2017-10-29

今宵の吟遊詩人。

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-浦井民「淫行をさせる行為」茜新社 ISBN:9784863496668
話◎-○ 抜○ 消小 総合○

ヤミ金屋見習いの主人公は債権回収代わりに借金家庭のJS/JC姉妹をゴチになりつつも事後意外な展開に……前中後編+独立短編8本。曰くありげだったりどこか道を踏み外してたり奇妙な行状の少女たちと紆余曲折のすえコトにおよび幼い肢体に中田氏三昧の光景をままならぬ人生行路とともに描き出す作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。ちなみに信頼と実績のLOレーベル発ゆえか当初からアマゾン八分を食らっているので、書肆データのリンクはまんが王のサイトへ。
すでに10年近くのキャリアを誇り業界基準では立派なヴェテラン作家ではあるけれど、創作ペースが緩慢でなかなか単行本に必要な原稿が貯まらないものだからこれまでに上梓したコミックスはわずか2冊。それでもコツコツと「COMIC LO」誌上で新作を発表しどうにかストックを蓄積して前単行本「しょおにょ」刊行から3年半の歳月を経て待望の新刊リリースにこぎ着けまずは善哉。なお購入にあたっては版元公式サイト内のコミックス情報ページを先に参照しておくと、収録作品一覧とそれらの大まかな内容傾向が明記されており非常に重宝だ。
やや細めの線でつむがれる繊細かつキュートな絵柄は2017年のいまとなっては決して目新しい部類ではないものの、他に類例のないオリジンなヴィジュアルは現在でもLO誌面で圧倒的な存在感を誇る。もっともタッチの変遷は新旧でけっこう大きく、残念ながら初出明記はないがおそらく時系列と逆順で収録の作品たちは頭とシッポとで顔立ちや画面処理など明確に異なっているので、可能ならば書店店頭で内容サンプルを確認するのが望ましい。
この端整な筆致から生み出される女性陣は掲載誌の傾向どおりのロリっ娘たち……と言いたいところだが、正真正銘のガチペドよりはもう少しお歳を召した高学年JSやJCが主体となる。それに付随してそこそこお胸の発達した女子も若干名登場するので、胸部がフルフラットじゃ許せない病の方向きではないかも。あと正統派のアリスたちよりは三白眼だったりボーイッシュだったり比較的クセのあるルックスのヒロインが多くて、一風変わったタイプのロリ漫画が読みたい方には好適。
多彩な容姿にふさわしく性格も多種多様な彼女らがくり広げる物語はやはりどこかオフビートな独特のノリで、それがまた浦井民漫画最大のセールスポイントでもある。一部に凌辱系のエグいお話を含みつつも基本的にはオーソドックスな1on1もしくは♂1×♀2の合意エロが中心となるが、その愛のありようはじつにさまざま。とりわけうしろの方に載っている古めの作品では男性主人公またはヒロインの細やかな思惟の流れが延々モノローグでつむがれるのをはじめとした異様なまでに科白量の多い作劇スタイルで、社会の闇をえぐり出したり登場人物たちの特異なメンタリティをあらわにしたりとこの種の作品ではあまり踏みこまない部分までも緻密に描写する。これが直近のものだとだいぶ独自性が薄れエキセントリックなキャラメイク以外は一般的なエロ漫画に近い雰囲気となっていて受容しやすくはなっているけれど、それでも総体としてはストーリーが幾重にも迂回するようなまわりくどいお話運びであり、このポリフォニックな語り口に脳髄を圧倒されるのがこの人の漫画を読むうえでの一種の快感でもあるのだ。
続きもの以外は1本あたり20ページ程度とそう多くない分量ながら、ちんまいボディを精いっぱい活用し少女がまだしちゃいけないメスの貌をさらけ出しながらのガチハメ三昧はなかなかに扇情的。ノーマルな交合のみならず後ろの穴も積極的に使い、執拗に肢体の各部をいじくり倒したりおしっこさせたりとフェティッシュなプレイも頻出させてフィニッシュへ向け一直線だ。この点では執筆の新しい作品群においていっそうのパワーアップがはかられており、元来豊かな女の子の表情変化にいっそう拍車がかかったイキ顔百面相やらハート目絶頂やら流行りのエロ演出を導入して対股間破壊力も大幅に増強。
のっけから犯る気満々の痴女も一歩を踏み出すまで躊躇しまくりの超オクテっ娘も、いざ怒張を前にすれば等しく発情モード。華奢な四肢をあっけなくつかまれ軽々と持ち上げられながらされるがままに全身を愛撫されてすっかりトロけ顔。前人未踏のスリットを白昼堂々さらけ出し大人ちんこをゴリゴリねじこまれて激しく内奥を突き上げられては都度腰をビクつかせ両足を震わせながら未曾有の快感に没頭するさまは早くも一人前のメスのごとしだ。行為の締めくくりは四方八方へエロワードをばらまき昇りつめてゆく彼女の未成熟まんこの最深部めがけたっぷりと特濃ザーメンの奔流をプレゼント。
おそろしく濃密な物語を織りなしながら凡庸な市民社会の枠からはみ出すキャラクターばかりがハチャメチャな言動を見せつつも奇妙に静謐な形でお話が締めくくられる唯一無二の浦井民ワールドをしばらくぶりに堪能しご満悦。個人的にはやけにロリ巨乳率が高まったのもうれしく実用性評価もアップだ。抜きツールとしては作劇も人物造形も過剰すぎ夾雑物が多すぎるのはたしかだけれど、だからこそ性器どうしのタイマン勝負のみに飽き足らないいっぱしのエロ漫画読みを自負する方ならば浦井民作品のWunderbarな世界観をいちどは体験しておくべし。直近の作品群を見るに以前ほど趣味全開には走れない情勢ではあるようなのだが、可能な範囲で彼ならではの奇天烈な部分を残し続けてもらいたいもの。今回収録の物件中では、唯一の連作であり借金取りに訪れた主人公が遭遇する特異な状況とそのジェットコースター的な運命の変転を姉妹2人との濃密なファックで彩りながら描ききる「Happy Go Lucky」がお話的に、幼なじみカップルの迂遠ながらも真摯な愛情のやりとりがJCヒロインのたわわな巨乳とともに印象的な「Sweet Lovin'」が抜き的にそれぞれ最愛。

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