2015-09-16

今宵の551蓬莱。

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-宮原歩「アイドルの卵は勉強中」竹書房 ISBN:9784801953468
話△ 抜△ 消大 総合○

離婚し大阪へ戻った母に呼び出された主人公はいきなり彼女のプロデュースするご当地アイドルたちと同居生活を送ることになり毎日大忙し表題作長編全8話。マークなし。タイプの異なる美少女3人を代わる代わるゴチになるという全男子垂涎の光景が目前に広がる作者最新刊は通算12冊めにして当版元からの第8弾コミックスだ。
ライト&ガチ両分野で手広く活躍しているこの作家は比較的量産もこなせる部類であり、とりわけここ2、3年は年間数冊のハイペースで単行本を刊行。今年4月にティーアイネットより上梓されたガチ成年指定の前単行本「少女廻り」から本作リリースまでわずか5か月の早業だ。ちなみに自分は本来のところ今月上旬には店頭に並んでいたこちらを若干ディレイぎみの購入となったのだが、その理由についてはのちほど。
おそらくは女性の手になるであろう華やかで繊細な筆致はそのエッセンシャルな部分を保持しつつ野郎向けエロに適したアレンジが適宜ほどこされていて非常にキャッチー。残念ながら初出の明記はないが従来はストックが蓄積したそばから速攻コミックス化していることからつい最近の執筆分ばかりと推測され、実際端整な表紙絵と中身の作画とは完全コンパチだ。掲載誌である「ビタマン」執筆陣のなかにあってもきわ立ってセンスのよい筆致はまさにキング・オヴ・眼福ではあるけれど、それゆえいつ一般誌へ引き抜かれるかちょっとおっかなくもある。
これまで宮原歩作品はTIで執筆の黄色い楕円物件しか買っておらずマークなし作品は初挑戦なのだけれど、こちらはいい意味でライトエロならではの味わいを前面に押し出しているように感じた。物語の根幹はハーレムものの一類型で、優柔不断で冴えないフリーターの主人公・信之助(しんのすけ)が売り出し中のアイドルユニット・EMIY(エミー)のメンバー3人の男性恐怖症を矯正すべく教育係兼パシリとして共同生活を送る……というもの。むろんエロ漫画であるからには必然的に彼女らをおいしくご賞味するのがメインイヴェントであり、従順おっとり/強気ギャル/無愛想クールとおのおの個性的な3人を各個撃破。加えて後半には別のアイドル候補たちもつまみ食いというご都合主義上等の展開はしかしながらイヤミなく誠実に描かれる信之助の言動や数々の難局もあくまで前向きに乗り切る明朗快活なアティテュードのおかげできわめて心地よく受容できる。そしてまったく個人的な好みの問題なのだけれど、自身関西人だというこの作家が本作の舞台を大阪に設定し彼女らにバリバリ上方の方言をしゃべらせるこの魔力にワタクシとりことなったのですよ。こうした試みは過去にやはり大阪出身の漫画家であるあずまゆきが「らぶしぇるたぁ」(実業之日本社刊/全3巻)で手がけ自分もみごとに経絡秘孔を貫かれたものだ。当初購入をスルーしたにもかかわらずネット上でこの本が関西大フィーチャー作品であることを知り速攻書店へ走った大阪っ娘スキーの俺。
慎太郎シール誌物件ゆえ濡れ場総量はひかえめであり、しかも本番突入するのは物語の中盤からなので息子をハードに使役するのには不向き。しかしながら宮原歩特有のシルキーな肢体描写とほんのり上気し瞳をうるませながら覚えたての快感に身もだえするイキ顔、そしてなによりも流れるような上方言葉で甘やかな睦言をまき散らす彼女らの痴態が読み手の勃起中枢をダイレクトドライヴするのだ。艶やかなおっぱいを揉みしだかれ敏感な部分を刺戟されてキュートな体躯をよじらせながらはしたなくハートマーク連射しつつアイドルまんこの最深部めがけてたっぷり白濁液を注ぎこまれ絶頂するさまに我々も気持ちよく昇天。
not成年指定の宿痾で性器修整は巨大白抜きだしエロシーン占有率は高くなく抜きツールとしては正直弱含みと言わざるを得ないが、なににも増して宮原歩特有のキャッチーな作画と彼女の生み出す飛び抜けて愛らしいヒロインズの艶姿に心身ともほっこり。極私的萌え要素たる女子連中の関西弁絨毯爆撃で総合評価はずいぶん盛ったけれど、その点を抜きにしても非常にポジティヴで読後感さわやかな完成度の高いライトエロ長編といえよう。このたび登場の女性陣みな違ったタイプのカワイさを発揮していてマーヴェラスなのですが、とくに描写的にメインヒロイン格でありエロな男子の願望をそっくり具現化したみたいな正統派黒髪ロング清楚オクテ美少女・橋本くるみちゃんのけなげな言動やらえっちのときだけ方言まる出しで乱れる光景やらですっかりマイサンも無条件降伏ですよ。

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