2016-02-10

今週の井上陽水奥田民生。

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-有賀冬「オナホバイバー」ティーアイネット ISBN:9784887745971
話○ 抜○ 消小 総合○

リアル女性そっちのけでオナホールに執着する主人公の前に現実の女子が次々現れ奇妙な肉体関係に明け暮れて……表題作長編全5話。1本ネジの抜けた素っ頓狂な物語に乗っかってド迫力ボディのエロメスどもが肉厚まんこをハードに使役し随喜の涙を流しながらイキまくりの豪華絢爛女体絨毯爆撃をくり広げる作者最新刊は通算8冊めのコミックスだ。
端整かつ美麗な描線でもって日本人離れしたゴージャスな肢体の頭身高めガールズ&レディースをモリモリ量産しつつ、彼女らと全身全霊で愛し合い睦みあう大上段の疾風怒濤大河ドラマを展開するのがこれまでの基本線。前単行本「【子宮】精子ください」もタイトルこそ露骨ながらもそうした真摯なラヴ模様を脇目も振らずに展開していたものだ。そして年が変わり送り出されたこの新刊でもまいどおなじみ有賀冬印の骨太な愛と欲望を描き出すのかと思ったら……今回はなにやら毛色が違うぞ?
歳月の経過とともに多少のディテイル微調整はあるものの、誰にでも受容しやすいオーソドックスな一般青年誌系のタッチをベースに細部まで緻密につむがれた情報量の多い画面が昔からの特色。それは最新連載作を収録のこちらでも踏襲されており、当版元の看板誌「COMIC夢幻転生」のなかにあってもその正統派のたたずまいで堂々たる存在感を発揮。そんな正統派の筆致でもってあたかもAVさながらの、パックリ股間をおっ広げ下のお口から白濁液ダラーリのえげつなさすぎるカヴァーイラストを描いてのけるものだから辛抱たまらんですね。なお例によって出版社提供による著者情報ページ内で過去作からこの新刊までの歩みを豊富な内容サンプルとともにじっくり確認できるのでまずは一読を推奨。
とまあ作画面では従来どおりの路線なのだけれど、物語の方はどうも既刊とは異なる雰囲気。1冊まるごとの長尺ものとなるタイトル・チューンを冒頭から読み進めるうちにハッキリするのだが、男性主人公がまず登場し話数が進むごとに女子が1人また1人と参戦してという具合にお話運びは典型的なハーレム系なのにもかかわらず愛情の矢印があらぬ方向を指しているのだ。
第1話で生身の女性の代わりにオナホに囲まれ独りごちる主人公・飯田拓馬(いいだたくま)の光景はまあよくあるネタで、それを見ていた先輩女子・黛葵(まゆずみあおい)が乱入し紆余曲折のうちに身体を重ねるところまではノーマル進行と言えるだろう。しかしながらそこで2人の間に特段の情愛が芽生えることはなくて、双方を都合のいい肉バイブ/肉オナホとしてのみ活用する奇妙な関係が構築されるのが特異な点。この構図は拓馬同様のオナホマニアな女子・滝田メグミ(たきためぐみ)、一夫多妻を夢見るフェロモンダダ漏れ女教師・香島(かしま)先生が加わってもまったく変化なく、ラヴ不在のまま肉体どうしのみはハードにまぐわい続ける奇天烈なシチュでどこまでも突き抜ける。しまいには最愛のオナホを擬人化しなにやらファム・ファタールの幻すら映し出す拓馬の妄想ぶりを前にして「ダメだコイツ」と危機感を覚えた女3人が結託して彼を現実のオンナ側へ奪還せんと全員そろっての肉弾戦を挑むのだが……その決着については読んでのお楽しみ。
相当ぶっ飛んだ物語世界はさておき、有賀冬謹製のとびきりマーヴェラスな女体が画面狭しと躍動する密度の高い濡れ場についてはこれまでどおりのド迫力。ことに今作ではヒロイン3人衆がこぞって巨乳系ゆえ見るからにゴージャスな絵ヅラで読んでるこっちの心まで豊かになりそうだ。むっちりミチミチの乳尻まんこが派手に振りまわされる情景もさることながら、血管ピキピキの陽物が充血した蜜壷の奥へ呑みこまれ大量の分泌物をまき散らしながら絡みあうグロテスク一歩手前の壮絶な交合シーンがおそろしく煽情的。ふだんの端整な表情をすっかり上気させ涙と汗とヨダレまみれで昇りつめてゆくヒロインの痴態を目の当たりにしてぼくらの自慰表明もはかどりまくりだ。
肉欲のみの関係と割り切って女子どもすみやかにドデカいヒップをこちらへ向け秘密の花園をパックリ開いて肉バイブは使用準備完了。ただちにたぎる怒張をインサートし粘膜どうしの摩擦運動をスタートだ。バターへ熱いナイフを差しこむみたいな妙なる感触を楽しみつつ体位を変え角度を違えてハードピストン三昧。敏感な部分を貫く旅甘い吐息を漏らしハートマークをまき散らす彼女らの艶姿に興奮もひとしおで、エンドレスの情交の締めくくりは生身のオナホールの最深部へザーメンの奔流をたっぷりとお見舞いしフィニッシュ。
くり広げられる行為の熱さとは裏腹に、男女ともノーマルなラヴコメを敷衍するのにはまったく向かない奇矯なキャラ造形やらお話のいろんな部分の底が抜けたバッドチューニングぶりに読み手の脳みそまで狂わされそうな怪作だ。ふだんドシリアスな物語をつむぐ人がいざバカをやるとここまで強烈に針が振り切れるのかと感嘆するとともに、それを変に照れたり韜晦したりせず全力でやりきった作者の胆力に乾杯したい。こういうのはいったん躊躇したら負けで、全力投球してくれるからこそアホ話が最高にアホらしく輝くのだ。まあしかしネタバレになるので詳細は記さないけど本作のこのオチ、最後に勝利したのは誰かというとアレじゃ女の子たちは形無しですなあ。そんな彼女らのなかではキュートで清楚なルックスなのに思考的にはいちばんイカレてそうなオナホ愛好少女・メグミさんがマイちんこにもっとも響いたです。

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