2017-05-19

今週の帝都電鉄。

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-奈塚Q弥「中出しルーティン」エンジェル出版 ISBN:9784873067605
話△ 抜○ 消小 総合○

小さな温泉旅館を切り盛りする母娘それぞれが下衆な欲望の餌食となり前後編+寒村に残る忌まわしき風習の生贄として肉体をむさぼられるヒロインたち連作2本+独立短編5本。無邪気なJKも貞淑な人妻もこぞって豊満な肢体を押し開かれ淫蕩なメスの本性を無理やり引き出されては刹那的なセックスに没頭する容赦なき情欲曼荼羅を怒濤のごとく展開する作者最新刊は通算16冊めにして当社発の第7弾コミックスだ。
これまで大ブレイクというほどにバカ売れしたことこそないものの、持ち前の原稿量産力と的確なニーズ把握力とを武器にほぼ毎年複数の単行本をリリースしキッチリと数字も出す業界きってのワークホース。巻末著者あとがきによると今年ついにデビューから20周年とのことでまずはめでたい。自分はいつもデフォ買いというわけではなくたまに見送ることもあるので、昨年末にティーアイネットより上梓された前単行本「住人全員妊娠希望!? 女子寮管理人」は申しわけなくもスルーしており、当ブログで評価の俎上に載せるのは同じTIより2016年2月に刊行の前々作「乳奴隷」以来。またエンジェル出版作品としては2015年秋に出た「全身寝取り快楽」からおよそ1年半ぶりのお目見え。
その長大なキャリアが物語るとおり間違っても最新型とは言えないオーセンティックなアニメ/ゲーム系の絵柄はしかしながら妙な安心感もあったり。また時流と無縁というわけではなく適宜そのとき流行りのトレンドを取り入れたりして陳腐化を防ぐ配慮はさすがヴェテラン。収録作の初出を見ると2015-17年にかけ「エンジェル倶楽部」掲載の直近原稿ばかりゆえクオリティは折り紙つきなものの、おそらくは外注の表紙イラスト彩色の印象とはいささかギャップがあるかも。したがって奈塚Q弥初挑戦の方は版元公式web内のコミックス情報において内容の一部が立ち読みできるので、まずはそちらを確認したのち購入するか否かを判断しよう。
今回ぼくらの股間を慰安してくれるヒロイン連中は年のころハイティーンから子持ちママンまでなかなかにワイドレンジ。もっとも女子高生だってお顔や体躯はもはや大人のそれだし、逆に熟女さんもあどけないフェイスにハリのあるボディと設定年齢はあまり反映されていない様子。だからこそアダルト女子苦手の自分でも奈塚Q弥謹製の奥さまやママンが受容可能なのだけど。基本的に顔の造形は1種類ながら髪型や着衣の違いに細かく気を配りパッと見のヴァリエイションを確保するプロのお仕事だ。
ストーリーラインはTIでよくやるようなお気楽ハーレムとは一線を画し、エンクラの誌面に合わせたダーク含みの凌辱堕ちもの系が主体となる。同級生を酔わせて輪姦、幼稚園の保護者限定で乱交ツアーを開催、母娘それぞれ別の男に快楽堕ちさせられ、エンコーで荒稼ぎのJKにお仕置きファック、若い娘を田舎町の住人総出でレイプ孕ませ……と人の道から外れた鬼畜の行状目白押しだ。どの話もベッタベタの王道暗黒エロで物語的旨みは希薄なものの、そのぶん脳みそのリソースをムダ遣いせずお約束パターンを美味しくいただきながら気持ちよく自慰表明にひたれる仕掛け。
1作品あたりほぼ20ページ固定の少々タイトな容量ながら、物語パートをテンプレ進行としコンパクトに押しこめたことで濡れ場にはたっぷりスペースを確保。おおむね夫や恋人以外の野郎どもにボディを蹂躙される強要セックス一本やりとはいえ比較的早く女子連中がちんこパワーに屈し肉欲のとりことなるので良くも悪くもそれほど悲壮感がないのが特徴といえようか。またオハナシの都合上大勢の男に各話ヒロインが慰みものにされる展開が多いので、二本差し/三本差しプレイを希求する向きにはより好適。加えて愛してもいない男に容赦なく子宮の奥まで妊娠確定の特濃孕ませ汁を仕込まれるシチュが圧倒的多数ゆえ、女たちのいちばん大切なものを奪い取り我がものとする征服願望を十全に満たしてくれることだろう。
逃げ道をふさがれ連絡手段を絶たれて孤立した空間にひとり留め置かれた彼女たちはやがて闖入者たちの手で乱暴に肢体をかき抱かれ四肢の自由を奪われながらなすすべなく蜜壷へ屹立する怒張の侵入を許すのみ。一方的に腰を押しつけられビッグバストを揉みしだかれながら次々に男根をねじこまれいろんな穴をそれらでふさがれて全身汗とよだれと愛液まみれ。執拗にストロークをくり返され幾度となく精を放たれるうちヒロインの苦痛と絶望に彩られた表情はいつしか諦念に満ちたそれへと変化してゆく。やがてすべての救済を断念し目の前の快楽にのみ身をゆだねて女たちは1匹のメスへと戻り、またしてもザーメンの奔流を大量に注ぎこまれてはケダモノのごとく咆吼するのだ。
現在主戦場とする2つの出版社それぞれの要請に応えライト/ダーク対照的なコントラストを見せるこの作家の、今回はほの暗い部分が色濃く浮き彫りにされた作品。ただヒロインを徹底的に追い詰めることはせず彼女らは基本快楽堕ちするので読後感はそんなに悪くなく、ひたすら肉欲におぼれあられもない姿をさらす女子連中の痴態を楽しむという合目的的なツールとして比較的広い層にアピールするはず。あと作品評価とは直接関係ないけど、どこかの作品で見たような娘がいたり露骨に私鉄沿線なネーミングだったりするのも奈塚Q弥ならではの味わいとして古くからのファンとしては楽しく読んだ。このたび収録の物語たちのなかでは、集団レイプものとはいえわりかしコミカルな展開の水泳部長女子酔姦連続中田氏「あせだくっ!! 水泳部」と、こっちは清楚なヒロインが問答無用監禁輪姦種つけ三昧の「因習・蔵」の女子高生ネタ2本がマイフェイヴァリット。

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