2018-09-09

今晩のフリー・ソウル。

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-平いっすい「ぜっちょーぱーりぃ」文苑堂 ISBN:9784861173028
話○ 抜○ 消小 総合○

アナルセックスに興味津々の生真面目風紀委員は担任教師の寝こみを襲い本編&お尻のみならず前穴も捧げて続編+シスコン実兄と同居するサムライ口調ヒロインはおさんどん中に熱烈に求められ自分自身が美味しくいただかれて本編&描きおろしショート後日談+独立短編5本。清楚な美少女たちが秘められた性癖を開花させ変態的なシチュのもと全身を打ち震わせド派手に昇天のマーヴェラスな光景をお届けの作者これが記念すべきファーストコミックスだ。なお作者名は奇をてらわず「たいらいっすい」と発音すればよろしい模様。
のっけから前パラグラフの記述をくつがえしてしまうのだけど、じつのところ本作は厳密に言うとこの作家の処女単行本ではない。なんとなればこの謎の新人、ゼロ年代なかばにデビューしたのち現在に至るまで活動を続けいくつかの出版社から計11冊のコミックスを上梓したヴェテラン・天乃一水(あまのかずみ)がその正体だからだ。あくまで別人設定で通すのなら本稿でもしらばっくれようかと思っていたのだけど、著者twitterアカウントで自身ネタばらしをしているので以後同一人物として扱うことに。そんなわけで別PNでの前単行本「聖堕陰陽」から1年ちょっとの比較的短いインターヴァルで再度お目見え。
シャープな描線でつむがれる端整なヴィジュアルは10年以上になんなんとするキャリアの蓄積の結果研鑽を重ね洗練の度を高めてきたもの。収録作すべて当版元の看板誌「コミックバベル」で2016-18年にかけ掲載分と最新原稿ゆえ品質も高値安定だ。なお1話試し読みへのリンクが付属した新刊情報ページから本作の内容を確認できるので、見本閲覧可能な書店が近くにない方は事前にそちらを覗いておくのが吉。
このバロキッシュな筆致でもってちんまり幼女から妖艶アダルトさんまでどんなタイプのヒロインも描きこなしてみせる人だが、今回はほぼハイティーン制服女子で統一。ただ年齢レンジは狭いのに女の子の体型は巨乳/貧乳にハッキリ二分され、前者はともかく後者はnotロリbutつるぺたという近年の商業エロではあまりお目にかかれない系統のもので貴重だ。バストの大小を問わず彼女らはいずれもノーブルな顔立ちをうっすら上気させいかにも濡れ場突入直前という風情でなんとも興奮をそそりますね!
近作では異様にスケールのデカいファンタシー長編だの複雑に入り組んだ情欲の相克だの大仰な枠組みの作劇が前面に押し出されていた印象だけど、看板を掛け替えてのこの作品集ではむしろポップで軽妙なラヴコメの一面が強調されている感じ。その意味では帯コピーにある「メス堕ち専門作家!」の煽りは若干ミスリードで、たしかに女子みな最後は気持ちよさげにイキまくるのだけどダークな色合いは一部の作品を除き希薄。同級生や先輩後輩、幼なじみに師弟関係などの男子女子がオフビートなノリの恋愛模様を刻んでゆく、ちょうど2010年代前半の天乃一水漫画テイストがここに来て復権してきたかのような趣だ。
ペンネームが変わってもやっぱり同じ人なのだなあともっとも実感できるのがそのエロシーン。1本あたり20-24ページのそう多くない分量のなかくり広げられる濡れ場は基本オーソドックスな肉体言語の応酬なのだが、ヒロインの性的嗜好にほんのりアブノーマルなそれを附与しプレイにもイケナイコトしてる感をもたらすのだ。超敏感体質だのマゾヒズムだのいろんな変態性向をむき出しにするなかもっとも多用されるのがアナルスキー属性。前よりもお尻の穴で感じちゃう女の子がゴリゴリ菊門に怒張をねじこまれ恥も外聞もなくアヘりまくるさまは壮観。また前述した発育不全っ娘たちだと相方たる男子サイドとの体格差がきわ立ちいっそう背徳感マシマシだ。これら巧妙に織りこまれた性癖を全開してはトロトロのイキ顔さらし幾度も精液注がれ絶頂の快楽堕ちプロセス完遂へと至る。
ティーン特有の弾むような体躯をステディな男子の手にゆだね敏感な部分を執拗に責めたてられて彼女らはたちまち淫乱モードへとチェンジ。呼吸を荒げ瞳をうるませながら下半身をご開帳し蠱惑的なポーズで挿入をおねだりだ。勢いよく剛直をねじこまれ激しく粘膜を突き上げられて随喜の涙を流し全身をビクつかせながらあたり一面にエロワードをまき散らす少女のはしたなさすぎる痴態にいっそう興奮。瞳にハートマークを浮かべ汗と涙とよだれまみれで絶頂するヒロインの前後の穴へ粘度の高い白濁をドプドプ流しこみ性の饗宴もようやくフィナーレ。
ここ数年のえげつない肉欲曼荼羅に比してこの新ペンネームでものされた作品集はよりマイルドな味つけで受容しやすい。それでいてアナルファックをはじめとする変態性癖フィーチャーはあいかわらずで、心底気持ちよさげにイキ狂うエロメスどもの艶姿をたっぷり堪能だ。いまのところバベルではこのPN&作風を継続するようなので、従前のノリを貫く元名義での他社仕事と合わせ2種類のテイストを同時進行で楽しめるゼイタク。今回収録のものではおっぱい女子登場のものがより私的嗜好に合い、文武両道完璧超人彼女がドエロく変貌し精根尽き果てるまでハードファックの「マジメビッチは超敏感」と、一見ドSなクールビューティ幼なじみ女子を緊縛調教ラヴラヴ肉便器化「偏愛彼女」がマイベスト物件。

2 件のコメント:

  1. いつも感想ありがとうございます(^^)
    作品の分析と、迸る感想、毎回楽しみにさせてもらっています。

    PNの件ですが、自分の中では今までの作風とは違うので「レーベルを変えて描く」と思って変えてみました。
    特に、バベルではロリ体型の子を描きたかったので(実際、今回の単行本の半分くらいロリ体型なので)、「天乃一水」の名前だと少し混乱させてしまうかなと・・・。

    ただ、やはり、ロリ体型は年々厳しくなっているのが現状なので、ここまで本数を描くのは今後難しいかもしれませんね(;´∀`)
    今後も、「ハードコアな天乃一水」、「ライトな切り口の平いっすい」を目指して描いていきますので、宜しくおねがいします(^^)

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  2. >天乃一水様
    こちらこそコメントいただきまことにありがとうございます。
    自分はバベルを定期購読しているので先生がPNを変えて執筆を開始されてからの軌跡はひととおり見てきているつもりですが、やはり作風も意図してチェンジしていたのですね。
    こうして単行本にまとまると対照的なテイストがよりきわ立っていて、先生の狙いどおりレーベルの特色が出ていると思います。
    ちょうどレコードのA面/B面みたいな(形容が古いw)
    バベルはわりとロリ作家さんも多いですし(関谷あさみ先生の参戦などもありましたね)、たぶん今後もつるぺた描けますよ!
    引き続きどちらの名義のコミックスもレヴュらせてもらう所存ですので、よろしくお願い致します。

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