-しおこんぶ「Fanaticism」文苑堂 ISBN:9784861172649
話○ 抜◎-○ 消小 総合○
とある伯爵家にメイドとして奉公をはじめた純真な少女はやがて館にうず巻く愛憎の惨禍に翻弄されその身を狂気にゆだねてゆき……表題作長編4話+独立短編2本。貴族文化がその最後の栄華を誇った時代を舞台に社会規範の枷を超え情欲の深淵へと堕ちてゆく救いがたき衆生のありさまを疾風怒濤ストロングファックてんこ盛りでお送りする作者最新刊は通算2冊めのコミックスだ。
誕生間もない「コミックバベル」からすぐさま創設された単行本レーベルからの刊行第1弾が、並み居るヴェテラン作家を差し置いて当時1冊たりとも著作を上梓していなかったこの人のデビュー作「恋まぐわい」であったことは特筆してよい。その衝撃ののちもバベルの確固たる屋台骨の1人として執筆を続け、およそ2年ぶりとなるこの新刊リリースにこぎ着けた。なお作者みずから用意の単行本特設ページにてまるごと1話試し読みや各ショップ購入特典の紹介がなされているので、あわてて本屋へ出向く前に要チェック。
1冊め同様にエンボス加工のやたらと凝った表紙ではなにやら濁った液汁まみれの美少女2名があられもなくビッグバストをまろび出し。のっけから訴求力高すぎるカヴァーイラストの印象は中身のモノクロ原稿でも続き、売れ線まっしぐらのキュートかつ高密度な作画はひたすらエレガント。すべて直近2年以内の原稿ゆえクオリティも高値安定だ。前作発売時も言及したけど、この才能がまだ一般誌へ青田買いされてないのが不思議なくらい。
この滑らかな筆致から生み出されるヒロイン連中は推定10代後半近辺をヴォリュームゾーンに上方向をわずかにプラスといったところ。みなさん愛らしいフェイスなのに首から下はえらく盛りのよろしい、まさに男子のザーメンをしぼり取るのに特化したボディデザインだ。しおこんぶ特有の繊細なトーンワークで彩られるツヤツヤの肢体はなんとも煽情的で、平常時でもなにやら妖しい色気を秘めた彼女らの表情とともにこれからはじまる行為への期待をいやがうえにもせき立てる。
和風テイストで基本ラヴラヴ寄りだった前作と比べ、今回もっとも趣が異なるのが作劇面。冒頭長編/巻末読み切り2本のいずれもおそらくはヴィクトリア朝~第一次大戦期イギリスを想定した舞台設定のなか、明確にダーク指向の重苦しいストーリーがくり広げられる。とりわけタイトル・チューン「Fanaticism」はその意味するとおりの狂気に満ちた物語で、純真な少女はやがて肉欲のとりことなり穏和な青年は内なる凶暴性を開花させて浅ましき本能をむき出しにするのだ。導入部の牧歌的な雰囲気は中途からどす黒い悪意に彩られてゆき、登場人物みな狂騒に取りつかれケダモノと化す最終話に向け転落の道一直線。短編の方も結末こそ穏健なものの、やはり途中まではえらく剣呑な空気がただよいなんとも心落ち着かない。
1本あたり30~40ページ以上にもわたる大容量を利してエロシーンは質量ともおそろしく充実。タイマンラヴおよび百合混じりの短編2本もすごいが、なんといっても表題作における圧倒的なまでの女体乱舞が印象的だ。この手の主従ものにしてはめずらしくハーレムの形態ではないのだが(冒頭ではヒロインの妄想シーンで一瞬それと錯覚させられる)、女の子の人数を絞ったぶんファックの密度はむしろ高まりグッド。ラヴラヴセックスから拘束首締め変態エロスまで多彩な情交を緻密な作画で大量投下だ。また中盤以降はメインヒロインが屋敷で共有の精液便所化しところ構わず犯されまくるのに対し、サブの娘がちゃっかりご主人さまと独占Hという2人の対照的な運命をそれぞれの交合シーンをシンクロさせながら読者に提示してみせる。
命じられるまま衣服をはだけむっちりボディをあらわにしてご奉仕にいそしむ彼女を乱暴に押さえつけ、すでに準備万端の濡れた蜜壷へ強引に暴れん棒をインサート。テラテラ光る粘膜がめくれ上がるほどに激しくシャフトを往復させ、敏感な部分を突き上げられるたび彼女はほおを紅潮させ瞳をうるませながら恥も外聞もなくハートマークをまき散らす。ガッチリとだいしゅきホールドをキメながら下品なアヘ顔さらけ出ししきりに膣内射精を懇願するヒロインの願いどおり、白くねばつく液体を子袋の許容量いっぱいに幾度となくぶちまけフィニッシュだ。
ほんのりダークサイドも見せていたものの基本的には甘口仕立てだった前作からドップリ本格的に暗黒面を披露し刹那的なファックに没頭するヒロインのドスケベすぎる痴態を全面フィーチャーして抜きツールとしての戦闘力はさらにアップ。一部あるレズシーンでは息子が萎縮したので本稿での実用性評価は妙なことになっているが、女の子同士Hはむしろご褒美な諸兄であれば無問題かと。そんなわけで表題作の壮絶なまでの情欲曼荼羅に心身とも圧倒され、さらには薬物中毒になってしまった爆乳幼なじみっ娘を主人公のちんこパワーで正気へ取り戻す巻末短編「mitigation」で包皮も灼き切れんばかりに愚息を使役。
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