2018-04-11

本日の王道展開。

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-高津「人妻Aさんと息子の友人Nくん」ティーアイネット ISBN:9784887746848
話◎ 抜○ 消小 総合○

主婦/母として騒がしくも幸福な生活を送ってきたヒロインは子供の同級生に過去を知られ肉体関係を迫られて底知れぬ情欲の深淵へと堕ちてゆき……表題作長編5話&描きおろしフルカラーショート/巻末後日談+当社前単行本表題作番外エピソード1本。公共空間で交合にふけるスリルと悦楽に脳髄を灼かれ理性の枷を外して獣同然にイキ狂う完熟ヤンママの猥褻きわまりない痴態をたっぷりとお届けの作者最新刊は黄色い楕円つき作品集としての通算11冊めにして当レーベルからの第5弾コミックスだ。
この作家がコアマガジンから成年向け初単行本をリリースして以来ずっと自分は息子がお世話になりっぱなしなのだけど、気がつけば大手版元をほぼ網羅するわ一般誌で複数の連載をこなすわでもはや立派な大御所。ロリから熟女まで、甘ラヴもダークエロスもなんでも来いの自在型ゆえ原稿依頼のオファーも絶えることなくまずは善哉。これだけサクセスを果たしてもエロ撤退などせず引き続き精力的に描いてくれているのだからもう感謝しかないですよ。といいつつこの人が去年茜新社より上梓した少年×少年ものオンリー前作「SはフラジールのS」は基本的に同性愛専科の物件は取り扱わない本ブログの方針から心苦しくもはじめて評価をスルーし、レヴュウ対象とするのは今回と同じくティーアイネットから2016年に発売された前々単行本「マイ・ディア・メイド」以来。
昨今は一般漫画誌での活躍から入門した高津ファンも多いと思うが、絵柄のベースはエロ/非エロ問わず健康的かつ明朗な少年漫画テイストのさわやかなもの。ティーンズの息子持ちな本作ヒロインの実年齢は相応に高いはずだが、このキャッチーな作画でものされれば妖艶さよりキュートネスの方がきわ立つ感じ。もちろん成年向けにトーンワークの密度を上げ女体描写をリアル寄りにしてと若干の微調整がほどこされるとはいえなんら違和感はないはず。例によってTIは収録作の初出を記載してくれないのだけど、確認したところ当版元の熟女/人妻専門誌「COMIC MILF」誌上で2016年末-18年に掲載の作品群で品質は折り紙つき。なお出版社提供のコミックス紹介でサンプル画像が、著者pixivアカウントの発売告知であらすじが閲覧可能なので、この作家未体験の方はいっぺん両者のページをチェックしておくといいかも。
巻末に載ったTI前作「マイ・ディア・メイド」番外編を除きみっちりとタイトル・チューンで埋まっているので、コンテンツ紹介はもっぱらそちらに言及する。なお詳細に述べる前に警告しておくが、「マイ・ディア・メイド」のコミカルな雰囲気から今回は一転かなり重めのアトモスフィアとなっているので、高津漫画のライトな部分だけを摂取したい諸兄はこの時点で回れ右すること。それではともに禁断の扉を開いてみましょうか。
家族思いの優しい夫と勉強はイマイチながら元気な一人息子に囲まれ平穏な毎日を過ごすブリーチヘア日焼け主婦・杉本明奈(すぎもとあきな)。そんな彼女に対しある日息子の同級生・斎藤直(さいとうなお)が差し出したのは1枚のDVDパッケージ。それは明奈がかつて出演した人妻もののアダルト・ヴィデオだった。それまでの鄭重な口調から一転不遜な態度で脅迫してくる直に屈し、彼女は口止め料として1週間専属のAV女優になることを誓わされるのだった……というのが物語の発端。彼の歳に似合わぬビッグコックと卓越した性戯にすっかり全身をトロけさせられ自分から膣内射精を乞うてははしたなく咆吼する明奈はいつしか期間限定の縛りも忘れ自分から行為に没頭してゆく。