本年度の立体交差事業。

-奈塚Q弥「乳奴隷」ティーアイネット ISBN:9784887745988
話△ 抜○ 消小 総合○

熟れた肉体をもてあます爆乳人妻はかつてのキモデブ同級生と娘の担任教師として再会したのち奸計に陥れられ凌辱調教の日々を送るうち秘めた情欲を無理やり開花させられ表題作長編全5話+独立短編1本。情け無用の肉体開発フルコースを受け続けるヒロインがどこへ出しても恥ずかしい立派な肉便器として仕上がるまでの一部始終をじっくりねっとり描き出す作者最新刊は通算14冊めにして当社物件としての第4弾コミックスだ。
前世紀からの長大なキャリアもさることながら現在に至るまで一線級雑誌の最前線で執筆し続けているという事実それ自体が尊敬に値する大ヴェテラン。商業/同人問わず大量のプロダクトを休みなく生み出す豪腕は近年ますますフル稼働で、エンジェル出版刊の前単行本「全身寝取り快楽」から本作リリースまでわずか3か月少々の快挙だ。なおTI作品としては去年3月発売の前々作「ここは快楽荘」以来1年弱とこちらも信じがたいほどのハイペース。
20世紀の影を引きずるオーセンティックなアニメ絵ベースの作画ではあるものの、生き馬の目を抜く同人業界でそのときそのときの流行りネタを貪欲に取り入れ業界の最新トレンドを吸収していくことで常に絵柄のアップデートを実施。おそらくは外注塗り師を起用の表紙カラーイラストはさすがにデキすぎで中身の白黒原稿はもう少し時代がかった仕上がりだが、それでも若い連中に伍してなお充分に戦えるヴィジュアルだ。店頭見本を見られない環境であっても裏表紙の内容抜粋で作画の雰囲気はおおよそつかめるけれど、万全を期すのなら出版社公式サイトの内容紹介を購入前に閲覧しておくと吉。
長いことこの人はハイティーンの制服巨乳女子を中心に描き続けてきたのだけれど、2010年代に入るころから徐々に大人キャラの登場頻度が増してきた印象。そして2015年の「COMIC夢幻転生」に連載された表題作をメインに収録のこちらでは熟女爆乳ヒロインを大々的に推してきた。一方で巻末収録の読み切り「身体測定」の方はまいどおなじみ奈塚Q弥謹製キュートなおっぱいっ娘JKを配し従来からのファンにも配慮。といっても昔からルックス的には少女でも大人でもさほど差異はなく今回も老若大差ない外見ではあるものの、巻末著者あとがきで「他作家の色っぽい女性を研究した」とあるように従来よりはたしかにトシ相応の艶っぽさが加わった感じ。あんまりにもオバさんくささを押し出すようになったらちょっと考えるけど、現状ならまだ若い娘スキーの俺でも大丈夫かなー。
能天気イチャラヴから人権蹂躙ガチレイプまでドンと来いのワイドなお話作りをする作家だが、今回は冒頭長編/巻末短編いずれも明確に後者寄り。他社仕事や薄い本ではけっこうダークなのも手がけているとはいえ、TIではおおむね和姦メインだっただけに最初は驚くのではなかろうか。なかでもタイトル・チューン「乳奴隷」の方は本作の主演女優・荏古田遙香(えこたはるか・旧姓：南)が実娘と担任教師の策略により緊縛レイプされる第1話から延々ナマで中田氏され続け、やがて授業参観からの父兄輪姦や白昼堂々の屋外露出乱交、見ず知らずの家へ派遣されショタ筆おろしからの父子ドンブリetc……とプレイ内容はどんどんエスカレート。当初はひたすら苦痛だった行為もエンドレスで調教され続けるうちすっかり順応し一丁前のメス奴隷へと転落したのち母娘ダブルでご懐妊という具合の典型的な堕ちものだ。テンプレどおりの一直線展開で物語的コクは果てしなく希薄だけれど、妙な小細工などなしに完全無欠の抜きツールに徹した姿勢にストイックな職人魂を感じる。
1話当たり30ページ以上の大容量のほとんどが濡れ場に割かれ、どこから本を開いてもひたすらファックファックファックの超実用オリエンテッドな構成。前述した行為内容のエスカレーションもさることながら、当初の貞淑な人妻としてのそれから最後には娼婦同然の淫乱ぶりを発揮するまでに至るヒロインの快楽開眼ぶりをていねいに追いかけその表情変化をヴィヴィッドに描き出すさまがたまらなく煽情的だ。えげつなく張り出した特大バストをだらしなく揺さぶり熟れた蜜壷をしとどに濡らしながら脳髄を灼くような快感に身をゆだね全身を打ち震わせて絶頂の光景を心ゆくまで堪能。
若き日の嫌悪感を引きずり当初は事務的なセックスに終始し快楽享受を拒否していたヒロインが、肌を重ねさまざまな性戯を仕込まれるうち人妻としての仮面を剥ぎ女としての本性をフルオープン。下品なほどに巨大な双丘をブリブリ揺らし下腹部のジャングルを愛液で汚しながら性器どうしのハードな摩擦運動に没頭する。しまいには多数の男根を全部の穴にねじこまれモラルを加速度的に麻痺させて自分から積極的に腰を振る始末。やがて愛してもいない男の精液を完熟まんこの奥底へ大量に叩きつけられ受胎を確実にされながらなおも貪欲にハードファックを懇願する浅ましい媚態はもはや単なるメスブタのそれだ。
全編にわたるヒロイン転落物語を頭からシッポまで味わったのち息子をハードユースしすぎてすっかり腎虚になること請け合いの1冊。個人的にはやはり子持ち奥さまよか発展途上ティーンの方が好みなので使い勝手の採点はこんな感じだけれども、人妻大好きっ漢ならばむしろ三重丸評価にしてもいいほどの強力無比な精液分泌支援装置となるに違いない。JK主体ラヴコメ→熟女ガチ凌辱という作風のマイナーチェンジがもたらすアンケートや販売実績の変動とその結果はおそらく次作以降の方向性に反映されるのだろうが、今後どのような路線を採るとしても従来どおりのストロングファック満漢全席で楽しませてもらいたいもの。