慎太の眼を見ていきなり発情した湊がちんこにしゃぶりつき強引に股間へまたがりザーメン搾取ののち、さらに第3のヒロイン・理咲(りさ)の登場でお話は混迷の度を深めてゆく……というのが大まかな流れ。ちなみに乳サイズはそれぞれ大(リズ)/中(理咲)/小(湊)と各種取りそろえております。女子3人全員と愛を交わして以後は入れ替わり立ち替わりの4Pハーレムファック三昧となるのだが、同時進行で彼らの行為に関わるとみられる不思議なパーツの謎が4人の会話を通じ読者の前に明かされる。慎太の能力は一方で湊にとっては災禍ともなり、それを回避するには残る2人と子作りせねばならぬのだ。かくしてエロ漫画的にガッツリ生で膣内射精の正当な根拠がめでたく付与される仕掛け。
彼らの明るい未来のためにはひたすら中田氏セックスせねばというわけでリズと理咲にせっせと精液注入するかたわらで、出会い以来常にサカりっぱなしでゴリゴリちんこ入れられつつも射精だけはしてもらえず湊のストレスはたまる一方。必死に膣内射精を懇願する彼女の願いに負けたっぷり種つけしてしまったからさあ大変! とここから物語は一気に大転回するのだがそれは読んでのお楽しみ。すべてが収束したのちの最終話にはまたしてもビックリのシチュが待ち受けており、彼ら彼女らの幸福そうな姿と慎太の漏らす最後の独白を目にして、ジェットコースターのごとく翻弄された我々の心もようやく安寧を得、そして周到に配置された伏線がすべて解消されたことで大いなるカタルシスを実感するのだ。
怒濤のごとくくり広げられるオハナシに負けず劣らず濡れ場にも大量のページを割いて性器同士の真剣勝負をダイナミックに展開。女子連中のやらしくめくれた肉ヒダがいきり立つ怒張を独立した生き物のようにくわえこみ、大量の液汁と擬音を従えながらハードに蠕動する光景を多彩なアングルで実況中継だ。子宮の奥まで貫かんとする勢いでシャフトをねじこまれてほおを朱に染め随喜の涙を流しながらよがり狂うエロメスどもの痴態に読み手の股間もエレクチオン。身体を密着させ肉どうしを打ちつけながら濃厚に舌を絡めあいはしたなくエロワードを交わし続け、ドスケベまんこの最深部めがけ大量の孕み汁を幾度となくぶちまけて子作りミッション完了。
壮大な構想と幾重にも仕込まれたストーリーテリングの綾を堪能しつつも、むやみに煩雑なディテイルとそれを消化するため説明科白的になりがちなネームは初見ではかなり飲みこみづらく、両者相殺してこのお話評価。そうはいってもこれだけ物語オリエンテッドな作風は貴重だし、なにより前作にも通底する少々青くさいけれども真摯で骨太な語り口が胸を打つ。新規連載のたびにマニエリスティックな作品世界を創りあげるのも大変かと思うけれど、今後もこの波瀾万丈の作劇(と、もちろん問答無用のガチンコエロス)を楽しませてもらいたいものだ。登場ヒロイン3人衆のなかでは、内気オドオド系なのにいざセックスに目覚めたのちはすっかりド淫乱と化して涙ながらにちんこ挿入を懇願するメインヒロイン・湊ちゃんの艶姿にメロメロですよ。フラットなお胸も最後には育つしね!
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