あたかもジゴロのごとく女を手玉に取る術を身につけた直の悪魔的なささやきにより、家族のいるそのそばで/息子らも見守る夏の海の洞窟で/小路の物陰やデパートの試着室で/スイミング教室のシャワー室で、人目をはばからず彼らはセックスにふけるのだ。こうした身の破滅と背中合わせの公開プレイを作者は「隠姦」と称し、これが本作の通奏低音ともなる。かくのごとく背徳の営みをくり返すうちひそかにそれを心待ちにするようになった明奈へ直は突如として関係解消を持ちかけ、最後にとびきり危険な遊戯を行うこととなったのだが……その詳細については実際に読んでのお楽しみ。ちなみにネタバレ防止のため細部には触れないが、このあと奇妙な形で収束した2人の関係は描きおろしパートでその後の顛末が描かれ、そして本当のラストページでうっすらとカタストロフを予感させつつ幕を閉じる。この締めは本当にヒリつくようにデモーニッシュで、日常4コマ作品などで見せるハートウォームなお話運びと当連載のごとく壮絶な決着とが同居する高津のアンビヴァレントな作家性にはうなるほかない。
きわ立ってスリリングな作劇に負けじとヒロインが八面六臂のド派手な艶姿をさらけ出すエロシーンも非常にパワフル。1話あたりほぼ32ページ固定の潤沢なヴォリュームの大半を明奈と直の濃密な交合に費やし読者の勃起中枢をダイレクトドライヴだ。この作家の十八番とも言えるおねショタストロングエロスの枠組みをさらに洗練発展させ、前述の隠姦シチュを存分に散りばめながら肉欲のみに全身全霊でおぼれる2人の破廉恥な行状をじっくりねっとりつむぎ出す。またお話によっては見物人や家族まで本番プレイに関与させアモラル感をいっそうアップ。加えて執拗なまでにフィーチャーされる性器結合/射精断面図と、その都度瞳もうつろにヨダレまみれで昇天するアクメフェイス百面相とがおそろしく扇情的なのだ。過剰とも言えるほどの人妻絶頂場面絨毯爆撃を前に精巣のストックも即座に枯渇すること必定。
なかば脅されながらはじまった関係もいつしかその後ろめたさをスパイスにしてさらなる興奮を励起。誰かの目に触れる恐怖におびえながらあえて屋外や人気のある場所に仮の褥を定め刹那的なセックスに没入するのだ。ワックスがけしたみたく艶やかな体躯をいつしか朱に染め肉食動物のごとくせわしなく身体を重ねては唇を化させ唾液を交換しさらに肌を火照らせる。いきり立つ怒張を肉ヒダの奥深くまでねじこまれ歓喜の声を発する彼女はもはや人智を喪った1個のメスだ。粘膜も破けんかの勢いで執拗に蠕動をくり返されそのたびに四方八方へ淫語まき散らす浅ましい痴態を人目からさえぎるのは頼りない布やほのかに差す影のみ。不倫の罪悪感と身バレの危険の両方に畏怖しながらも、それによる破滅さえ問題とせず目の前の快感にだけ没頭するヒロインのどうしようもなく陶酔しきった表情を引き出せた愉悦に打ち震えなから、彼女の人妻まんこの許容量いっぱいに問答無用の特濃ザーメンを叩きこむのだ。
軽妙なテンポの当社前作からうって変わり、ところ構わず背徳的なファックに耽溺し肉欲のとりことなってゆく人妻転落プロセスの一部始終をカメラ・アイで冷徹に描き出すハードコアな逸品。本稿ではあえて物語の輪郭をぼかすような記述をしたのだけど、実際にはもっと直截的な形でヒロインの感情の揺れやら性行為のエスカレーションが叙述されてゆくので、まずは作品そのものを存分に味わっていただきたい。あと極私的嗜好からすると女子の年齢層がストライクゾーンからだいぶ上方ゆえ実用性をこのような採点にしたが、人妻大好きっ漢ならむしろ評価5割増しで。それにしても最後アレが見つけられプレイヤーにかけられたら……どうなるんでしょうね。

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