2016-11-09

今週の釣り屋ナガレ。

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-竹下けんじろう「Beauty Mark(2)」竹書房 ISBN:9784801956773
話○ 抜△ 消大 総合△

失われた記憶の手がかりとなる運命の女(ひと)を追い求め今日もナンパにいそしむ主人公の華麗でどこか哀しい女性遍歴は続き表題作長編6話(第7-12話、以下続刊)。マークなし。多種多様な美女/美少女の極上アクメ顔を堪能しつつ徐々に明かされてゆく壮大な物語を堪能の作者最新刊は精液分泌支援ツールとしての通算4冊めにしてこの版元からの第3弾コミックスだ。
この作家のバックグラウンドや本連載までの経緯については今年5月に上梓された1巻発売時のレヴュウでいくらか述べているので、今回は重複を避けそれらにはあまり触れない。もっともそのときには巻数表示が附加されてなく、ストーリーは続いているけどこれ以降が出るかどうかは最初の本の売れ行き次第と当時作者がtwitterで語っていた記憶がある。そしておよそ半年ぶりに出たこの新刊にナンバリングがほどこされているということは……おおめでたい! なお前巻と同様にあらずじ紹介や各通販サイトへのリンクが設置されたコミックス情報ページが用意されているので、購入前にまずはそちらの一瞥を。
そんなわけで無事続刊発行にこぎ着けたことを言祝ぎつつページを手繰る。自分の名前とある女性に関するわずかな思い出以外のすべてを失った状態で目覚めた主人公「センジュ ヨシカズ」が唯一たしかな記憶である「イったとき胸元に紅斑の現れる、口元にホクロのある女性」を探し求め、さまざまな女性に片っ端からアプローチしては彼女らの痴態を堪能するエロ漫画的ご都合設定の模範生たるシチュエイションが引き続き物語をグイグイ牽引。ときには他の男にテクを伝授したり突如現れたニセモノと対決したりますます波瀾万丈の展開だ。そして本巻途中からはセンジュに堕とされた女子のうちの1人であり年少ながらもスゴ腕の私立探偵・金田一二三(かねだひふみ)が彼のガイド役としてレギュラー参戦。さらに今回最終の第12話ではセンジュの過去にまつわる象徴的なヴィジョンがいくつも散りばめられ、記憶を取り戻す手がかりの一端をつかんだか……というところで以下続巻。
ライトエロ各誌のなかでも自主規制がもっともきつい部類である「ナマイキッ!」掲載作品ゆえ濡れ場は引き続き非常にマイルド。さらにストーリーに緊迫感が増しジリジリと確信へ近づいてきたぶんそっちへやや重心が移り抜きに援用可能なページがいくらか目減りした感が。そうはいっても竹下けんじろう謹製のとびきりキュートな女子連中が見せる絶品トロ顔はあいかわらず辛抱たまらんレヴェルの眼福ぶりで、ほおを紅潮させ瞳にハートマークを浮かべながら日常の清楚な笑顔をすっかりメスのそれへと変えよがり狂うおにゃのこの艶姿にぼくらの股間もすっかり元気印。
年下彼氏とラヴラヴのJD/敏腕美少女探偵/かつて堕とした人妻/北欧某国の王女と侍女/怪しいおっぱい占い師etc、さまざまなタイプの女がとびきりの肢体をベッドに横たえ執拗な愛撫に身もだえ。くまなく全身をまさぐられすっかり濡れそぼった蜜壷へたぎる怒張をねじこまれて突きつける快感にハートマークを四方八方へばらまきながらイキ狂う彼女らの痴態がたまらない。しかし彼女らを絶頂へ導いても記憶を取り戻すよすがの紅斑は現れず、主人公は再びあてどなくファム・ファタールの姿を求め街を彷徨するのであった……。
物語パートにえらくリキが入ってきたぶん相対的に抜きへの比重が軽くなったように感じこの総合評価だけど(作者さままことにすいません)、1巻からキャリーオーヴァーの設定に少しずつ肉付けをほどこし謎の解明に向け新たな進展を見せてますます今後が楽しみな連載作品。ただ3巻刊行のためにはまたしても一定程度のセールスが要求されるとのことでえらく世知辛い話ではある。できれば作者にはお話をつむぐのに専念してもらってそれ以外の事象へ神経をわずらわすことのないよう周囲は配慮してほしいけども、一読者の立場ではいかんともしがたくこうしてただレヴュるくらいでしか貢献できぬもどかしさよ。ともあれ2巻登場の女性陣のなかでは、ラストでいかにもうさんくさい出で立ちで現れつつもナイスな肢体をフル活用しストーリー上重要な役目をしっかりと果たした「飯田橋の父」こと占い師のセンさんが私的イチオシ。

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