2018-04-30

今季の長期連戦。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-三糸シド「少女肉欲痴態 -ラストフルフラワーズ-」三和出版 ISBN:9784776991311
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

エロ盗撮投稿にいそしむ主人公はあるとき秘密の誘いを受けワケありな同級生女子たちを好き放題に犯しまくる荒淫の日々へと突入して……表題作連作シリーズ5話&ショートエピソード3本&描きおろし巻頭イントロダクション。おとなしい普段の顔からは想像もつかない白目剥き淫乱アヘ顔をさらけ出し多数の見知らぬ男根から際限なくザーメン注がれ昇天するドスケベガールズの恥ずかしすぎる痴態をカメラ・アイで冷徹かつ執拗にえぐり出す作者最新刊はトータル6冊めにして本レーベルからの5thコミックスだ。
まず最初に作者の気分を害するようなことを言い放ってしまうのだが(いきなりすいません)、自分はこの作家の得意とする描写のいくつか――極端なアヘ顔百面相やゲスい顔なし竿役だとか愛情ナッシングな乱交プレイなど――をさほど積極的に摂取したがる方ではない。にもかかわらずデビュー作以来欠かさず単行本を購入しているのは、ひとえに好き嫌いを超えた三糸シド作品の圧倒的な業と荒涼感のとりことなっているがゆえ。あたかもタバスコを直接飲み干したかのごとき強烈な刺戟にまいど目を回しむせ込みながらもひと晩経てばもう次回作が読みたくなっているのだ。そんなわけで2016年晩秋に上梓された前単行本「ドスケベ・アプリ」からおよそ1年半を経過してのこの新刊も早々に予約注文を入れた次第。
当初からこの人特有の過剰さを浮き彫りにするタイプのと一見それとはわからない静謐な絵ヅラとに過去単行本の表紙は二分されるのだけど、この新作は後者寄りのおとなしい系統。とはいえもちろんページを手繰れば出てくるのはいつもどおりクールな筆致ながら狂騒的につむがれる派手派手しいヴィジュアルだ。収録作の初出明記がないがググって確認したところ2016-17年にかけ展開のオリジナル同人シリーズをベースにいくつか新作パートを附加したうえで商業単行本化した模様。本体たる薄い本ヴァージョンは著者pixivアカウントの試し読みページでサンプル閲覧が可能なので、不見転で三糸シド作品に挑戦するのが不安な方はまずそちらのチェックをば。
サブタイトルでそれと示唆されるとおり、今回の物語たちはこの作家のライフワークたる長尺NTR連作「ラストフルベリー」の系譜に連なるもの。ただし三糸シド漫画におけるファム・ファタールたる淫乱少女・山之内桐子(やまのうちひさこ)やその恋人・伊吹俊一(いぶきしゅんいち)は今シリーズではサブに回り、代わって同じ学校を舞台に別キャラを狂言回しに据えた一種の番外編となっている(単行本中途に解説ページあり)。いくら作者自身の永遠の恋の対象とはいえ桐子たちの情念うず巻く壮絶な愛憎絵図をエンドレスでくり広げるのは作者の精神力の消耗も甚大だろうから、このような物語のフレームを創出しある程度客観的距離を置きつつも引き続き桐子の痴態を描き出すという二律背反の上手な昇華法だ。といってもこの人のこと、くり広げられるのはやはり壮絶な肉欲の坩堝にほかならないんですけどね。
クラスメイトの下着を日々盗撮し拡散して反応を楽しむ冴えない高校生男子・久我(くが)。そんななか撮影現場を存在感の薄いメガネ女子・橘早苗(たちばなさなえ)に目撃されてしまう。盗撮対象の女の子の秘密を教えるという早苗に誘われるまま彼女のマンションを訪れた久我が目にしたものは、多数の男たちに囲まれ全部の穴を犯されて激しくイキ狂う早苗の気のふれたような淫乱な姿だった……というのが物語の発端。乱交メンバーの仲間入りをした彼は家族そっちのけで男たちと情欲にふける早苗のほか、ファザコンをこじらせ父と関係を持つ日仏クオーターの美少女・御影アリア(みかげありあ)、催眠状態で操られる演劇女子・結城桜(ゆうきさくら)、そしてもちろん三糸シド漫画おなじみの寝取られビッチ・桐子も交え彼女らと仲間の男たちとの果てしなき疾風怒濤超高密度輪姦強姦乱交調教の毎日を送るのだ。物語は全員めでたく陥落しひたすらセックス漬けの光景を映し出していったんシメとなるものの、作中で久我はすぐさま第5のターゲットを用意することに言及し、著者自身の作品解説でも次なる構想についていくつか語られていて、シリーズの締めくくりは当分先の話になりそう。
描きおろしの幕間パートを除き1本あたり34-39ページの大ヴォリュームを利しエロシーン密度は異様なほど高い。女の子の転落プロセスにじっくり時間をかけつつその間も並行してすぐさま行為に突入しているので濡れ場を犠牲にすることなくヒロイン4名の堕ちっぷりをたっぷりと堪能できる仕掛け。ここに三糸シド特有の変顔アクメ百面相や大量のオタマジャクシが抽送されるド派手なナマ中田氏シーン、そしてそれらを下支えするヴィヴィッドなちんこまんこ描写が三位一体となって読み手の勃起中枢をダイレクトドライヴ。目にもお口からもハートマークをあふれさせ粘度の高い白濁で全身を汚されながら法悦の態で昇天する彼女らの艶姿にティッシュの消費量もうなぎ登りだ。
目前でくり広げられる狂気にいつの間にか理性を摩滅させられ常識の枷を壊されて彼女は徐々に荒淫の渦に巻きこまれてゆく。女子高生特有の弾む肢体の上で多数の男根が乱舞し大量に放たれる分泌物の強烈な匂いに脳髄まで侵されるのだ。執拗に内奥を貫かれ幾度も子宮の奥へ精液を放たれるうちもはやすべてを本能にゆだね強烈な快感に体躯を打ち震わせ男たちのザーメンを子袋いっぱいに受け止めてまたしてもドスケベアクメ。
人間存在の救いがたき我執を運命のヒロインに託しある種荘厳な物語へと仕立てあげる「ラストフルベリー」の本筋に対し、こちらはそうした情念の重たさをやや緩和しより快楽オリエンテッドに振ったぶんいくらか気楽に読める。そうであってもこの作家特有の超高BPM/超高密度でくり広げられるえげつないセックス地獄絵巻は不変であり、一読しただけでそのおそろしく膨大な情報量に脳みそクラクラ。読者としてお付き合いするのにも相当な体力が要求される怪作ではあるけれど、それだけに読後の快い疲労とそれによる満足感もひとしおな1冊。まだまだ終わらないこの物語に最後まで伴走させてもらう覚悟ですよ。このたび登場の4大ヒロインのなかでは、本編での堕とされ方がいちばんろくでもなくそれだけにプレイにも悲壮感ただようけなげな恋する演劇女子・結城桜さんがルックス的にもいちばん俺好み。

0 件のコメント:

コメントを投稿