-よこしま日記「よこしまむすめ」ワニマガジン社 ISBN:9784862693846
話○ 抜△ 消中 総合△
スポーツ進学し久々に帰省の幼なじみ女子のダイナミックな求愛に熱く激しくファックでお応え本編&描きおろしおまけ漫画+独立短編12本。恋する男子女子の揺れ動く心情をヴィヴィッドに抽出しつつリッチな女体を大胆に使役し覚えたての行為に耽溺する光景を鮮烈に描き出す作者これが記念すべき初単行本だ。
エロ漫画業界の雄にして執筆陣にも一流どころの売れっ子を多数擁する「COMIC快楽天」グループはその地位に安住することなく新人発掘も旺盛に行っているのだけれど、その時点その時点でもっとも流行に直結した作風を持つ漫画家を集中的にスカウティングするシステムは一方で誌面の金太郎飴化を招く危険性をも内包している。そんななか登場したときから雑誌内で一種独特のポジションを保ち続けているのがこの人。こういう個性派も抱えこむ余裕があるのが業界最大手ならではのフトコロの深さを物語る。
表紙/裏表紙を一瞥してまず感じるのは、いわゆる売れ線とはちょっと趣の違うほんのりダウナーな雰囲気。カヴァーはよくある肌色まっしぐらの装幀でなくて地味めの色遣いだし、女の子もどこかアンニュイな表情で「これから積極的にちんこしごくぞ!」とはなりにくいかも。かといっておどろおどろしい凌辱調教系のそれともまた系統の異なる、いわく形容しがたいアトモスフィアが妙に人々の脳髄を刺激するのだ。
中身の絵柄も表紙のカラー絵から引き続き落ちついた感触。オーソドックスな一般青年誌系の絵柄は派手さこそないが適宜業界のトレンドを取り入れた端整な筆致だ。収録作の初出一覧を見ると執筆時期は2012-15年と比較的ワイドレンジ。そのぶん絵柄の新旧差はハッキリわかる部類で、総体としての印象はあまり変化はないもののトーンワークや描線の緻密さは明らかに近作に軍配が挙がる。このへんは画力至上主義の快楽天で鍛えられるうち必然的に上達したものと推測され、生き馬を抜く同誌でわりかし長いスパンでの掲載枠を確保してきただけのことはあると納得できる成長ぶり。
この趣深いタッチでものされる女性陣は年のころ10代後半~20代なかばあたりの黄金世代。おっぱい大好きな快楽天編集が起用するのだから当然よこしま日記もみごとなビッグバスト女子をモリモリ量産するタイプの作家だ。年長キャラでも童顔寄りでいながらモデル級の頭身高めダイナミックボディに重量感のあるおわん型のみごとな双丘が標準装備されるさまは壮観。キュッと締まった細腰から急激な曲線を描いて安産型のラージヒップへと到達する魅惑のラインが読み手の勃起中枢をハードヒット。
慎太郎シール誌ゆえの制約で物語はあくまで合意エロの範疇に属するものとなるが、そのありようはなかなかにヴァリエイション豊か。シチュとしては普遍的な恋人同士のタイマンラヴ中心とはいえ(一部3Pあり)、登場人物たちのときに素直じゃなかったりときにビックリするほどストレートだったり複雑に揺れ動く心模様を印象深い科白まわしやハッとするような表情変化でみごとに表現してみせる。思春期真っ盛りのウブな恋心から酸いも甘いも知り尽くした大人のラヴ・アフェアまでヒロインの取る態度は多種多様ながら、いつの間にやらステディな男子に身をゆだねすっかり甘えてイキまくる彼女の痴態がなんともいとおしい。お話によっては最後ビターな結末が待っていたりもするのだけれど、ハッピーにせよアンハッピーにせよ狂おしく燃え上がった恋の記憶は2人の心にいつまでも刻み込まれる。
快楽天系列の悪癖で1作品あたり16-20ページと全般的に分量が少なく、豊穣なストーリーパートのしわ寄せが濡れ場にいくらか及んでいるのは否定できない。そうは言ってもほおを紅潮させしどろもどろに恋する心をあらわにするヒロインがゴックンボディを大胆不敵に揺さぶりながらゴリゴリ蜜壷をえぐられしきりに嬌声を漏らすさまはたいそう煽情的だ。最愛の彼氏の愛撫にはしたなく絶叫しシメにたっぷり膣内射精されて気持ちよく絶頂するに至る一連のシークエンスをしっぽり詳細中継。
ふだんはツンツンしてたり素っ気ないそぶりだったりのヒロインも2人だけの空間ではようやく率直に愛の言葉をぶつけ着衣をはだけてたゆたゆバストを彼の前でだけフルオープン。指や舌先が体躯を這うままに任せときおり敏感な部分をキュッと刺戟されて辛抱たまらず甘い吐息を発するおにゃのこの艶姿にえらく興奮だ。準備万端の秘密の花園へゆっくりとシャフトを沈めてゆき最深部に達したところでハードな摩擦運動をスタート。2人してきつく抱きあいながら恥も外聞もなくラヴワードを乱射し粘膜どうしをこすりあわせて夢心地だ。いよいよ汗と涙とヨダレまみれで日本語にならないイキ声発しながら昇りつめてゆくおにゃのこの子袋いっぱいに白くねばつく液体をドプドプ注ぎこみ女体征服任務完了。
帯コピーで「叙情派絵浪漫画」と謳うとおり、熱に浮かされたようにお互いを求め合う男女のどうしようもない恋と欲望を読者の脳みそへもダイレクトにお届けのウェルメイドな作劇が光る。ただしいくつか気になる点があり結果としてひかえめの採点に。まずこれは作者の責ではないが、当レーベルより同時発売の睦茸より明らかに修整がキツく、せっかくの肉厚まんこ大写しシーンがことごとく真っ黒に。同じ社内でもゼロスと快楽天じゃ完全に別セクションなのは承知してるので消し具合も違うのはわかるが相対的に不利なのは否めないところ。そしてガチ黄色い楕円物件なのにフィニッシュで結合部をあえて隠すようなアングルが多いのと、ページ数が不足ぎみなせいで大半の話は事後が素っ気なくてもの足りない気分に。そうしたちょっとだけ不満な部分を次回作では上手に処理してもらうのを期待しよう。とかグチりつつもラヴラヴ同棲性活で当初はウブかった彼女がすっかりエロエロに……な「アイスの味」や古武士の風格な剣道部部長さんが最愛の副部長くんと初ラブホでしっぽり燃え上がり「凜として!」で股間をガッツリ使わせてもらいました。
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