-樺島あきら「妊娠×5」ティーアイネット ISBN:9784887745872
話○ 抜○ 消小 総合○
変態性癖の披露から異世界SFまで多彩なエロスを展開短編全4本。ニコニコ笑顔で露出&スカトロのオーソリティがこれまでと趣向を変え絵柄をマイナーチェンジして新境地を開拓の作者最新刊はこのペンネームでの通算5冊めにしてすべての名義を合算するとトータル17冊めのコミックスだ。
過去にさまざまな出版社を渡り歩き筆名もいくつか掛け替えながらずっと途切れずにエロ漫画家としての活動を続けているこの人、ゼロ年代初頭くらいのデビューと記憶しているのでもうスーパー大ヴェテランの部類。昨今は樺島あきらの名前でTIに腰を据えコンスタントに執筆しており、本作も前単行本「私が変態になった理由」の発売から1年半経過の通常ペースでリリース。
いつものように書店へ向かい本作購入ののち表紙/裏表紙をつらつらながめていると、帯には「新生「樺島あきら」」の文字が。申しわけなくも雑誌掲載分は読んでいないので、いったいどんな変化が……といぶかしがりながらページを手繰る。スッキリ系の端整な描線でつむがれる少年漫画寄りの絵柄というのが従来の印象だったけど、言われてみれば線をもっとシャープかつ繊細方向へ振って造形もいま風になった気が。ただ既刊と読み比べると極端な変化には感じられず、いまも昔もひと目でメイド・イン・樺島あきらと判別できるタッチではある。もっとも後述するようにいちばんの相違点はそこではないのだけれど。
きいろ猫/きあい猫名義のころから登場ヒロインはほぼハイティーン固定だったのだが、本作では一部の作品でキャラの平均年齢が20代に上がっている。トータルではやはり10代優勢とはいえ、それに引きずられてなのか全般的に頭身も上がってJKでもわりと大人びたルックスに。巨乳の範疇ながらビッグすぎないバスト描写や一点の曇りもないさわやかな笑顔やらは既刊と共通するのでさほど違和感はないけれど、個人的にはいままでどおり若い娘専科で読みたいなあ。
そして従来作といちばんの違いが、やや強調ポイントを変えてきたストーリーライン。これまでは心底ド変態の思春期男女が満面の笑みで全裸露出しながらおよそ思いつく限りのアブノーマルシチュを実践というのが基本で、それは収録作中で最古の巻末短編「プレゼント」やアタマから2本めの「メイドの学校」ではおおむね踏襲されている。しかしながら残りの2本、冒頭からの実質的な表題作である転生孕ませセックス三昧ネタ「異世界からさようなら」や中盤のライトな学園怪奇話「学校の"6+1"不思議」ではイカレた行為よりは物語それ自体にウェイトが置かれている感じ。とりわけ「異世界からさようなら」は変態行為そっちのけで極々ノーマルなハーレムを展開していて、なんだかこの作品だけ別の原作者がついてると言われても信じちゃいそう。
そんなわけで濡れ場の雰囲気も作品によってはこれまでの樺島あきら物件らしからぬ普遍的なアトモスフィア。もちろんこの人のアイデンティティでもある露出プレイはそれなりに出現するのだが、排泄の方は目に見えて含有率が減った。それは作者サイトの異様に浩瀚な単行本データ内にある恒例の「露出」「スカトロ」チェック表からも明らかで、うんこ大好きっ漢は今回ご愁傷さま。むろんその他のアブノーマルなシチュは盛りだくさんだし依然としてマニアック度が高いことには変わりないけれど、まったくの初心者が予備知識ゼロで接してドン引きすることは少なく……なるかね?
美味そうな女体を衆人環視のもとさらけ出しヒロインは羞恥と期待でほおを染め下腹部をしとどに濡らす。おもむろに如意棒を蜜壷深くねじこまれたちまちトロ顔を見せつけ歓喜の咆吼だ。ビッグバストをたゆたゆ揺らし激しく内奥を突き上げられる光景を周囲に誇示するかのようにいっそう大胆に露出ファックに熱中するさまに興奮しきり。感極まり膣内をギュッと締めあげながら昇りつめてゆく彼女の変態まんこの最深部にたっぷりと白濁の奔流をプレゼント。
いつもどおりの露出調教学園生活のみならず幅広い題材にチャレンジして芸風の幅を広げた1冊。帯コピーから受けた印象ほどの大変革はなかったし直近作ではむしろ以前のノリへ揺り戻しも見られるので今後どういう方向へ舵を切るかは予断を許さないが、訴求対象を広げるうえでは冒頭短編のようにノーマルエロスへと向かうのもアリかも。そう言いつつも個人的にはわりかし従来路線に近い、JKヒロインが嬉々として変態調教をエンジョイの「メイドの学校」が本作中のフェイヴァリットでございます。
0 件のコメント:
コメントを投稿