-ハッチ「じぇいえす」ヒット出版社 ISBN:9784894657755
話◎-○ 抜○-△ 消小 総合○
親同士の再婚でできた同い年の弟へ過剰にかまう姉はやがて彼の言いなりに身体を許し前後編+独立短編5本。理不尽な性的虐待に耐えるうちいつしか快感に目覚め自分から行為におぼれてゆく少女たちの痴態をリアルにつむぎ出す作者最新刊は通算17冊めにして完全新作単行本としての16thコミックスだ。なおこちらは本来9月末発売のものを大幅にディレイしての評価記事であることをあらかじめおわびしておく。
年齢や性癖を限定した専門誌化が進むこの業界ではいまや貴重なエロの総合デパート「COMIC阿呍」はそう言いつつも執筆陣はそれぞれ作品傾向がほぼ固定されており、今回評価の俎上に載せるこの人が担当するのは単行本タイトルが示唆するとおりのロリ系。以前に他社で執筆していたころは普通に巨乳ヒロインも描いていたのだけれど現在ではすっかりスレンダー女子専科ですよ。比較的筆の速い漫画家がそろう阿呍のなかでもひときわ量産の利く部類で、昨秋刊行の前作「ロリピズム」から本作リリースまでたった1年と電光石火の早業を誇る。
いつものごとく外注によるコッテリ扇情的なヒット塗りのカヴァーイラストがぼくらをお出迎え。このむやみに濃密なカラー彩色とは裏腹の、ドライで硬質なモノクロ原稿との激しいギャップに最初ビックリするのはもやはハッチ作品の恒例行事だ。残念ながら収録作の初出明記がないがおそらく前作刊行後の阿呍掲載分のはずで作画品質はきわめて安定。表紙の印象はあまり当てにならないので、購入の際は店頭見本を閲覧できる書店におもむくか、版元提供の単行本情報ページでサンプル画像を参照するのを強くオススメ。
このたび我々の股間の愉悦に貢献してくれる女性陣は看板どおりのランドセル世代専科……と言いたいところだが、すでにその段階を過ぎているヒロインも少数存在するので若干看板に偽りあり。まあそれらを含め基本的には起伏に乏しいスレンダーボディに視界をさえぎるもののないすべすべのタテスジが組み合わされるので深く失望するようなことはないはず。ハッチ特有のソリッドな肢体描写がこの成長しきっていないボディを描くのには非常にマッチしていて、ようやく第二次性徴がはじまったばかりのふくらみに乏しいトルソのコリコリ感が得も言われぬ背徳感をかもし出すのだ。
昔もいまもこの作家ならではの味わいがもっとも明確に現れるのがそのストーリー面において。阿呍に来てからの物語傾向を外面的な部分だけで規定すると「ロリ凌辱」のカテゴリーとなろうが、その定義ではくくりきれない非常に複雑なテイストがハッチならではの独自性だ。単純に女の子がヒドい目に遭うだけでなく、虐待を受けるうちいつしか順応し悦楽すら覚えるようになったり、あるいは少女を好き放題に蹂躙していた男に対し最後に強烈なしっぺ返しを食らわせたりとそのありようは一直線ではない。加えて意図的にセリフを削り絵の演出だけで読者に意図を悟らせ、あるいは突如流れを切りその先を想像に任せてと、一から十まで説明せずにところどころお話のなかにブランクを作るハッチ特有の作劇法が読み手に対し和姦とも強姦ともつかぬモヤモヤした気持ちを抱かせどこか据わりの悪い読後感を覚えさせる。
お話の方はかくもねじくれた道をさまよわせるものの、濡れ場はストレートにロリまんこ強襲連続中田氏の応酬だ。1本あたり22-34ページと分量はいろいろあるけれど、嫌がる少女の四肢を押さえつけ発展途上ボディを容赦なく剛直で貫きまくるハードコアエロスをどこまでも追求。拒絶と嫌悪の表情をいつの間にか法悦のそれへと変貌させまだしちゃいけないイキ顔さらしながら昇天するに至るちびっ娘調教開発プロセスを冷徹なカメラ・アイで舐めるように描写するのだ。
圧倒的な力でねじ伏せられ褥へ押し倒された女の子は抵抗する術もなくひたすらちんまい体躯を劣情の贄として酷使される。前人未踏の蜜壷をあっけなくこじ開けられ熱い白濁を放たれたのちもくり返し滑らかな肢体に口づけられ狭隘な子宮へザーメンを注がれ続けるのだ。はじめは痛いだけだった下腹部も執拗な攻めののちいつの間にか快い電流がほとばしるようになり、彼女らの肉体は心とは裏腹に覚えたてのセックスに耽溺してゆく。ついには自分からちんこを希求し稚拙ながらも腰を使い積極的に快楽享受にいそしんでは幾たびもアクメアクメアクメ。
和姦ラヴの持つしびれるような甘さとは無縁だし、逆にレイプ漫画ならではのある種の爽快感ともどこか疎遠な、一種ビターですらある読み口は純粋な抜きツールとして用いるぶんには夾雑物多めかも知れない。しかしながらこの常に心の奥をチクチク刺激するような、ハッチ作品特有のどこかいがらっぽい風味を楽しめるようになったら君ももういっぱしのエロ漫画フリーク。ひいき目に見ても派手なセールスを記録しメジャーに成り上がるタイプの作家とは思えないけれど(作者さますいません)、可能ならばいつまでも唯一無二のこの芸風を貫徹していただきたいもの。今回収録の物件中では、乱暴な弟とお節介な姉の連れ子同士が奇妙な共依存関係を築いてゆく唯一の続きもの「多干渉」前後編が物語もエロスも盛りだくさんでよござんした。
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