-ハッチ「ロリピズム」ヒット出版社 ISBN:9784894657328
話◎-○ 抜○ 消小 総合○
級友たちとの旅の宿は男女ともあけすけな性体験話に終始して本編/裏幕&別視点エピソード+親に反発し家出した兄妹は意に沿わぬ選択を迫られて正続編+性の快楽に魅入られた少女たちはより強烈な昂揚を求め前後編+独立短編1本。麻薬的な肉欲の坩堝へと引きこまれ情動のおもむくままアモラルな行為に没頭する男女の色情曼荼羅を余すところなくお届けの作者最新刊は通算16冊めにして再録等を除いての第15弾コミックスだ。
よじくれた性のありようをときとして露悪的なまでにえぐり出す独特の作風は決して万人受けとは言えないものの、逆に唯一無二の個性として固定ファンをガッチリ確保。それゆえにもう10年以上安定して単行本が刊行され続けているのだろう。いつもながら発刊ペースもおそろしく速く、前単行本「ロリ画像」のリリースからわずか8ヵ月、2017年に入って2度めのお目見え。
今回も外注塗り師の彩色によるコッテリした印象のフルカラー表紙と、シャープな描線でつむがれる徹底的に乾いた雰囲気のただよう中身の白黒原稿とのギャップがクッキリきわ立つ。個人的にはこの強烈な差異にすっかり慣れてしまいむしろ落差を楽しみにさえしているのだけど、ハッチ初体験の方は事前に店頭見本を吟味するか出版社公式サイト内の新刊情報ページでサンプル画像を見ておくのが吉。
コミックス表題が示唆するように、抜きキャラとして君臨するのはもっぱらロウ~ミドルティーンの発展途上少女連中。昔は巨乳ものもよく描いていたしいまでもサブのおっぱいさんがスポット参戦くらいはするのだが、掲載誌である「COMIC阿呍」ではロリ担当で役割が固定されているようで近年はあくまで主食はちびっ娘。この人特有の硬質なタッチは少女たちの育ちきらない肢体や未成熟な性器に妙なリアル感を与えるのに成功しており、我々読者にもよりイケナイコトをしているのだという錯覚と興奮をもたらしてくれる。
クセのありまくりなヴィジュアルと同様、くり広げられる物語の方もはなはだ個性的。和姦/強姦の安直なくくりを許さない複雑な味わいのお話を滔々とつむぎ、読み手の心にザクザク爪を立ててゆくストーリーテリングは他に類例の思いつかないもの。後味の悪いレイプや殺伐とした強要エロスはむろんのこと、あっけらかんとした乱交や普遍的なイチャラヴのくくりにある作品でさえなにやら不穏なアトモスフィアがただよいモヤモヤした読後感が残るのだ。また男女両サイドとも作為なく不実を行い犯罪そのものの行状を躊躇なく実践するサイコパス的なキャラクターをドカドカ投入してくるのが特徴的で、このあたりハッチという作家の人間全般に対するシニカルな視線が反映されているのだなあと思う。加えて今回は続きものであることを活かし1本めとそれ以降とのセットで読むことではじめて物語の全容が明らかになるユニット構成のお話が多く配置されており、最初のエピソードを適当に流し読みしていたのが途中で思わぬ仕掛けに気づきハッとさせられることしばしば。
むろんエロ漫画であるからには濡れ場の充実こそが本分であり、その点で1本あたり20数ページ平均の容量の大半をコッテリ濃厚なファックに費やす今回の収録作たちは文句なしに合格。第二次性徴もはじまらぬ華奢な体躯を無理やり快楽で塗りつぶしてゆくほの暗い愉悦にひたりつつヒロインたちをちんこパワーで堕とし離れられなくしてゆくのだ。幼い子宮へ幾度となく射精されるうち女の子側からさらなるエクスタシーを求め濃密な交合へ没頭するに至るプロセスをじっくりねっとり展開し、まぐわう最中の忘我にとろけた表情を萌え寄りでなくむしろ現実世界であるような一種滑稽なまでの変顔で容赦なく活写する。
合意プレイでも強いられた情交でも、いざ屹立した怒張のもたらす快感を知れば少女たちはたちまち新たな感触のとりこ。年相応のフラットな体躯を執拗に振り散らかしながらその歳でまだしちゃいけないオンナのイキ顔を見せつけサルのごとく覚えたてのセックスに熱中する。くり返し刻まれるストロークに秘部をしとどに濡らし滑らかなスリットを男性器の形に拡張されては2度3度4度と射精され、いつしか一人前のメスビッチとして本能を開花させてゆくのだ。
人間のダークサイドを存分に見せつけながらの刹那的なファックを執拗に読者の脳裡へ叩きこむまいどおなじみの芸風を堪能しつつそこかしこへ埋めこまれた伏線が後半鮮やかに立ち上がるお話運びの妙に酔いしれる1冊。この人の描くビッグバスト女子も大好物な自分としては昨今のちびっ娘縛りを若干もったいなく思うものの、いつもどおり不思議な味わいのガチロリ物件として鉄板のできばえ。今回はストーリーパートに秀逸なのが多くて、なかでも作中人物たちのセックス語りのその裏側を暴露&思わぬキャラの真相まで見せつけちゃう「修学旅行の夜」/「裏修学旅行の夜」/「修学旅行の前」連作が私的イチオシ。
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