-まひるの影郎「淫落する女たち」海王社 ISBN:9784796409926
話○ 抜○ 消小 総合○
青い果実たちの稚拙ながらも真摯な愛ありフェロモンダダ漏れ完熟レディースのド派手な痴態あり短編全6本。スカッと爽快犯るだけ漫画から登場人物たちの切実な想いが交叉するする叙情派エロまでヴァラエティ豊かに収録の作者最新単行本は通算5冊めのコミックスにして本レーベルからの初見参だ。
この作家を最初に見たのは10年ほど前の旧「コミックメガストア」だったと思うが、わりと短いサイクルで作風をマイナーチェンジして単行本の印象もその都度変化していたのを覚えている。エンジェル出版へ主戦場を移したのち熟女主体にスタイルを変えて2013年に上梓された前単行本「淫縛の若妻」以来しばらく消息を聞かなかったのだけど、今回ふと書店で見かけ思わずなつかしくて購入した次第。なお版元公式サイト内の新刊情報から通販ショップ等へのリンクがたどれるので、本屋へ行くのがめんどくさい方はそちらを参照のこと。
表紙/裏表紙やタイトルだけを見ると前作の延長線上にある熟女系と思いこむところで、昨今すっかりアダルトさんで抜けなくなった自分もはじめはスルーするつもりだった。しかしながら中身をめくってみたら今回なかなかティーン含有率が高いじゃないか! ということで即レジへ。いまとなっては古典的な一般青年誌系のタッチではあるけれど筆致は安定しており、全編通じてクオリティは安定なのでジャケ買いも安心――と言いたいところだが、サンプル閲覧が不可能な環境だと一部の購買層を振り落としかねないので、若い娘もちゃんとカヴァーに登場させてほしかったなあ。
収録作は前半/後半できれいにグラマラス女子もの/スレンダー少女ネタに別れ、年齢層もそのまま2パート構成となる。おっぱいパートでは大人中心でいちおうJKもいるのだが肢体描写も顔立ちもアダルト寄りでティーン感は薄い。一方うしろの方はおそらくミドルティーン固定でおっぱいもひかえめ、ロリとまでは言わずとも華奢でちんまい体躯の少女たちがいかにも庇護欲を刺戟される。
この2分割された領域ではストーリーの趣向までもがおのおの異なっていて、前半は人妻スワップ/義母緊縛/淫乱生徒会長大活躍/ルナ先生的カテキョエロと定番フォーマットにのっとった快楽至上主義短編群、後半は風光明媚な田舎を舞台に禁じられた兄妹ラヴだの少年少女の甘くせつない分校エロだのセンティメンタルな恋愛模様と対照的な色合い。これについては作者サイトのお仕事履歴を参照するに前の4本がエンクラ掲載分の落ち穂拾い、後半2本は同人誌初出作品を収録のようで、その極端にも見えるテイストの差異にも納得。自分はうしろの同人作品の一部を読んでいたのでそれも本作購入に踏み切った理由なのだけど、分冊でリリースされていたものが本作ではシームレスに接続されていて短編といえども実質的には長編相当の大河ドラマをくり広げているのだ。
濡れ場についてもそうした出自の違いを反映して、濃密きわまりない肉体言語の応酬となる商業誌掲載作たちと、それに比べれば分量は見劣りしないながらもエロスの表出では一歩退いた同人初出作品との雰囲気の差が生じている。ちちしりまんこ等のエロパーツを前面に押し出し液汁まみれでそれらをハードに使役するストロングファックを楽しんだのち、プレーンな筆致で思春期男子女子が覚えたての快感に没頭する光景を堪能するというひと粒で2度美味しい構成にぼくらの股間も大喜び。
身体だけの関係も運命の2人も褥に横たわり生まれたままの姿になればやることは一緒。いきり立つ怒張を熱い蜜壷へあてがい一気に奥まで貫けば女子どもたちまち瞳をうるませほおを紅潮させて甘い吐息をもらしはじめる。汗ばむ体躯を密着させながら粘膜どうしハードに摩擦し合うたび全身をのけぞらせされている行為の一部始終を実況するさまがなんとも淫猥だ。はしたなくイクイク連呼しギュッと内奥を締めつけてくる彼女の積極攻勢に辛抱たまらず熱い奔流をぶちまけフィニッシュ。
いっときまったく見失っていた作家とこのような形で再会できたことがまことにうれしく、また同人で大いに感銘を受けた作品を改めて完全な形で再読できるのも格別なこと。表紙がことさらに熟女偏向なせいであやうく購入を見送るとこだったけどちゃんと見本確認できてよかった。最近は電子書籍を中心に活動しおもにキャリア初期のようなティーン女子ものを執筆しているようなので、JC/JKてんこ盛りの次回作を出していただけると重畳きわまりない。そんなわけで私的ベストはむろん後半部収録の2作、進学で都会へ出た兄が島に残る妹と帰省を機に堰を切ったように互いを求め……の「お兄ちゃん寂しいの」と、転地療養で小さな村の分校にやって来た主人公が3人の少女たちとそれぞれ孤独を癒し合う「青い蕾たち」でもってすっかり精巣の残機ゼロ。
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