2016-06-24

本日のウロンちゃん。

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-ZERRY藤尾「いろつき」リイド社 ISBN:9784845848614
話○ 抜○ 消小 総合○

明るく楽しくエロっちくの総天然色ほのぼの学園セックスライフ掌編オムニバス全24話。熱烈にイチャラヴるのから問答無用の乱交ワンダーランドまで、あっけらかんと牧歌的な青少年諸君の性の交歓を全編フルカラーにてお送りする作者およそ10年ぶりの新作成年単行本は再録や新装版等を除いた黄色い楕円仕様としての7thコミックスだ。
スッキリ系の絵柄で一種独特の衒学的装いをまとったポップ&コミカルなエロスを武器にこの作家が大活躍していたのが前世紀末~ゼロ年代初頭あたりのこと。そのころ集中的に生み出された作品はほとんどが後年にリプリントされるほどの傑作ぞろいであり自分もフルコンプしていた。しかしながら別名義での一般仕事が忙しくなったこともあり、エロ用PNでの前単行本「Come Together」を最後に成年マーク界からは消息を絶つ。だもんでもうこの人は商業エロから完全に足を洗ったとばかり思いこんでいたところに本作リリースの報を耳にして心底ビックリですよ。
いきなり謝罪しなければならないが、ZERRY藤尾は先の自分の認識とは異なりじつは継続的にえっちぃのも描いていたのだった。本作の初出一覧を見るといくつかの同人再録のほかは2008年から直近にかけて「マガジン・ウォー」/「comicクリベロン」など雑誌に掲載のものとなっており、俺の観測範囲外のところで着実にストックを積み重ねていたのを認識しおのれの無知ぶりを反省。ただしその形態は一般的な分量の白黒漫画ではなく、大半が6-12ページほどのフルカラーショート作品。それを減色することなくダイレクトに収録なので、束は若干薄めなのにふつうの単行本よりだいぶお高いプライス――本体価格1,600円が提示されている。いくら豪華絢爛総天然色版とはいえいささか手出しを躊躇するお値段ではあるのだが、読み進むごとにさすがとうならされたのだから(詳細は後述)ぜりたんえらい!
デビュー当初の絵柄はロットリングで引いたみたくシャープでやや固めの一般青年誌テイストという趣だったのだけど、歳月の経過とともに適度なスッキリ感をそのままにいくらか描線に柔らかみが出てきた。とくに女の子はドングリまなこに丸っこい輪郭の娘ばかりになって、凜とした美少女らしさよりガール・ネクスト・ドア系の親しみやすい雰囲気をまとうように。加えて昨今は一般/エロどちらも野趣あふれる田舎の情景をバックにして物語がつむがれることが多く、全編にわたり水彩画のごとく淡い色目が乗せられるさわやかなヴィジュアルとも相まって非常にクリーンなアトモスフィア。
このたび登場の女性陣はそれと露骨に明記しているわけではないが大半が制服着用のうえ物語中の学園生活の様子からもおそらくJK専科。前述のホンワカした作画でつむがれる彼女らのルックスは少々野暮ったくはあるのだがそれゆえにつきあっててホッとさせられる癒し系のそれ。一方で高校生にしては少々幼い感じのフェイスに首から下は一部の例外を除きボンキュッボンのむっちりした体躯が備わるのは2次元世界ならではのうれしいミスマッチ。みなさん純朴そのものの出で立ちなのにボディはセックス専用ドスケベ仕様だなんてまったく反則ですね!
目次には第1話~第24話まで通し番号が振られているが、一部にキャラ連続出演のシリーズがあるほかは収録作相互の関連性が希薄な短編オムニバスの物語構成。ほとんどが10ページもない超タイトな造りなのに、オハナシの趣向は日常ネタから特大スケールのSFまでじつに多彩だ。オーソドックスな1on1和姦から大人数乱交まで、クラスメイト同士から年の差カップルまで男女関係のありようもまたさまざまだが、合意エロの体裁を採り最後まで明るく推移するのだけは共通している。またZERRY藤尾お得意の唐突なうんちくが方々に炸裂しているのも特徴で、こうした掌編にまでその手の物知りギャグをブチ込み我々をクスッとさせつつも過剰に引きずらずすみやかに本番突入して抜きをジャマしない配慮もさすがだ。コンパクトすぎる空間をなんら苦にせず一級の軽妙な娯楽作品に仕立て上げる熟練の手腕はさすが一般兼業。
必然的にエロシーンの絶対量では通常作品にかなわないが、どのお話でも女の子がサクサク脱いでは速攻ハメてくれるので濡れ場占有率は意外に高め。ヒロイン側から積極的に股間へしゃぶりついてはお口でご奉仕ののち第1ちんこ汁搾取のうれしすぎる展開を受けてすぐさま男子諸君もルパンダイヴののちゴリゴリ彼女の内奥を責め立て内へ外へとザーメン斉射だ。日常パートの愛らしい笑顔をすっかりメスのツラへ変貌させアンアンよがり狂うおにゃのこ連中の痴態で自慰表明もはかどりまくること必至。
緑あふれる風景のなかすっかり開放的になったカップルや校内でのちょっとしたハプニングに辛抱たまらぬ男子女子がこぞって性春の雄叫びをぶちまけてはエロシーン突入だ。女の子サイドから暴れん棒をなぐさめてくれお口いっぱいに精液をぶちまけられて惚けたようなイキ顔披露。お礼にとばかりに野郎どもは濡れそぼつ蜜壷へ元気いっぱいのシャフトをブチ込み粘膜どうしのハードな摩擦運動を開始。滑らかな肉ヒダがめくれ上がるほどに突き上げられるたび表情をトロけさせ小刻みに嬌声を発するさまがなんとも煽情的だ。ストロークの間隔がいっそう縮まりいよいよ全身を打ち震わせイクイク連呼しながら昇りつめてゆくヒロインの淫乱まんこに白濁液をドプドプ流しこみフィニッシュ。
ショートストーリーばかりなのは事前に把握していたので正直実用性には期待していなかったのだけれど、思った以上に息子を活用できてうれしい誤算。膣内射精大好きっ漢の自分としてはいくつか存在する外出しエンドの作品がオール中田氏だったならと思いもするのだがまあそれくらいはささいな瑕疵。どんな形態の物語だろうと確実にZERRY節は息づいているのだなと改めて確認した次第である。どのお話も甲乙つけがたいデキだけど、複数姦よりはタイマンラヴ好きの自分としては恋人宅で3日間だけの甘くただれた擬似新婚ライフ「72」と、転校生の主人公が田舎の風習に従いクラスメイト女子と豊作祈願屋外ファックの「ごこくほうじょう」がとりわけいい感じ。

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