2018-08-27

本日のインターネット部門。

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-駿河クロイツ「まなざしテンプテーション」茜新社 ISBN:9784863497245
話○ 抜○ 消小 総合○

超目つき悪い系不良年上女子×オドオド系ショタ年下男子の逆レイプからはじまる純愛連作2本+独立短編9本。ジト目三白眼蛇眼と圧倒的な眼ヂカラで迫り来る長躯ヒロインズがド迫力ボディをゴリゴリ使役し男子諸君を圧倒しっぱなしの作者これが記念すべきファーストコミックスだ。なおペンネームはそのまま「するがくろいつ」と読み下します。
いつものようにオタショップの平台に並ぶ新刊を物色していたところ、女子の目だけをズラズラ並べた帯のキャッチコピーが強烈な存在感を発揮していたのがこれ。作者に関する予備知識などまるでなかった俺だけど(じつはそうでなかったことがのちほど判明)、たちまち磁石が吸いつくようにそいつが手のひらに入り気がつくとレジでお会計済みだ。そんなわけでさっそく本作のディテイルまでグリグリと腑分けしてゆくぞ。
切れ長の瞳をかすかに伏せたわわな肢体を恥ずかしげにお披露目のたいそう扇情的な表紙が我々読者を熱烈歓迎。中身のモノクロ原稿もおおむねカヴァーイラストの印象を踏襲する一般青年誌系のタッチといえるが、後述するように原稿によってややフィーリングは異なる。版元サイトにある単行本紹介では「これまでの掲載原稿を全て収録」と謳っておきながら肝腎の初出がどこにも書いていないというマヌケ仕様なのだけど、著者tumblrアカウント内の仕事履歴を参照するに2015-16年にかけての「COMIC快楽天」(ワニマガジン社刊)およびそれ以降から直近までの当社刊「コミック高」掲載作品を収録の模様。途中で河岸を変えたことが駿河クロイツの作画に影響を及ぼしたのは明らかで、快楽天執筆分はいくらか現在の絵の片鱗はあるもののわりかしよくあるワニマガ系のそれ。当時すでに快楽天を定期購読していた自分は当然なん本かの作品を読んでいたはずなのになにも記憶していなかったのだから、ことこの人に関しては移籍が個性開眼の決定的なファクターだったと言えるだろう。
コミック高物件ゆえ登場ヒロインは当然のごとくハイスクールガール専科と言いたいところだが、初出の古いものでは他にJDや女教師にキャリアウーマンなど年齢の高い女性もチラホラ。いずれにせよ造形的には明確にグラマラス系で、頭身も高ければ体幹もガッシリの彼女らはその大半が並の野郎どもよりよっぽどフィジカル能力が高そう。ギャルだの不良だの素行のよくない女子多めなのもあいまって配される男子サイドは対照的にナヨナヨ弱っちいのが主流派で、そんな凸凹した関係がのちほどのストーリーを盛り上げるのに寄与する伏線ともなっているのだから初手からなかなか仕込みが達者ですね。
この作家ならではの独自性がもっともきわ立つのはその物語構築において。多くの作品に男勝りなヒロインを起用し体格も性格でも相方を力づくでねじ伏せる男女逆転系の構図を用いながらも、実際のところくり広げられるのはむしろさわやかで甘やかな相思相愛イチャラヴだったりするのだ。前述したごとく彼氏彼女アベコベな見た目を逆手に取ってオーソドックスな和姦賛歌を堂々と展開するのだからタダモノではない。むろんいくつかのお話では外見どおりの女性上位な関係からスタートするのだけど、最終的にはそれらも真摯に愛し合う彼氏彼女の恋愛模様へと昇華される。唯一存在する3Pネタ1本も鬱度0%のきわめて爽快なラヴコメ仕立てであり、愛憎うず巻く感情の駆け引きだの殺伐とした肉欲曼荼羅だのとはまったく無縁の駿河クロイツワールドにいつしか心のなかの鬱屈などキレイに解消されること必至。
特別なアイテムや奇抜なシチュを持ちこむわけではないけれど、ガタイのよすぎる女子連中が画面狭しと乱舞しガツガツ激しい攻防をくり広げるエロシーンは視覚的にやたらと充実だ。肢体描写に負けじと性器も男女双方ドデカく表現されまことにゴージャス。セックスというより格ゲーさながらのドスドスという野太い交接音が響きわたり子宮口の奥まで見せつける扇情的なアングルを多用しながらの肉食ファック絨毯爆撃が読み手の勃起中枢へダイレクトプラグイン。
闇をも切り裂く鋭利な視線はやがて愛する男の極太ディックへと向けられ、その雄大な体躯をステディな男子の前で押し広げつつ彼女は欲望のおもむくまま屹立したシャフトへ腰を沈めてゆく。すぐさま開始される粘膜どうしの激しい攻防のたび豊満ボディを揺さぶりながら未曾有の快感にひたるさまがたまらなく淫猥だ。子袋の奥深くまで陽物を突き立てられては獣のごときけたたましい嬌声が周囲にまき散らされる。いよいよ感極まりすっかりメスの顔を見せつけながら昇りつめてゆくヒロインのドスケベまんこいっぱいにザーメンの奔流がぶちまけられたその刹那愛も性も満願成就だ。
ともすればいかつい見た目にダマされがちだけれど、ギャルだのビッチだのの皮を被ったヒロインたちもみな恋に恋するいっぱしの女の子。そんな彼女らとのスウィート&ストロングエロスをたっぷり摂取しご満悦だ。作画/作劇とも駿河クロイツならではのオリジナリティが明確な形で確立されたのはコミック高移籍後だとはいえ快楽天掲載分とてのちの個性につながる萌芽はすでに兆しており、この初単行本はそうした彼の成長過程が最初から見てとれる貴重なコレクターズ・アイテムでもある。なんにせよこれでようやくキャリアの第1歩を踏み出したばかりなのだから、次作以降のさらなる進歩に期待だ。このたび収録のお話たちのなかでは、見た目クールじつは極度の人見知りな幼なじみ長躯女子の性格に似合わぬ積極攻勢に無条件降伏の「でこぼこなこい」と、チャラい黒ギャル女子がカタブツ委員長を女の武器で堕とすつもりが彼の童貞パワーに身も心も屈し「教育的☆指導」がことのほかナイス。

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