-ばーるん「ぐらすとっぷ!」ヒット出版社 ISBN:9784894657236
話○-△ 抜○ 消小 総合○
ベタ甘ラヴからえげつない結末まで多種多様な性愛模様を御披露目短編7本+前作収録短編前日譚&同一ヒロイン主演前単行本販促ショート漫画。ド迫力ボディを駆使しちんこパワーにおぼれてはダイナミックにイキまくりのドスケベ女子メガ盛り状態でお送りする作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。
昭和期より活躍の大ヴェテランから新進気鋭の駆け出し作家まで非常に多彩なキャリアの執筆陣がそろう「COMIC阿呍」にあっては若輩の部類だと思っていたこの人も、ドロップアウトもせず順調に掲載を続け着実に経験を積み重ねるうち矢継ぎ早の単行本リリースとなってもはや立派な中堅どころ。前単行本「メガネの処方箋」刊行からおよそ1年半を経てこの新作リリースだ。じつはこの本、既刊2冊と比べて重大な相違点があるのだけれど、それについてはおいおいご説明を。
古くさすぎず先鋭的すぎずの端整な絵柄がデビュー当初からの特徴で、それはこの最新刊でも基本的には変わらない。エロ漫画というよりはむしろ一般青年誌っぽい雰囲気のヴィジュアルだけど、むろん昨今異様なまでに作画の高密度化が進んだこの業界にあっても充分伍していける情報量を備えている。収録作の初出を見ると2015-17年にかけての阿呍掲載分とのことで、直近執筆のものばかりゆえクオリティも安定だ。例によって出版社提供の新刊情報ページでサンプル画像がおがめるので、ばーるんに関する予備知識ゼロの方でもそちらをチェックしておけば万全。
このたび登場の女性陣はおおむね10代後半からアラサー近辺のグラマラス系と従来同様のパターンながら、人類換算でミドルティーン相当のツノっ娘なんて新機軸を投入してきた。しかしながら既刊からの読者がなにより驚くのは、なんと今回は非眼鏡っ娘が全体の半数もいること。ばーるん=メガネ女子という強固なイメージがこれまでは完璧に貫かれ、ごくわずかの裸眼さんでさえ物語のどこかでスチャッと装着してきたというのに気でも狂ったか!?――と自分も雑誌で最初に眼鏡なしヒロインの話を読んだときに思いました(作者さますいません)。これについてはカヴァー下全部を使って著者みずから解説しているのでみなさま自身でその真相を確認すべし。
一方で物語の方はこれまでどおり学生カップルだの教師×教え子だのお隣さんどうしだののオーソドックスなラヴコメ基調……と言いたいところだが、こちらも明確にバッドエンドのお話を混ぜたりヒロインの相方に女装男子を投入したりとこれまでの枠に収まらないところを見せている。もちろんバカップルどうしのコミカルなイチャラヴが依然多数派で読後感にそれほど変化はないにしても、こうしたチャレンジは漫画家としてもう一段ステップを上るための意欲的な取り組みとして高く評価したい。また以前は科白まわしが迂遠でお話運びも少々錯綜して感じられ、とくに長編だとそのへんが目立っていたのだけど、この新刊はオール読みきりで弱点が露呈しづらくなったのもプラス要素。
わずかな例外を除き1作品あたり20数ページ以上の充分なヴォリュームが確保され、濡れ場占有率も業界水準を上回っており股間の活用には最大限の配慮がなされている。主流派のビッグバスト女子は当然のこと、一部の並乳さんですらガッシリした恵体ぶりを誇るだけに、そのゴージャスボディが画面狭しと舞い踊り大量の液汁をまき散らしながらストロングファックにいそしむさまは壮観。とりわけ扇情的なトーンワークに彩られたリアル寄りのちんこまんこが派手に干戈を交え粘膜どうしねっとり絡みあう光景が読み手の勃起中枢をダイレクトドライヴ。派手派手しいエフェクトをバックに従えながら最後ドプドプ精液注がれ絶頂するエロメスどもの艶姿にぼくらの自慰表明もはかどりまくりだ。
行きずりの関係もすっかりできあがったカップルもいざ2人向かい合えばただちに実戦モード。女子たちムチツヤの肢体を景気よく押し広げてはたわわな乳房を愛撫されるがままにして早くも甘い吐息をもらしはじめる。弾力豊かなお肉の感触を楽しみながら徐々に指や舌先を下へ下へと這わせてゆけばそこはもう準備万端。すっかり待ちこがれ自分から腰を振って挿入をおねだりの彼女らのご要望にお応えし屹立した怒張をいきなりハードに抽送だ。ガツガツ奥を突き上げるたびお胸をブルンブルン揺らし日本語にならない咆吼を発しながらイキ狂うヒロインズの痴態にいっそう興奮。四方八方へハートマークをまき散らしながらしきりに膣内射精を懇願するドスケベ女子の子袋いっぱいに白くねばつく熱い飛沫を叩きつけフィニッシュ。
巨乳メガネっ娘連中との甘く激しいセックス絨毯爆撃という従来の芸風からあえて一歩踏み出し、裸眼ヒロインを続々登場させたり物語にひとひねり入れたりと作家としての引き出しが明らかに広がった成長の1冊。ギャグで流しつつもメガネ専科を貫けなかったことには忸怩たる思いもあるようではあるのだけど、この先もエロ漫画家として食っていくのならいずれ必要となる通過儀礼だと思うので、そこに躊躇せず歩みを進めた勇気をまずは称賛したい。選択肢としてはいっそうヴァラエティを豊かにするもよし、逆に初志貫徹で眼鏡っ娘オンリーに戻るもよし、この経験が糧となっていかようにも展開できるだろう。このたび収録の作品中では、人外ヒロイン+バッドエンドの異色作である以上になにより褐色ツノ少女のキュートなイキっぷりがマイちんこ直撃な「や○しい旦那さま」と、こちらは非メガネっ娘であること以外は典型的なばーるん印のウェルメイドなおバカラヴコメ「オモイコミ女×ナガサレ男」が私的最愛物件。
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