-あしもと☆よいか「学園の長い午後」ジーオーティー ISBN:9784814800780
話○ 抜○ 消小 総合○
多士済々の人材を生み出してきた名門校の看板のもとでくり広げられる生徒たちの破廉恥な行状表題作シリーズ6本(うち前後編2本)+前単行本収録ショートカラー第2弾+独立短編3本。純真な少女たちの夢と希望が悪意をもって踏みにじられ逃れられない情欲の隘路へ転落してゆく酸鼻きわまりない情景をゲップが出るまで過剰摂取の作者最新刊は成年マークつき物件としての通算6冊めにしてこの版元からの2ndコミックスだ。
デビュー以来さまざまな出版社を股にかけ地味ながらも着実にお仕事の幅を広げるうちすっかり中堅どころの貫禄。当ブログでは評価対象外ながら去年は一般でも1冊上梓したりして前途は洋々だ。むろん成年向けでの執筆ペースも順調で、同じ版元から一昨年リリースの前単行本「歌おう、淫堕するほどの悦びを」からさほどインターヴァルを空けることなく再度お目見え。
今回も既刊同様露骨に巨匠オマージュの表題でのっけからツカミはOK(もちろん元ネタはブライアン・W・オールディスの超有名SFですな)。ド迫力おっぱいまろび出して敏感な部分を責めたてられている最中のドエロい制服女子がお出ましでぼくらの股間も大喜びだ。ややオーセンティックながら端整な一般青年誌系のタッチはなかなかに訴求力が高いもの。初出を確認するとすべて前作刊行後のアンスリウム掲載分と最新原稿ばかりゆえクオリティも折り紙つき。という報告が信用できないという方は出版社提供の単行本紹介ページからサンプル画像が参照できるのでまずそちらのチェックを。
今回は冒頭連作が学園ものということもありヒロインの年齢層はJK中心に上方向を数名プラスといったところ。お歳を問わず基本的にキュートフェイス&ビッグバストというエロ漫画購買層の最大公約数的受容にマッチした造形だ。とはいえ巨乳一辺倒というわけでなくおっぱいサイズにはいろいろヴァラエティを設け、もちろん顔立ちやキャラメイクもほどよくバラけさせてと、さまざまに登場する女子連中間で印象のカブりがないのはお見事でさすがプロ作家の貫禄。
このきらびやかなヴィジュアルとは裏腹のじつに胸くそ悪いダークネス炸裂の物語をつむいでいくのがあしもと☆よいかならではの特異な点。今回も2本ほどアホ話が存在するものの、他はみな女子の人権がぞんざいに扱われ度重なる凌辱劇の果てにすっかり性格まで変えられては淫乱エロメスへと転落してゆくまでの一部始終を詳細中継だ。大半は最後に残った理性まで喪失し完全なるセックス奴隷と化し心底気持ちよさそうに精液注がれまくる場面で締めくくられるのでヒロイン自身はまあ幸福なのかも知れないけれど。オムニバス形式で学園の女生徒たちが次々に悪漢どもの魔手に堕ちてゆくタイトル・チューン「学園の長い午後」シリーズはなかでも仕掛けが周到で、当初は背景に退いていた才色兼備生徒会長のどす黒い野望が明らかとなりそれがまさに成就したところでまさかのどんでん返し。その結末についてはみなさま自身の目で確認してもらいたいが、この作家が常に描くこの荒涼とした寄る辺なき衆生の浅ましさにはまいど戦慄させられるとともに、そのバックグラウンドにひそむ壮絶な人間不信に思いをはせてしまう。
勧悪懲善まっしぐらのストーリーにふさわしく、濡れ場の方も輪姦強姦のオンパレード。最終的には無理やり合意の形へ持っていくとはいえ、中途まではまごうかたなきレイプ調教人権蹂躙の見本市だ。無残な初体験から息つくヒマもないザーメン連続注入が続き強引に快感を引き出されてついには誰もが出し放題の精液便所が完成だ。そこまで悲惨な末路でない娘も詭弁みたいな形でやっぱり性奴隷同然の境遇に堕とされたり純情な乙女がすれっからしの売女に変貌したりのろくでもない決着しか迎えないのでまこと諸行無常であることよ。
勉学にスポーツに芸術にと学園生活を謳歌する乙女たちの前に立ちふさがる邪悪な企みのもと彼女らは逃げ場を失いあたら処女を散らされて衆人環視のなか全部の穴を犯される。四肢を拘束されぱっくり開いた蜜壷をさらけ出されて屈辱と羞恥にうめく少女をいっそう侮辱すべく乱暴にシャフトがねじこまれ執拗に内奥を貫かれるのだ。絶え間ない蠕動運動にいつしか苦痛の表情は愉悦のそれへと変貌し自分から腰を振りはじめたら陥落もすぐそこ。四方八方へハートマークをばらまきながら未曾有の快感に全身を打ち震わせる彼女の女子高生まんこいっぱいに白くねばつく液体を叩きつけ女体征服ミッション完了。
登場人物たち自身の気持ちはともかく我々ユーザー視点から見て誰ひとりハッピーエンドになれないいつもながらのシニカルなあしもと☆よいか節を今回もたっぷりと満喫。表題作シリーズでモリモリと女子を登場させ壮大なスケール感が出たのはよかったけど逆に1人あたりの濡れ場総量が減りそこはマイナス点。とはいえカワイイ系の愛らしい作画でもって徹底的に読み手のハートを濁らせる邪悪なお話運びをするという唯一無二の個性はぜひ今後とも貫いていただきたい。収録エピソードのなかでは、あこがれの先輩女子からじかに教えを受けることになり心浮かれる放送部女子に待ち受けていたのは「蜜色の声が響くとき」と、引っこみ思案OLが村おこしコンサルに挑戦し村人たちに溶けこんで(別の意味で)……のノン・シリーズ短編「月あかりのお酒」がマイフェイヴァリット。
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