2016-03-11

本日のミア・マリア。

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-神寺千寿「むりやりおとなになる日」久保書店 ISBN:9784765930406
話◎ 抜○-△ 消小 総合○

事故で両親を失い兄妹2人でアパートに越してきた少女は住居を世話してくれた兄の親友に処女を奪われ彼の性の捌け口としてもてあそばれるが……長編全11話。壊れもののように繊細な筆致で描かれるはかなげなニンフェットがハードに犯され強引に身体を開発されて涙ながらに絶頂の痛ましくもエロティックな光景をリリカルにつづる作者ひさびさの男性向け成年コミックスだ。
この作家を知ったのはたしか今世紀に入って間もないくらいの時期で、寡作ながらも飛び抜けてキュートな作画と思春期の痛みも歓びもヴィヴィッドに描き出す極上のストーリーをたっぷり堪能させてもらったものである。しかしながら2008年8月に今回と同じ久保書店より「微熱なつまさき」を上梓したあたりから野郎用エロの界隈で目にする機会が激減し、2010年代に入ってからはまったくごぶさた。以後はおもにBL/TL方面で活動していたようでいまさらながらにググると数冊の単行本が挙がってくるのだけれど、ともあれ自分の観測範囲内からはまったく消息を絶っていたので、このたび突如として7年半以上にもわたる沈黙を破り新作がリリースされたことに驚くばかり。
明確に女性作家の手になるものとわかるきらびやかな少女漫画由来のタッチは昔の記憶そのまま。それでこれはいつ描かれた作品なのだろう……と版元提供の単行本情報を見に行くと表紙画像と簡単な紹介文しかない。しかしながら非常に浩瀚な作者サイトの発売告知記事のおかげで、松文館の雑誌「COMIC姫盗人」/「COMICみるくぷりん」に2009-11年あたりまで連載されたものと判明した。してみるとおそらく描きおろしであろう表紙イラストと中身の原稿とでは5年あまりのギャップということになるが、たしかに新旧差はハッキリしているもののクオリティは当初から高値安定でガッカリ感などは皆無ゆえ心配ご無用。神経質なほど細い線で引かれているのにちびっ娘のほっぺやお尻の柔らかな感触がダイレクトに伝わるかのような得も言われぬソフトタッチの質感が出せているのがなんといっても神寺千寿最大の美点だ。
読み切りを描かせてもたいそう上手い作家なのだが、今回は頭からシッポまで1冊まるごとの長尺もの。雑誌初出時には「204 -light of room 204-」と題され連載されたそれは、そのまま芸術映画の原作にもなりそうな愛憎渦巻く心理劇だ。長編ながら登場人物は最小限に絞られ、事実上の主役となるのは互いにぎこちなく身体を重ねる男女2人。まずはメインヒロインにして数々の受難をこうむりつつもあたかも聖女のごとくすべてを受け入れ赦してしまう純真無垢なニンフェット・由菜(ゆな)。そして彼女にひどいことした張本人であり複雑な境遇にすっかり屈折して心ならずも凌辱をくり返すイケメンゲス野郎・智也(ともや)。そこへ由菜の兄やその彼女など家族や友人たちが加わって織りなす光と闇の青春グラフィティが誌面いっぱいに展開される寸法。いにしえの少女漫画さながらに殺伐とした設定が入り乱れるさまは巻末著者あとがきに「女の子が可哀想な話を描いたことがなかったので、ひどいのを描いてみようと思った」とあるとおりの神経ヒリつく修羅場絨毯爆撃。ネタバレになりかねないので詳細については実際に購入し読んでいただきたいが、ヒロインがひたすらろくでもない目に遭うわ男の方はどんどん自分から事態を悪化させるわの昼ドラ的波瀾万丈大バーゲンに心安まるヒマもないですね。
重苦しい作劇に呼応して濡れ場の方もダーク&ストロングセックスてんこ盛り。のっけからJSレイプではじまり由菜をアパートの空き部屋へ連れこんでは幼い肢体をねぶりつくし無理やり快楽を覚えこませる智也の鬼畜の行状をエンドレスで展開だ。途中で解毒剤&おっぱい分補充的にヒロインの兄とその彼女のラヴラヴHが挿入されるものの、ベースラインはやはり由菜ちゃんガチ凌辱調教のプロセス詳細中継。いまだ生理も来ていない彼女の狭隘な膣内へ無理やり怒張をねじこみ執拗にょぅι゙ょのお大事を責めたててはたっぷり膣内射精の凄惨な光景にいきどおりつつも股間の昂ぶりは止むこと能わず。いろいろあってすっかり投げやりになった智也ときたらついには悪い人たちの群れへ由菜ちゃんを放りこみ輪姦強姦なすがままにさせるのだから(まあ結局未遂になりますが)、ほんとルサンチマンこじらせた男ってのは最低ですなあ。
赤飯前のちびっ娘ボディを強引に押し開き平坦なトルソに舌を這わせながらすべすべのスリットへいきり立つ陽物をなすりつけ無理やりインサート。羞恥と苦痛に泣き叫ぶ彼女のことなど知らぬ顔で華奢な手足を拘束しながら激しく往復運動をくり返す。幾度となく挿入と射精をくり返すうち快感を覚えこまされた幼い子宮へさらに容赦なく白濁を叩きこみ、事後グッタリと横たわる少女の膣口からコポッと体液が逆流するのを見てまたしても刹那的な欲望がムクムクとわき上がるのだ。
なにかレイプ強要荒れ果てる壮絶な光景ばかりを紹介してしまったが、背景でくり広げられた重苦しいストーリーがしんしんと降る雪のなかで再会した2人の絡みあう視線とともにフッと収束してゆくラストシーンを目の当たりにして心打ち震える。傷つけた/傷つけられた少年少女の運命の行く末についてアモルフな感情を惹起させるこの結末を読んだだけでも8年近く待った甲斐があったというものだ。事前に危惧していたよりはちんこの活用的にも役に立って、このへんはさすが少女漫画テイストといえどもガチ成年誌掲載作だけのことはある。2016年現在の標準的な濡れ場濃度からはさすがに見劣りするけれど、黄色い楕円マークを付与した意味は充分にあったと感服した次第。

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