-伊藤エイト「劣情ミクスチュア」ジーオーティー ISBN:9784860849825
話○ 抜○ 消小 総合○
鬱度0%の能天気エロコメから神経キリキリ陰惨NTRまで多種多様な性愛模様短編10本+フルカラーショート1本。日本人離れしたダイナミックボディを怒濤のごとく駆使しては乱れまくり射精されまくりのド淫乱ガールズ&レディースのエロティックな行状をコッテリ濃厚にお届けする作者最新刊は通算2冊めのコミックスだ。なおこちらの単行本は本来2015年末に刊行のところを大幅に遅延しての評価記事となっていることをあらかじめおわびしておく。
商業デビューはもう少し前だったようなのだが、俺がこの人の存在を脳裡に刻んだのは現在の定期購読誌である「comicアンスリウム」でのこと。一部の他社掛け持ち組を除くと見知らぬメンツばかりだった創刊当時の同誌で当初からその骨太のエロを武器にひときわ輝きを見せていたものだ。ほどなくデビュー単行本「MILK DIP」も上梓され大いに楽しませてもらったのだけれど、そこから2年以上のインターヴァルは正直長すぎて我が股間のガマンも限界寸前。
辛抱たまらず書店へ向かいさっそく平台から1冊すくい上げれば、のっけからキャミソール姿で爆乳モロ出ししバックからガッツリ貫かれてトロ顔見せつけるドエロい女子フィーチャーの煽情的すぎるカヴァーイラストがお出迎え。中身のモノクロ原稿もおおむね表紙の印象キャリーオーヴァーのやらしい筆致であり、肉体のマッスを思いっきり意識させられるガッチリボディの淫乱ヒロインが雨あられと投下される。今回は大半が直近のアンスリウム掲載分ということで前作より作画品質も安定しいっそうソフィスティケイトされた。なお店頭見本の閲覧がかなわない環境の方はメーカーサイドから内容サンプル付属の単行本情報ページが提供されているのでそちらを参照のこと。
この蠱惑的なヴィジュアルのもと生み出される女性陣はハイティーン~アラサー近辺の食べごろ世代で構成。むろん伊藤エイト作品であればお歳の上下を問わずこぞってばいんばいんのビッグバストに安産間違いなしの巨大な臀をデフォで装備だ。おおむね筋肉質のフィジカルエリート的肢体描写ながら、そのなかでもタプタプお肉を余らせたりスラッと仕上げてみたりとキャラ造形に応じてこと細かに女体の描き分けがなされているのがすばらしい。
もとより明朗快活ライトエロから問答無用ガチ凌辱までおよそなんでも描ける人で今回も両者混淆となっているが、前作の収録物件たちに比べるとややダーク色が強くなった印象を受ける。もちろん恋人たちの甘ったるいイチャラヴやうれし恥ずかしタナボタエロスなども存在してはいるのだけれど、体よく肉便器化されちゃったりオナホ代わりに使われたりいつの間にかカミさんが他人に抱かれてたりとドップリ暗黒方面のオハナシがよりきわ立つ感じ。これは巻末著者あとがきでも明確に述べられており、誌面のレギュレイションがゆるくなったぶん創作の幅を広げられたようだ。とりわけNTR系のえげつない物語を手がけると水を得た魚のようで、中盤に配置された直球寝取られもの3本の鬱度の高さったらない。読後感に配慮してかNTR行為それ自体よりはセックスの快感に描写の重点を移し背徳感を緩和しがちな作家が多いなか、伊藤エイトはむしろ積極的に寝取られ男(コキュ)の屈辱と敗北感にフォーカシングして、愛するものを奪われる絶望とそれとは裏腹のマゾヒスティックで奇妙な愉悦を容赦ない筆致で浮き彫りにし読者にも居心地の悪さといけないものを覗いたひそやかな楽しみとを同時に抱かせるのだ。
雄大かつ淫靡なトルソを縦横無尽に活用するヴォリューミィな濡れ場はたいそうダイナミック&ゴージャス。現代エロ漫画シーンに必須の各種擬音祭や豊富に散りばめたアヘ顔フィーチャーなどエロティックな演出をコッテリ濃厚にほどこし読者の股間をダイレクトドライヴだ。また前述のごとくキッチリ構成された作劇によりヒロインのモノローグを中心とした緻密な心象描写を通じて彼女がなかば倒錯的なシチュのなか徐々に興奮を高め最後にはこみ上げる快楽に我を忘れて没頭するに至る一部始終をヴァーチャルに体感でき読み手の摩擦運動を効果的にアシスト。
着衣では隠しきれない特大バストをすぐさま布地の束縛から解き放ち牝臭ムンムンの下腹部をフルオープンしておもむろに怒張をフェードイン。激しく腰を使うたびたわわな双丘が揺れ動き女たちのケダモノじみた咆吼があたり一面に響きわたる。禁じられた関係が2人の交合に背徳のスパイスを加え恥辱とおぞましさがむしろ女たちの子宮を悦楽にゆがませるのだ。いまや発情期のメスブタのごとく各種の液体を垂れ流し自分からシャフトにしゃぶりついては必死に快感をむさぼる女たちの浅ましい媚態を存分に堪能しながらドスケベまんこの最深部めがけビュルビュルと白くねばつく液体を大量リリース。
ヤワで覚悟の足りない自分はヒロインのビッチ色が強すぎたりドSだったりの一部作品では若干マイちんこが萎縮したものの、総体としてはすばらしくユースフルな精液分泌支援装置。作画/作劇の安定感も前作より増し完成度がいっそう高まって伊藤エイト入門としても好適だ。1冊めに引き続き刊行が当初予定から延期になったのはうれしくないが、作品内容とは関係ない部分だしまずは無事発売されたことを言祝ぐとしよう。まあ書店も取次も事前準備がすべて狂うので次はプレスリリースどおりに出してもらいたいとかつて流通の末端にいた人間のひとりとしては願うのだけれど。今回収録のものでは、幼なじみ男子の性的鬱憤を晴らす肉穴としての役割だけに甘んじるムッチリ地味っ娘ヒロインのありようが切なくもエロっちい「おなほなじみ」と、健康的な勝ち気ショートヘア年上奥さんが隣家のオヤジに肉体を蹂躙され最愛のダンナの気配を感じつつも容赦なく精液注がれる「引越しの挨拶は慎重に…」でもって愚息をゴリゴリ酷使。
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